装着感や使い勝手にも配慮
独自の「ETEMドライバー」搭載、U1万円の実力派Bluetoothイヤホン。エレコム「LBT-HPC51/41」を聴く
もうひとつ大きな特徴は「超小型ツインバッテリー」配置を採用すること。こちらのモデル、ケーブルの途中にはバッテリーユニットが見当たらない。ではバッテリーはどこに仕込まれているのかというと、左右のイヤホン本体の中だ。大柄な筐体は空気容積の確保のためだけではなく、バッテリースペースとしても利用されている。連続再生時間は7時間。HPC51は5時間なので、実はこちらの方が長いのだ。
さて、筐体が大柄で中にバッテリーまで仕込まれているとなると、装着感に不安を感じる方もいることだろう。しかし実際試してみると、十分な装着感が確保されていると納得できる。
実物の筐体は見た目の印象ほど重くはない。装着をサポートするイヤーアームが装備されていることもあって、固定が緩いということもない。ケーブルの途中にバッテリーユニットがないおかげで取りまわしも良く、総合的な使い勝手は上々と言えるだろう。
そのほか、絡みにくいフラットタイプのケーブル、aptX&AACに対応といった基本的なところはこちらも押さえてある。
■柔らかくも強烈な低音を楽しめる
LBT-HPC41の音の印象としては、柔らかな響きが大きく広がり、低音も豊か。「GrandBass」シリーズらしい音調だ。
相対性理論「夏至」、小松未可子「また、はじまりの地図」といったポップス系のバンドサウンドとの相性は特に良い。クラブ系のサウンドなど低音成分が元から豊かな曲を聴くと、音源の低音×イヤホンの低音で低音が出過ぎる場合もある。一方でボーカル中心にまとめられたポップスを聴くと、低音の増強がちょうどほどよい具合に収まるのだ。主役はあくまでもボーカルのまま、ベースやドラムスの存在感もいい感じに足してくれる。
加えて、小口径ドライバーを鼓膜に近い場所に配置するタイプとしては珍しいことに、中高域も当たりが強く鋭いタイプではなく、柔らかく優しいタイプ。ボーカルやギターの聴き心地もよい。
もちろん、容赦なく低音を出したい!という方だったらこのイヤホンでクラブ系の低音をこれでもかとブーストしてガンガン楽しむのもありだろう。
スマートなルックスにクールで引き締まったサウンドのLBT-HPC51。ゴツいルックスにウォームで大柄なサウンドのLBT-HPC41。エレコムBluetoothイヤホンのラインナップをさらに充実させる、好対照な2モデルの登場だ。
(高橋 敦)
【Specification】
■LBT-HPC51
●ドライバー:ダイナミック型 ●ドライバー径:8mm ●Bluetoothバージョン:4.1 ●コーデック:aptX、AAC、SBC ●最大連続再生時間:約5.5時間 ●質量:約20g
■LBT-HPC41
●ドライバー:ダイナミック型 ●ドライバー径:8mm ●Bluetoothバージョン:4.1 ●コーデック:aptX、AAC、SBC ●最大連続再生時間:約7時間 ●質量:約15g