2.5mm/4.4mm端子を用意
オーディオテクニカのバランス対応A2DCリケーブルを、ATH-LS400/ATH-CKR100と組み合わせて検証
オーディオテクニカは、音質にも配慮して設計した独自のヘッドホン/イヤホンケーブル端子「A2DCコネクター」に対応したバランスケーブルを昨年秋よりラインナップに加えた。リケーブル+バランス接続で、オーディオテクニカの定番イヤホンの音質はどのように向上するのか。岩井喬氏がレビューする。
■イヤホン/ヘッドホンのリケーブルに対する根強いニーズ
ヘッドホンやイヤホンのケーブル断線は、普段からポータブル機器を使うユーザーにとって長い間悩みの種であった。かつて断線は修理での対応となることが多かったが、着脱機構があればユーザーサイドでも簡単に交換できるうえ、慣れ親しんだヘッドホン/イヤホン本体をそのまま使うことができる。ケーブル交換に対しては根強いニーズが相当昔からあった。
ヘッドホンはサイズ的にも大きいため、3.5mm端子による着脱機構を取り入れる製品は比較的早い段階から存在していたのに対し、イヤホンにおいてはカスタムIEMを中心に2ピン端子などを用いる動きが高級機であったものの、ミドルクラス以下の製品に対して着脱機構を見かけることはなかった。
この状況に転機が訪れたのは、通信分野のRFコネクターなどで採用されていたMMCX端子を用いた製品の登場である。MMCXはある程度浸透していた規格であったため、ヘッドホン/イヤホン双方に次々と採用されていった。純正品のみならず、サードパーティーからの交換ケーブル(いわゆるリケーブル)も幅広く展開し、大きな市場を形成するに至っている。
■万能ではないMMCX。その問題点も解消して音質にも配慮したA2DC
しかしMMCXも万能なわけではなく、端子ごとに微妙にサイズが異なり装着できない、もしくはきっちりとはまり過ぎて逆に外れなくなるケースも発生。さらに接合部がくるくると回転してしまうので、ノイズの他、ケーブルに撚りストレスが加わってしまうことなど、問題点も少なからず見つかっている。本来はケーブル断線などに対処するためのリケーブルなのに、接合部が原因でノイズが出たり破損してしまっては元も子もない。
そうした問題点を解消しつつ、利便性や耐久性、音質に対して検討を重ねた末にオーディオテクニカより発表されたのが「A2DC(Audio Designed Detachable Coaxial)」コネクタープラグだ。A2DCコネクタープラグはMMCXのような同軸形状ではあるが、MMCXほど自由に回転せず、適度な保持性のある接合部としている。確実な嵌合性に加え、接触性も高まっていることで音質的にも損失を抑え、純度を保った伝送を実現した。
今回は、このA2DCコネクターを用いたオーディオテクニカのイヤホンと、A2DC対応の最新リケーブル製品を組み合わせ、バランス駆動にチャレンジした。
用意したモデルは、耳掛けに最適なフレキシブルワイヤー入りタイプの「HDC312A/1.2」(2.5mm 4極)、「HDC314A/1.2」(4.4mm 5極)。ATH-CKR100などケーブル下出しタイプの機種に対応した「HDC212A/1.2」(2.5mm 4極)、「HDC214A/1.2」(4.4mm 5極)を取り揃えた。
イヤホンはバランスドアーマチュア型(以下、BA型)”LS”シリーズの最上位モデルでドライバーを4基搭載する「ATH-LS400」と、2つのダイナミック型ドライバーを対向配置した「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS」を搭載する”Sound Reality”シリーズ最上位「ATH-CKR100」の2機種を用意。
そしてDAPには2.5mm 4極バランス駆動端子を持つAstell&Kern「A&ultima SP1000」、さらに4.4mm 5極バランス駆動端子を持つソニー「NW-WM1Z」を用意した。
■ケーブル部には6N-OFC+OFC導体を採用
試聴に入る前に、HDCシリーズのケーブルの詳細についておさらいしておこう。導体に6N-OFC+OFCを採用。半透明PVCシース内はノイズを低減するツイスト構造とし、見栄えの良さや音質的にも考慮した仕様となっている。またプラグカバーは堅牢なアルミ製となっており、耐久性も高い。
なおA2DCコネクタープラグ搭載リケーブルのモデル名だが、HDC以降の百の位が“1”はオーバーヘッド向け、“2”はインナーイヤー型/下出し向け、“3”はインナーイヤー型/耳掛け用だ。続いて1の位がプラグ径を指しており、“2”は2.5mmバランス駆動用、“3”は3.5mmアンバランス接続用、“4”は4.4mmバランス駆動用となる。
■イヤホン/ヘッドホンのリケーブルに対する根強いニーズ
ヘッドホンやイヤホンのケーブル断線は、普段からポータブル機器を使うユーザーにとって長い間悩みの種であった。かつて断線は修理での対応となることが多かったが、着脱機構があればユーザーサイドでも簡単に交換できるうえ、慣れ親しんだヘッドホン/イヤホン本体をそのまま使うことができる。ケーブル交換に対しては根強いニーズが相当昔からあった。
ヘッドホンはサイズ的にも大きいため、3.5mm端子による着脱機構を取り入れる製品は比較的早い段階から存在していたのに対し、イヤホンにおいてはカスタムIEMを中心に2ピン端子などを用いる動きが高級機であったものの、ミドルクラス以下の製品に対して着脱機構を見かけることはなかった。
この状況に転機が訪れたのは、通信分野のRFコネクターなどで採用されていたMMCX端子を用いた製品の登場である。MMCXはある程度浸透していた規格であったため、ヘッドホン/イヤホン双方に次々と採用されていった。純正品のみならず、サードパーティーからの交換ケーブル(いわゆるリケーブル)も幅広く展開し、大きな市場を形成するに至っている。
■万能ではないMMCX。その問題点も解消して音質にも配慮したA2DC
しかしMMCXも万能なわけではなく、端子ごとに微妙にサイズが異なり装着できない、もしくはきっちりとはまり過ぎて逆に外れなくなるケースも発生。さらに接合部がくるくると回転してしまうので、ノイズの他、ケーブルに撚りストレスが加わってしまうことなど、問題点も少なからず見つかっている。本来はケーブル断線などに対処するためのリケーブルなのに、接合部が原因でノイズが出たり破損してしまっては元も子もない。
そうした問題点を解消しつつ、利便性や耐久性、音質に対して検討を重ねた末にオーディオテクニカより発表されたのが「A2DC(Audio Designed Detachable Coaxial)」コネクタープラグだ。A2DCコネクタープラグはMMCXのような同軸形状ではあるが、MMCXほど自由に回転せず、適度な保持性のある接合部としている。確実な嵌合性に加え、接触性も高まっていることで音質的にも損失を抑え、純度を保った伝送を実現した。
今回は、このA2DCコネクターを用いたオーディオテクニカのイヤホンと、A2DC対応の最新リケーブル製品を組み合わせ、バランス駆動にチャレンジした。
用意したモデルは、耳掛けに最適なフレキシブルワイヤー入りタイプの「HDC312A/1.2」(2.5mm 4極)、「HDC314A/1.2」(4.4mm 5極)。ATH-CKR100などケーブル下出しタイプの機種に対応した「HDC212A/1.2」(2.5mm 4極)、「HDC214A/1.2」(4.4mm 5極)を取り揃えた。
イヤホンはバランスドアーマチュア型(以下、BA型)”LS”シリーズの最上位モデルでドライバーを4基搭載する「ATH-LS400」と、2つのダイナミック型ドライバーを対向配置した「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS」を搭載する”Sound Reality”シリーズ最上位「ATH-CKR100」の2機種を用意。
そしてDAPには2.5mm 4極バランス駆動端子を持つAstell&Kern「A&ultima SP1000」、さらに4.4mm 5極バランス駆動端子を持つソニー「NW-WM1Z」を用意した。
■ケーブル部には6N-OFC+OFC導体を採用
試聴に入る前に、HDCシリーズのケーブルの詳細についておさらいしておこう。導体に6N-OFC+OFCを採用。半透明PVCシース内はノイズを低減するツイスト構造とし、見栄えの良さや音質的にも考慮した仕様となっている。またプラグカバーは堅牢なアルミ製となっており、耐久性も高い。
なおA2DCコネクタープラグ搭載リケーブルのモデル名だが、HDC以降の百の位が“1”はオーバーヘッド向け、“2”はインナーイヤー型/下出し向け、“3”はインナーイヤー型/耳掛け用だ。続いて1の位がプラグ径を指しており、“2”は2.5mmバランス駆動用、“3”は3.5mmアンバランス接続用、“4”は4.4mmバランス駆動用となる。