【特別企画】超多機能プレーヤーのDAC性能をチェック
単体機も顔負け、 OPPO「UDP-205」USB-DAC機能。禁断の “同ブランド対決” の軍配は?
■UDP-205のUSB-DAC再生と、ディスク/ネットワーク再生の音を比較してみた
多様なソースの再生に対応するUDP-205だが、本機のディスク再生やネットワーク再生の音とUSB-DACの音を比べると、音調のちがいや音質の差はあるのだろうか。同一ソースを再生して比較してみた。
まず、多くのUDP-205ユーザーが頻繁に使っているであろうディスク再生と比較。テイラー・スイフト「Look What You Mode Me Do」を、CDリッピング音源のUSB-DAC再生と、CD再生とを続けて聴いていく。トーンバランスは同じくしつつ、USB-DACでは1つ1つの音の付帯音がわずかに減少し、輪郭がより自然になる。ボーカル表現はほぼ同じ方向だが、バックミュージックに対しての立体感はややUSB-DACの方が勝ると感じた。
同一音源のDSDファイルとSACDの比較も試みた。こうした聴き比べができるのは、ユニバーサルプレーヤーならではの楽しみだろう。チック・コリア「A.R.C.」は、SACDとe-onkyo musicののマスターは同一とされているので比較に用いるのに好適だ。透明感という点ではUSB-DACとSACDでいずれも秀逸。ピアノの繊細なタッチ、DSDらしい質感再現という点でも両者は拮抗している。改めてSACDプレーヤーとしての能力の高さも実感させられる。
最後に96kHz/24bitの『ブルックナー:交響曲 第3番』をUSB-DACとネットワーク再生で比較すると、音の実体感ではUSB-DACが優れているが、サウンドステージの広さに着目するとネットワーク再生にも魅力を感じる。どちらにもそれぞれの良さがあると感じた。
■話題のDeezer HiFiのロスレス音質も、UDP-205なら存分に楽しめる
昨年12月から日本に導入されたロスレス音楽ストリーミング「Deezer HiFi」の音質も、UDP-205で確認してみた。現時点で対応機器が限られているDeezer HiFiは、パソコンの専用ソフトとUSB-DACを組み合わせて聴くのが、もっとも手近な再生方法となる。今回も、MacBookをトランスポートとして、Deezer HiFiの純正ソフトウェアを用いて再生した。
試聴した楽曲は、宇多田ヒカルが2009年にUtada名義で発売した、アルバム『ディス・イズ・ザ・ワン』(こんなアルバムもDeezer HiFiは聞ける)。アップテンポで楽しい曲調も魅力だが、例えば、本人の声をサンプリングしたと思われるバックコーラスとメインボーカルが重なるときの描き分けがとても明瞭で、これはロッシー品質ではなかなか難しい表現だ。UDP-205はロスレスならではの情報量も十二分に引き出してくれる。ストリーミングでこんな音が聴ける時代が来るなんて…と嬉しくなる。
今回の、USB-DACの音質をチェックするという主旨から外れるが、UDP-205を検討する上で重要なポイントにもなるので書いておきたいことがある。UDP-205はここまで挙げた各種のファイル再生に加え、統合型音楽再生ソリューション「Roon」の音楽をネットワーク経由で再生するRoon Ready機能や、次世代フォーマット「MQA」の再生(ネットワーク/USBストレージ再生のみ)にも対応する。UDP-205が1台あれば、デジタルファイル再生の最前線をほぼ全て網羅できる。この点は強調しておきたい。
◇
今回の試聴を通して確認したUDP-205のUSB-DAC部のパフォーマンスは、筆者の期待を大きく上回っていた。ES9038PROを使いこなしてこそ可能になる圧倒的な情報量には改めて感心させられた。だがそれ以上に、音楽としての表現の勘どころを担う中域の充実は素晴らしいものがある。このあたりは繰り返しになるが、筐体や電源部の物量と作り込みによるところも大きいはずだ。
また、単体USB-DACでもここまでハイスペックなフォーマットをカバーするものは多くなく、究極のレゾリューションの再生にチャレンジできることも嬉しい。今後のフォーマットやメディアの変遷にも柔軟に対応できる。
デジタルファイルやサブスクリプション型のストリーミングサービスの登場は、オーディオリスニングにさらなる可能性をもたらした。MQAやRoonなど新しいトピックも続々と登場している。音質の面でも、フォーマットやメディアへの対応度という点でも、UDP-205の優位性が揺らぐことは当分ないだろう。
(特別企画 協力:OPPO Digital Japan)
多様なソースの再生に対応するUDP-205だが、本機のディスク再生やネットワーク再生の音とUSB-DACの音を比べると、音調のちがいや音質の差はあるのだろうか。同一ソースを再生して比較してみた。
まず、多くのUDP-205ユーザーが頻繁に使っているであろうディスク再生と比較。テイラー・スイフト「Look What You Mode Me Do」を、CDリッピング音源のUSB-DAC再生と、CD再生とを続けて聴いていく。トーンバランスは同じくしつつ、USB-DACでは1つ1つの音の付帯音がわずかに減少し、輪郭がより自然になる。ボーカル表現はほぼ同じ方向だが、バックミュージックに対しての立体感はややUSB-DACの方が勝ると感じた。
同一音源のDSDファイルとSACDの比較も試みた。こうした聴き比べができるのは、ユニバーサルプレーヤーならではの楽しみだろう。チック・コリア「A.R.C.」は、SACDとe-onkyo musicののマスターは同一とされているので比較に用いるのに好適だ。透明感という点ではUSB-DACとSACDでいずれも秀逸。ピアノの繊細なタッチ、DSDらしい質感再現という点でも両者は拮抗している。改めてSACDプレーヤーとしての能力の高さも実感させられる。
最後に96kHz/24bitの『ブルックナー:交響曲 第3番』をUSB-DACとネットワーク再生で比較すると、音の実体感ではUSB-DACが優れているが、サウンドステージの広さに着目するとネットワーク再生にも魅力を感じる。どちらにもそれぞれの良さがあると感じた。
■話題のDeezer HiFiのロスレス音質も、UDP-205なら存分に楽しめる
昨年12月から日本に導入されたロスレス音楽ストリーミング「Deezer HiFi」の音質も、UDP-205で確認してみた。現時点で対応機器が限られているDeezer HiFiは、パソコンの専用ソフトとUSB-DACを組み合わせて聴くのが、もっとも手近な再生方法となる。今回も、MacBookをトランスポートとして、Deezer HiFiの純正ソフトウェアを用いて再生した。
試聴した楽曲は、宇多田ヒカルが2009年にUtada名義で発売した、アルバム『ディス・イズ・ザ・ワン』(こんなアルバムもDeezer HiFiは聞ける)。アップテンポで楽しい曲調も魅力だが、例えば、本人の声をサンプリングしたと思われるバックコーラスとメインボーカルが重なるときの描き分けがとても明瞭で、これはロッシー品質ではなかなか難しい表現だ。UDP-205はロスレスならではの情報量も十二分に引き出してくれる。ストリーミングでこんな音が聴ける時代が来るなんて…と嬉しくなる。
今回の、USB-DACの音質をチェックするという主旨から外れるが、UDP-205を検討する上で重要なポイントにもなるので書いておきたいことがある。UDP-205はここまで挙げた各種のファイル再生に加え、統合型音楽再生ソリューション「Roon」の音楽をネットワーク経由で再生するRoon Ready機能や、次世代フォーマット「MQA」の再生(ネットワーク/USBストレージ再生のみ)にも対応する。UDP-205が1台あれば、デジタルファイル再生の最前線をほぼ全て網羅できる。この点は強調しておきたい。
今回の試聴を通して確認したUDP-205のUSB-DAC部のパフォーマンスは、筆者の期待を大きく上回っていた。ES9038PROを使いこなしてこそ可能になる圧倒的な情報量には改めて感心させられた。だがそれ以上に、音楽としての表現の勘どころを担う中域の充実は素晴らしいものがある。このあたりは繰り返しになるが、筐体や電源部の物量と作り込みによるところも大きいはずだ。
また、単体USB-DACでもここまでハイスペックなフォーマットをカバーするものは多くなく、究極のレゾリューションの再生にチャレンジできることも嬉しい。今後のフォーマットやメディアの変遷にも柔軟に対応できる。
デジタルファイルやサブスクリプション型のストリーミングサービスの登場は、オーディオリスニングにさらなる可能性をもたらした。MQAやRoonなど新しいトピックも続々と登場している。音質の面でも、フォーマットやメディアへの対応度という点でも、UDP-205の優位性が揺らぐことは当分ないだろう。
(特別企画 協力:OPPO Digital Japan)