iOSを出力端末に設定できるように
iPhone/iPadをブリッジに「Roon」オーディオシステムを構築可能に! 新機能をオーディオ的に使いこなす
Roonはバージョン1.4にて、iPhoneやiPadなどのiOS器機からの音声出力に対応した。iPhone/iPadから出力した際の再生音質や対応フォーマット、そしてこの進化によってRoonの使いこなしはがどう変わるのかを佐々木喜洋氏が検証する。
■Roon1.4における「iOS対応」の意味とは
Roonは進化するソフトウエアであり、いままでその進化に伴って新たな使い方を模索するため、様々な検証をしてきた。たとえば以前の記事では、Roonブリッジを使って手持ち機器をRoon対応していく方法についてもラズパイを用いて提案した。
こういった提案を行った理由は、RoonはDLNAとは異なり対応機器が多くそろわない状況にあったからだ。現在ではRoon対応機器は以前に比べると増えてきたが、まだまだ足りないと言えるだろう。
そこで今回は、Roon1.4の導入で新たにiOS機器をRoonの出力先に設定してデジタル出力することができるようになったことから、iPhoneまたはiPadを手軽なRoonブリッジとして、Roonシステムに手持ちのオーディオ機器を組み込む方法を提案していく。
ちなみに今回のRoon1.4はiOS対応が目玉だが、他にもラジオ機能の再設計やゾーン選択方法の変更、性能の最適化などがある(詳細は割愛する)。
■iPhone/iPadをRoonの出力部に設定できるようになった
Roonは複雑なシステムでもある。その複雑さゆえにこれまで制限とされていたことも多かった。たとえばiOSをControl(操作部)としては使えるが、Output(出力部)としては使えないということだ。対してAndroid端末では、これまでもRoonアプリを操作部と出力部の両方に使うことができた。
ただしAndroidでは、標準ドライバーの未成熟さもあり、この機能を十分に生かすことはできなかった。
それに対して、よくオーディオのプレーヤー部としても用いられる、完成度が高いiOS(iPhone、iPad)では、Roonの出力に使えないという状況が続いてきた。先日アナウンスされたRoonのバージョン1.4(関連ニュース)で、ついにiOSが出力部として用いることができるようになったことになる。
これによって、Roonコア(音源)で再生した音源を、Wi-Fi経由でつないだiPhone上の「Roon Remote」アプリから再生することが可能になったのだ。これに伴い、iPhoneをUSB-DACへ接続して、Roonの音源をデジタル出力するという使い方もできるようになった。
この使い方が、実際にどれだけの実用性を持っているのか、どれだけ使えるのか、あまりピンとこない方も多いだろう。
そこで今回は音元出版の試聴室において、実際の音質の検証、およびDSDやMQAなど最新のフォーマットには対応しているのか、という2点について検証を行った。
■iPhone、iPadをUSB接続して音質を検証
ここでのポイントは、USB-DACにパソコンを直結した場合に比べて、Wi-Fi経由のRoonシステムの音はどのくらいのレベルにあるのかということ、もうひとつはiPhoneとiPadで音質の差はあるかということである。
検証には、以下のようなシステムを使用した。
・MacBook Air(Roon core = 音源)
・iPhone 7(Roon control/output = 操作/出力)
・iPad Pro 10.5(Roon control/output = 操作/出力)
・Astell&Kern「ACRO L1000」(USB-DAC/プリメインアンプ)
・FOSTEX「GX100BJ」(スピーカーシステム)
デスクトップのシステムの提案とするため、中核にはAstell&Kernの「ACRO L1000」を置いた。スピーカーにはフォステクスの「GX100BJ」を用いた。それにMacBookにRoonを搭載するが、そこからUSB直でACRO L1000に接続するか、Wi-Fi経由でiPhone/iPadからUSBでACRO L1000に接続するかの違いとなる。後者はRoonにとってはネットワークゾーンとなる。
接続テストの際、MacBookとL1000をUSBケーブルで直結し、L1000とフォステクスのシステムの音を聴いてみた。それぞれ約10万円、約15万円と価格的にも相性が良く、音も十分すぎるほどオーディオらしさを堪能できる、豊かで切れ味のある気持ちよい音だった。音空間の広がりも見事で素晴らしい。少々本題とはそれるが、このシステムの音は特筆ものであり、まじめに聴き入ってしまった。もはやデスクトップオーディオとは言えないくらいのレベルだろう。
なお今回はテストできなかったが、L1000にはペアとなるS1000というスピーカーも用意されているようで、そちらも機会があれば試したいところだ。ヘッドホンアンプ部の音質も感心するくらい良いものであった。
■Roon1.4における「iOS対応」の意味とは
Roonは進化するソフトウエアであり、いままでその進化に伴って新たな使い方を模索するため、様々な検証をしてきた。たとえば以前の記事では、Roonブリッジを使って手持ち機器をRoon対応していく方法についてもラズパイを用いて提案した。
こういった提案を行った理由は、RoonはDLNAとは異なり対応機器が多くそろわない状況にあったからだ。現在ではRoon対応機器は以前に比べると増えてきたが、まだまだ足りないと言えるだろう。
そこで今回は、Roon1.4の導入で新たにiOS機器をRoonの出力先に設定してデジタル出力することができるようになったことから、iPhoneまたはiPadを手軽なRoonブリッジとして、Roonシステムに手持ちのオーディオ機器を組み込む方法を提案していく。
ちなみに今回のRoon1.4はiOS対応が目玉だが、他にもラジオ機能の再設計やゾーン選択方法の変更、性能の最適化などがある(詳細は割愛する)。
■iPhone/iPadをRoonの出力部に設定できるようになった
Roonは複雑なシステムでもある。その複雑さゆえにこれまで制限とされていたことも多かった。たとえばiOSをControl(操作部)としては使えるが、Output(出力部)としては使えないということだ。対してAndroid端末では、これまでもRoonアプリを操作部と出力部の両方に使うことができた。
ただしAndroidでは、標準ドライバーの未成熟さもあり、この機能を十分に生かすことはできなかった。
それに対して、よくオーディオのプレーヤー部としても用いられる、完成度が高いiOS(iPhone、iPad)では、Roonの出力に使えないという状況が続いてきた。先日アナウンスされたRoonのバージョン1.4(関連ニュース)で、ついにiOSが出力部として用いることができるようになったことになる。
これによって、Roonコア(音源)で再生した音源を、Wi-Fi経由でつないだiPhone上の「Roon Remote」アプリから再生することが可能になったのだ。これに伴い、iPhoneをUSB-DACへ接続して、Roonの音源をデジタル出力するという使い方もできるようになった。
この使い方が、実際にどれだけの実用性を持っているのか、どれだけ使えるのか、あまりピンとこない方も多いだろう。
そこで今回は音元出版の試聴室において、実際の音質の検証、およびDSDやMQAなど最新のフォーマットには対応しているのか、という2点について検証を行った。
■iPhone、iPadをUSB接続して音質を検証
ここでのポイントは、USB-DACにパソコンを直結した場合に比べて、Wi-Fi経由のRoonシステムの音はどのくらいのレベルにあるのかということ、もうひとつはiPhoneとiPadで音質の差はあるかということである。
検証には、以下のようなシステムを使用した。
・MacBook Air(Roon core = 音源)
・iPhone 7(Roon control/output = 操作/出力)
・iPad Pro 10.5(Roon control/output = 操作/出力)
・Astell&Kern「ACRO L1000」(USB-DAC/プリメインアンプ)
・FOSTEX「GX100BJ」(スピーカーシステム)
デスクトップのシステムの提案とするため、中核にはAstell&Kernの「ACRO L1000」を置いた。スピーカーにはフォステクスの「GX100BJ」を用いた。それにMacBookにRoonを搭載するが、そこからUSB直でACRO L1000に接続するか、Wi-Fi経由でiPhone/iPadからUSBでACRO L1000に接続するかの違いとなる。後者はRoonにとってはネットワークゾーンとなる。
接続テストの際、MacBookとL1000をUSBケーブルで直結し、L1000とフォステクスのシステムの音を聴いてみた。それぞれ約10万円、約15万円と価格的にも相性が良く、音も十分すぎるほどオーディオらしさを堪能できる、豊かで切れ味のある気持ちよい音だった。音空間の広がりも見事で素晴らしい。少々本題とはそれるが、このシステムの音は特筆ものであり、まじめに聴き入ってしまった。もはやデスクトップオーディオとは言えないくらいのレベルだろう。
なお今回はテストできなかったが、L1000にはペアとなるS1000というスピーカーも用意されているようで、そちらも機会があれば試したいところだ。ヘッドホンアンプ部の音質も感心するくらい良いものであった。