【特別企画】ヤマハ/オンキヨー/パイオニア製品で検証
オーディオファンの夢かなう! ロスレス音楽ストリーミング「Deezer HiFi」を対応システムで聴きまくる
MusicCast対応オーディオでDeezer HiFiを再生する場合、ヤマハのMusicCast専用アプリ「MusicCast CONTROLLER」から選局や操作を行うことになる。事前の準備も簡単で、アプリ上からDeezer HiFiのIDとパスワードを入力しておくだけでよい。
まずはネットワークレシーバー「WXA-50」を使って聴いてみる。今年のグラミー賞で「最優秀オーケストラ・パフォーマンス賞」を獲得した、マンフレート・ホーネック『ショスタコーヴィチ:交響曲第5番<革命>、バーバー:弦楽のためのアダージョ』を聴く。高音質レーベルとして知られるReference Recordingsからの1枚なのだが、このような高音質タイトルも数多く配信されている。
再生の手順は、アプリ上から再生ソースとしてDeezer HiFiを選択。再生先にはWXA-50を選んでおく。楽曲の選曲や検索、再生開始から音量の調整、プレイリストの作成までをアプリから一元的に行えるので非常に使いやすい。
その音はというと、WXA-50は小型モデルであることを感じさせない本格的なサウンドを備えていて、一聴してわかるワイドレンジかつ高解像度で再生してくれた。サウンドステージに奥行きもある。ダイナミックで堂々とした表現には大いに感心させられる。クラシックにおいてCDクオリティの優位性が如実に表れることを改めて実感する。
次はAVアンプの「RX-A1070」だ。AVアンプというと映画ソースのサラウンド再生のためだけでなく、リビングなどでメディアハブ的に利用している方も多いだろう。MusicCastを使えば、AirPlayやBluetoothなどのワイヤレス入力やそのほかのストリーミングサービスなどと切り変えながら、Deezer HiFiを再生できる。
ジョン・コルトレーンが1960年にアトランティック・レコードから発売した名盤『ジャイアント・ステップス』を聴くと、コルトレーンのサックスは色艶がよく立体的で、ジミー・コブのドラムは解像感だけでなく音の立ち上がりにも優れている。センターに定位するポール・チェンバースのベースはニュアンス豊かでよく制動され、実にグルーヴィー。聴き手に猛烈に訴えかけてくる演奏で、ロスレス品質でなければこうした表現を引き出すのは難しいだろう。
最後はAirPlayやDLNAによるネットワーク再生に対応するコンパクトなWi-Fiスピーカー「WX-010」でDeezer HiFiを聴く。試聴した音源はメロディ・ガルドーのライヴ・アルバム『ライヴ・イン・ヨーロッパ』。ダイアナ・クラールと並ぶ人気アーティストで、しかも発売されたばかりのタイトルが定額制聴き放題で、しかもロスレス品質で聴けてしまうのだ。
この小型スピーカーは、サイズを感じさせない巧みな音作りを備えている。聴き心地の良さと、オーディオ的な表現力のバランスが良い。ワイヤレススピーカーは低域を強調したモデルもあり、オーディオファンにとっては違和感があることも多いが、WX-010は正しい解釈で音楽を聴かせてくれる。だからこそ、ロスレス音楽ストリーミングとの相性もいいと感じた。
試聴を続けるなかで、Deezer HiFiの機能である「FLOW」の便利さにも気付かされた。FLOWは、ユーザーの好みを独自のアルゴリズムとDeezerが蓄積してきた膨大なスマートデータを元に学習して、世界中の音楽エディターによるオススメの楽曲を次々と再生してくれるというもの。
FLOWを選択すると自動で楽曲が選択され、もしその曲が気に入らなければ「×」を押せば次回以降選曲されないなど、好みが反映されていく。聴き手の嗜好の学習に加えて、様々なジャンルに精通したエディターが選んだ曲がオススメされるというのがポイントで、素晴らしい音楽との思わぬ出会いを日々与えてくれる。ライフスタイルに寄り添ったコンパクトなWi-FiスピーカーとFLOWとの相性は抜群に良い。しかもこうしたレコメンド型のリスニングをCDクオリティで楽しめるのだから贅沢だ。
ヤマハの3機種を使ってみて、「MusicCast CONTROLLER」アプリ上でのDeezer HiFiの使いやすさに感心させられた。優れた画面デザインや操作性の良さに加え、Deezer HiFiとローカルの音楽ファイルを織り交ぜてプレイリストを作ることもできる。iPad版では、Deezer HiFiのアルバム一覧や検索結果などをタイル表示でき、カバーアートも楽しめる。
またマルチルーム再生にも対応しているので、ネットワーク上の複数のMusicCast機器からDeezer HiFiを再生でき、家中をロスレスストリーミングの音楽で満たすことができるわけだ。
■ネットワーク再生環境への統合やポータブル運用では対応製品は必須
このように、Deezer HiFi対応のオーディオ製品を使えば、より手軽にロスレス音楽ストリーミングが楽しめる。パソコンから開放されるだけでなく、馴染んだオーディオコンポーネントの操作性でDeezer HiFiを扱えるのもいい。マルチルーム対応やその他の音楽ソースとのシームレスな統合、ポータブル環境でのリスニングを行いたい場合は、対応機器の導入は必須となる。
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