【特別企画】クロックケーブルはTEAC最新クロックと検証
理論が裏付ける伝送性能 ー サエクのデジタルケーブル「DIG-4000Mk2」を聴く。クロック用「DIG-T50」も
■PCOCC-A導体採用の同軸デジタルケーブル
まずは同軸デジタルケーブル「DIG-4000Mk2」から試そう。このケーブルの大きなトピックとして、2013年に製造中止になった「PCOCC-A導体」を採用していることが挙げられる。オーディオファイルに高い人気があったPCOCC-Aだが、部材の枯渇により惜しくも生産が終了してしまった。今回、新製品でありながらこの線材が採用されていることに驚き同社に確認したところ、線材メーカーに若干残っていた在庫を発見して使用したのだという。
このPCOCC-A素材を、断面積0.19Sqmm2導体として採用したうえ、最も比誘電率の低い素材「フッ素樹脂」を引き延ばした「多孔質PTFE」を絶縁材として採用している。これらのマテリアルと構造により、信号伝搬遅延速度3.95ns/mという高速な伝送速度を実現した。しっかりした理論とそれに裏付けられたスペックをもつ、筆者が好きなタイプのケーブルである。同社によると「ある意味ケーブル長が短縮されたのと同一の効果が期待できる」そうでこれは楽しみだ。
■自然なトーンバランスの「DIG-4000Mk2」
試聴環境は、アキュフェーズのプリアンプ「C-3850」(¥1,800,000/税抜)、同パワーアンプ「M-6200」(¥900,000円/税抜・1台)、スピーカーに、モニターオーディオのプラチナムシリーズ「PL200 II」(¥1,100,000/ペア・税抜)を用いた。
まずは、アキュフェーズのセパレートCDプレーヤー、トランスポート「DC-950」とDAコンバーター「DP-950」(各¥1,200,000/税抜)を用いて、プレーヤーとDACをDIG-4000Mk2で繋いで試聴した。
音源については、ポップスはテイラー・スウィフトの新作『レピュテーション』。ジャズボーカルは、ダイアナ・クラール『ターン・アップ・ザ・クワイエット』。クラシックは、アンドレア・バッティストーニ『チャイコフスキー:交響曲第5番』を用意し万全の体制で挑む。複数のジャンルを用いる理由として、ケーブルの総合的な能力を確認したいこと、またジャンルとの音質/音色の相性があればそこを聴きとるためだ。
DIG-4000Mk2を手に取ると、メッシュチューブで包まれた導体部と、しっかりとしたプラグを採用しているのがわかる。コネクターシェルを回すとコネクターが締まっていき、機器側の端子部に密着する。このようなタイプのコネクターは、端子の直径のわずかな違いにも対応するので汎用性が高く、導電率の向上などメリットが多い。コストは上がってしまうが、特に様々な機器で使用されるサードパーティー製のケーブルとしては必要な機能だと思う。筆者も、普段レビューで使用するときは、同様の仕組みを持つRCAケーブルを利用している。
DIG-4000Mk2の音質だが、高域から低域までの周波数レンジの伸び、全帯域での歪み感の少なさ、癖のないフラットなトーンバランスという3点で非常に優れている。やや下の価格帯の製品とも比較して聴いてみたのだが、このケーブルに変更するとシステム全体の音が予想以上に向上する。
例えばダイアナ・クラールでは、全帯域の歪が少なくボーカルがストレートに聴こえる。ベースなど中低域の力感が高いことも見逃せない。バッティストーニでは、上下の周波数レンジが明らかに広く、聴感上のS/Nも高い。さらに微小レベルの表現力が豊かで、サウンドステージの天井高が上がるような音質向上効果が感じられた。テイラー・スイフトでは、低域のバスドラムだけでなく、中高域を担うシンセサイザーの音にも立ち上がりの速さを感じ、1つ1つの音の粒立ちが鮮明だ。トーンバランスが自然でリファレンス的な音を持つケーブルだと感じた。
まずは同軸デジタルケーブル「DIG-4000Mk2」から試そう。このケーブルの大きなトピックとして、2013年に製造中止になった「PCOCC-A導体」を採用していることが挙げられる。オーディオファイルに高い人気があったPCOCC-Aだが、部材の枯渇により惜しくも生産が終了してしまった。今回、新製品でありながらこの線材が採用されていることに驚き同社に確認したところ、線材メーカーに若干残っていた在庫を発見して使用したのだという。
このPCOCC-A素材を、断面積0.19Sqmm2導体として採用したうえ、最も比誘電率の低い素材「フッ素樹脂」を引き延ばした「多孔質PTFE」を絶縁材として採用している。これらのマテリアルと構造により、信号伝搬遅延速度3.95ns/mという高速な伝送速度を実現した。しっかりした理論とそれに裏付けられたスペックをもつ、筆者が好きなタイプのケーブルである。同社によると「ある意味ケーブル長が短縮されたのと同一の効果が期待できる」そうでこれは楽しみだ。
■自然なトーンバランスの「DIG-4000Mk2」
試聴環境は、アキュフェーズのプリアンプ「C-3850」(¥1,800,000/税抜)、同パワーアンプ「M-6200」(¥900,000円/税抜・1台)、スピーカーに、モニターオーディオのプラチナムシリーズ「PL200 II」(¥1,100,000/ペア・税抜)を用いた。
まずは、アキュフェーズのセパレートCDプレーヤー、トランスポート「DC-950」とDAコンバーター「DP-950」(各¥1,200,000/税抜)を用いて、プレーヤーとDACをDIG-4000Mk2で繋いで試聴した。
音源については、ポップスはテイラー・スウィフトの新作『レピュテーション』。ジャズボーカルは、ダイアナ・クラール『ターン・アップ・ザ・クワイエット』。クラシックは、アンドレア・バッティストーニ『チャイコフスキー:交響曲第5番』を用意し万全の体制で挑む。複数のジャンルを用いる理由として、ケーブルの総合的な能力を確認したいこと、またジャンルとの音質/音色の相性があればそこを聴きとるためだ。
DIG-4000Mk2を手に取ると、メッシュチューブで包まれた導体部と、しっかりとしたプラグを採用しているのがわかる。コネクターシェルを回すとコネクターが締まっていき、機器側の端子部に密着する。このようなタイプのコネクターは、端子の直径のわずかな違いにも対応するので汎用性が高く、導電率の向上などメリットが多い。コストは上がってしまうが、特に様々な機器で使用されるサードパーティー製のケーブルとしては必要な機能だと思う。筆者も、普段レビューで使用するときは、同様の仕組みを持つRCAケーブルを利用している。
DIG-4000Mk2の音質だが、高域から低域までの周波数レンジの伸び、全帯域での歪み感の少なさ、癖のないフラットなトーンバランスという3点で非常に優れている。やや下の価格帯の製品とも比較して聴いてみたのだが、このケーブルに変更するとシステム全体の音が予想以上に向上する。
例えばダイアナ・クラールでは、全帯域の歪が少なくボーカルがストレートに聴こえる。ベースなど中低域の力感が高いことも見逃せない。バッティストーニでは、上下の周波数レンジが明らかに広く、聴感上のS/Nも高い。さらに微小レベルの表現力が豊かで、サウンドステージの天井高が上がるような音質向上効果が感じられた。テイラー・スイフトでは、低域のバスドラムだけでなく、中高域を担うシンセサイザーの音にも立ち上がりの速さを感じ、1つ1つの音の粒立ちが鮮明だ。トーンバランスが自然でリファレンス的な音を持つケーブルだと感じた。
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