単体動作、手軽で「被りたくなるVR」
「Oculus Go」の衝撃! 23,800円のヘッドセットがVRの世界を変えてしまいそうだ
■メガネユーザーも安心! スペーサーが同梱されている
さて、日本人はメガネユーザーが多い。記者もその一人である。Oculus Goは、いわゆる「メガネonメガネ」状態の装着への対処も、同梱物だけで行える。具体的な手順を言葉で説明すると長くなるので、公式動画を見てもらうのが一番早い。かんたんに言うと、メガネ装着用のスペーサーを内側にセットすればよい。
ちなみに、記者のメガネはウェリントン型で、わりと上下のサイズが大きめだが、指示通りにメガネスペーサーをあいだに入れると、なんとかメガネありでも違和感なく装着できた。ただ、やはりメガネの一部が当たっているようで、バンドをキツめに装着すると、メガネが干渉して少し痛い。
また、メガネスペーサーを装着すると、アジア人の悲しさか、鼻の高さが足りず、その部分にぽっかりと穴が開いて外界が見える。個人的には、このくらい外界が見えていた方が、完全シャットアウト状態より安心するので、あまり気にならない。
肝心の装着感だが、本体の質量は400g台なので、頭の前が重い感覚はあまりない。長時間装着しても重さで疲れることはなかった。バンドの伸縮性やホールド感も適正と感じる。
なお左右のレンズのあいだには近接センサーを備え、被るとセンサーでそれを認識し、自動的に電源が入る。このセンサーの誤動作で電源が入ることも多いのだが、十数秒何もしないとすぐに切れるので、それほどバッテリーの減りは気にしなくてもよい。
■スピーカー内蔵により「被るハードル」がさらに下がる
さて本機は、スタンドアローンであるほかにも、「被るハードル」を下げる工夫が数多く盛り込まれている。スピーカーを内蔵していることも、その大きなポイントだ。
Oculus Goはスピーカーを搭載しているので、イヤホンなどが無くても、スピーカーで音が聴ける。これに対してイヤホンやヘッドホンが必須なデバイスでは、被るだけでなく、ヘッドホンやイヤホンを装着する必要が出てくる。さらにケーブルの取り回しも考えなくてはならない。面倒なことこの上ない。
Oculus Goのスピーカーで音を出していると、当然ながら周りにも音が漏れる。とはいえ、ギターの音が流れているときに音量を3分の2程度にして、2m程度の距離にいた家族に「何が聞こえる?」と聞いたら、「なんかシャカシャカ言ってるね」とのことだった。その程度なので、何が再生されているかの詳細は、近づかなければ分からないだろう。
スピーカーの音質だが、それほど悪くない。低音がずんずん沈み込むとか、高域がクリアに伸びるなどといった、特段優れた部分があるわけではない。だが、一聴して「シャカシャカしていて無理」となる、チープすぎる音ではない。妙なピークがなく聴き疲れもしない。カジュアルに使う用途には十分ではないだろうか。
なお、このスピーカーの音について、Oculusは「3Dイマーシブサウンド」と言っていて、たしかに「ここから音が鳴っているな」というのは分かりにくく出来ている。とはいえ、包み込むような音場感で音がグルグル回るかというと、それほどではない。あまり期待しすぎない方がいいだろう。
もちろんイヤホンで音を聴くこともでき、本体の側面に3.5mmのイヤホンジャックがある。周りに音を聞かれたくない場合には、こちらを使おう。ちなみに、その上には充電用のmicroUSB端子を備えている(このmicroUSB端子は若干挿し込みづらい)。
本体の前面上側には、中央に電源ボタンがあり、左側には音量ボタンがある。このボタンの大きさや手触りは、もう少し工夫の余地があったと感じる。触ったときにどのボタンか、どっちがボリュームアップかダウンか、分かりづらいのだ。