単体動作、手軽で「被りたくなるVR」
「Oculus Go」の衝撃! 23,800円のヘッドセットがVRの世界を変えてしまいそうだ
■VRアダルトの現在に驚嘆。Oculus Goとの組み合わせは実に快適
さて、ここからは1セクションを費やし、DMMのVRアダルト動画を楽しんだ感想を紹介したい。これがまた、とんでもない体験だったのだ。こっち方面に興味のある方は、このためにOculus Goを買っても損はないと断言できる。
2年ほど前、VRとアダルトコンテンツについてレポートした。それ以降、状況がずいぶん変わってきたことにはうっすら気づいていた。大手メーカーが定期的にコンテンツを投入するようになったし、クオリティが急速に上がっているということも仄聞していた。
だが最近、そっち方面への興味・関心が急速に薄れてきていることもあり、じっくり試す機会には恵まれなかった。
そして今回、Oculus GoとDMMプレーヤーの組み合わせを試したわけだが、その高い可能性に驚嘆せざるを得なかった。
DMMには約4,000ほどのVRタイトルがあるが、そのうち3,400弱はアダルトVRコンテンツである。大量のアダルトVRコンテンツがすでに溢れているわけだ。
コンテンツを買おうにも、正直、どれを選べば良いのか皆目見当が付かない。そこで安直ではあるが、ランキング1位で、しかもカスタマーレビューを見ても評判の良かった作品を買ってみた。「【VR】VR長尺 お夜食VR1周年記念」で始まるタイトルで、980円で486分収録、しかも撮り下ろしだ。
メーカー名は「お夜食カンパニー」で、今回初めて知ったのだが、カスタマーレビューには「いつものお夜食のシチュエーション」などという表現が並んでいる。この世界では非常に有名なメーカーのようだ。
この作品には3つのシチュエーションが収録されているのだが、そのうち2つのシチュエーションはほぼ同じだ。
満員電車に揺られていると、少し遠目に、チラチラこちらを見ている女性がいる。周囲にも何人かの女性がいて、そちらも見放題なので視線を移しているうちに、件の女性がだんだんとこちらに近づいてきて、こちらをうるうるした目で見つめ、耳元で誘いの言葉を囁く。
ここまで、全員着衣のシチュエーションが十数分続くのだが、リアルな映像と、どこを見ても良い自由さが相まって、飽きずに見ていられる。それどころか次第に興奮が高まっていく。
はっきり言ってこんな満員電車の映像、テレビやスマホで見たとしたら、1分もしないあいだに飽きて、スキップしてしまう。それなのに、これほど没頭し見続けてしまうのだ。VRのパワー、恐るべしである。
電車の次は部屋の中に移動し、そこからは主観映像に変わる。ある意味ノーマルなVR映像が続いていくのだが、そこからの作り方も見事。視点がちょうど良いところで切り替わるため、見ていて違和感が無いし、痒いところに手が届くカメラワークだ。脈拍が上がる。
もちろん頻繁に視点が動いては違和感が出るため、少しずつカメラが動いていくわけだが、その移動量、そしていったん撮影場所が決まってからの保持時間が適切なのだ。
Oculus Goのコントローラーでの操作も、完璧では無いものの、なかなかに素晴らしい。再生/一時停止のほか、10秒送り/戻し、60秒送り/戻しがトリガーのワンクリックで行える。
また下に表示されるシークバーを使って、再生位置を変えることもできる。再生位置を変更し、再生が始まるまでのディレイもほぼなく、ストリーミングでもストレスのない再生が可能だ。
VRアダルト動画の体験は、ここまで進化していたのか。これは流行る。いや、すでに流行っているのかもしれないが、この流れはさらに加速するに違いない。
もちろん、DMMのVR動画はOculus Goだけでなく、スマホやPlaystation VRなどでも楽しめる。だが個人的な事情を言うと、拙宅のPlaystation 4はリビングに置いてあり、こういった種類の動画を見るには適さない。だからこれまで、DMMのVR動画を試していなかった。ご家庭をお持ちの方など、こういった状況にある方は多いのではないか。
一方でスマホ+ゴーグルで見るのがもっとも導入コストは低く、手軽に思えるが、スマホ本体をゴーグルに入れるのが結構面倒だったり、多くの場合コントローラーによる操作ができず、再生/一時停止などがしにくいなど、操作性に難がある。
その点Oculus Goは、スタンドアローンでどこにでも持ち歩け、Wi-Fi環境があれば高画質VRエンターテインメントが楽しめ、なおかつコントローラーで快適操作できる。アダルトVRビューワーとして求められる要件を満たしており、極めて優秀なデバイスだ。
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