「デコーダー/レンダラー」の詳細を解説
iFi audioも対応で盛り上がるMQA、その再生のための基礎を徹底解説
■デコーダーとレンダラーの違いと再生における注意点
注意して欲しいのは、「MQAレンダラー」はデコーダーではないということだ。「MQAレンダラー」のみをシステムに加えても、MQA対応とはならない。「MQAレンダラー」を使う場合には、MQAコアデコーダーが必要である。つまりMQAコアデコーダー対応のソフトウェアである、TIDALの再生アプリやAudirvana Plus 3などが必要だ。
例えばTIDALの設定で「Setting」→「Streaming」→「Sound output」から、対応するドライバーの設定(歯車マーク)を開き、そこで「Passthrough MQA」をチェックして選択する。相手がMQAフルデコーダーならばこの方法が適切で、176.4/192kHz(またはそれ以上)の再生が可能になるが、相手がMQAレンダラーの場合には44.1/48kHzまでしか再生ができない(88.2/96kHzではない)。
そのためMQAレンダラーであるiFi audio機器を使う時は、「Passthrough MQA」のチェックを外しておく必要がある。そうすることで176.4/192kHz(またはそれ以上)の再生が可能になる。
編集部注:なお、MQA-CDをリッピングしてAudirvana Plus 3からMQA再生する場合には、ファイル名に「.mqa」という文言を入れる必要がある(例:「ifi-audio.flac」という曲であれば「ifi-audio.mqa.flac」とする)。これは、MQAファイルであることを示すメタデータが、一般的に流通するMQA(FLAC)ファイルには存在するものの、MQA-CDをリッピングして得たMQAファイルには存在しないためとのことだ。一方、後述するRoon1.5の場合は実データを読み込みに行くため「.mqa」は必要ない。
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MQA-CDの音源はもちろんリッピングが可能。Audirvana Plus 3の場合はこのようにファイル名に「.mqa」と追加する
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Audirvana Plus 3でMQA再生を行っている時には、ウインドウ右上にMQA音源としてのスペックが表示される
また特殊な例ではあるが、MQA-CDを普通のCDプレーヤーで再生し、そのデジタル出力をMQAフルデコード対応DACにつなげれば176.4kHz(またはそれ以上)まで再生できるが、同様にデジタル出力をMQAレンダラー対応DACにつなげると、44.1kHzまでしか再生できない。これはCDプレーヤーにはコアデコーダーが搭載されていないからだ。