海上忍のラズパイ・オーディオ通信(46)
Google Play Musicをラズパイで。ストリーミングならではの“音楽との出会い”を体験
■「OTOTEN」でお会いしましょう
4月28日・29日の2日間にわたって中野サンプラザで開催された「春のヘッドホン祭 2018」は、大盛況のうちに幕を閉じた。Raspberry Pi 3搭載「AUDIO OSECHI BOX」の試作を進めるラックスマンのブースにも、初お披露目となるCDトランスポートを目当てにフォロワーの方々が大勢詰めかけた。ワンボード・オーディオ・コンソーシアムの関係者として臨席した筆者も、たくさんの質問に応じさせていただいた(イベントレポート)。
最も多かった質問は、なんといってもAUDIO OSECHI BOXの発売時期と価格についてだが、筆者はそれに答える立場にないため、ワンボード・オーディオ・コンソーシアムの領分であるソフトウェア関連事項に限り回答させていただいた。独自ディストリビューション「1bc」は一般公開されるのか、CDリッピング機能を搭載するのか、ストリーミング再生に対応するのか……答えはすべて「YES」だが、完成度を高めたいのでいましばらく猶予をいただきたい、ということだ。
とはいうものの、ニュースがないと面白くないので、このコラムだけでなくリアルイベントでも成果を報告する機会があればありがたい。本稿執筆時点で直近のイベントといえば……そう、「OTOTEN」だ。
6月17日(日)の12時、OTOTENのラックスマンブースで筆者がホスト役を務める試聴イベントにて、新旧のAORを「AUDIO OSECHI BOX」で再生するデモを行う。これまで実施した2回のイベントではファイル再生とCD再生を披露してきたが、OTOTENのイベントでは「Google Play Music」を利用したストリーミング再生がそこに加わる。圧縮音源のストリーミングなんて……と言うなかれ、これがなかなかどうして、侮れない魅力をラズパイベースのオーディオ環境に添えてくれるのだ。
■MPDとストリーミングサービスの融合
スマートフォンやPCでは当たり前のように利用されている音楽ストリーミングサービスだが、“アプリ”を利用することが基本だ。その音をコンポで聴く時には、スマートフォンからLINEまたはUSBで出力するか、Wi-FiやBluetoothでワイヤレス送信するスタイルが一般的で、一部のAVアンプやワイヤレススピーカーのように内部にアプリを持つケースはそう多くない。
音質でいえば、内部のアプリで再生するほうが有利なことは明らかだ。デコードされたストリーミングデータがSoCから直接DACチップへ入力された方が伝送経路がシンプルになるし、AirPlayやA2DPのレシーバプロセスを常時稼働させておく必要もなくなる。
Raspberry Piというか、Linuxベースのオーディオ再生システムで同じことを実現しようとすると、MPDのような全体を統括する再生系に“ぶら下がる”アプリが理想的だ。そうでないと、再生開始/停止などの操作体系が分離してしまうし、再生中の曲情報を表示するためのユーザインターフェースを別途用意しなければならなくなる。ボリューム管理も悩ましいことになるだろう。
4月28日・29日の2日間にわたって中野サンプラザで開催された「春のヘッドホン祭 2018」は、大盛況のうちに幕を閉じた。Raspberry Pi 3搭載「AUDIO OSECHI BOX」の試作を進めるラックスマンのブースにも、初お披露目となるCDトランスポートを目当てにフォロワーの方々が大勢詰めかけた。ワンボード・オーディオ・コンソーシアムの関係者として臨席した筆者も、たくさんの質問に応じさせていただいた(イベントレポート)。
最も多かった質問は、なんといってもAUDIO OSECHI BOXの発売時期と価格についてだが、筆者はそれに答える立場にないため、ワンボード・オーディオ・コンソーシアムの領分であるソフトウェア関連事項に限り回答させていただいた。独自ディストリビューション「1bc」は一般公開されるのか、CDリッピング機能を搭載するのか、ストリーミング再生に対応するのか……答えはすべて「YES」だが、完成度を高めたいのでいましばらく猶予をいただきたい、ということだ。
とはいうものの、ニュースがないと面白くないので、このコラムだけでなくリアルイベントでも成果を報告する機会があればありがたい。本稿執筆時点で直近のイベントといえば……そう、「OTOTEN」だ。
6月17日(日)の12時、OTOTENのラックスマンブースで筆者がホスト役を務める試聴イベントにて、新旧のAORを「AUDIO OSECHI BOX」で再生するデモを行う。これまで実施した2回のイベントではファイル再生とCD再生を披露してきたが、OTOTENのイベントでは「Google Play Music」を利用したストリーミング再生がそこに加わる。圧縮音源のストリーミングなんて……と言うなかれ、これがなかなかどうして、侮れない魅力をラズパイベースのオーディオ環境に添えてくれるのだ。
■MPDとストリーミングサービスの融合
スマートフォンやPCでは当たり前のように利用されている音楽ストリーミングサービスだが、“アプリ”を利用することが基本だ。その音をコンポで聴く時には、スマートフォンからLINEまたはUSBで出力するか、Wi-FiやBluetoothでワイヤレス送信するスタイルが一般的で、一部のAVアンプやワイヤレススピーカーのように内部にアプリを持つケースはそう多くない。
音質でいえば、内部のアプリで再生するほうが有利なことは明らかだ。デコードされたストリーミングデータがSoCから直接DACチップへ入力された方が伝送経路がシンプルになるし、AirPlayやA2DPのレシーバプロセスを常時稼働させておく必要もなくなる。
Raspberry Piというか、Linuxベースのオーディオ再生システムで同じことを実現しようとすると、MPDのような全体を統括する再生系に“ぶら下がる”アプリが理想的だ。そうでないと、再生開始/停止などの操作体系が分離してしまうし、再生中の曲情報を表示するためのユーザインターフェースを別途用意しなければならなくなる。ボリューム管理も悩ましいことになるだろう。
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