ハイエンドスピーカーの技術を1BOXに凝縮
ガチのマニアも驚くサウンドをスタイリッシュに。DYNAUDIOのワイヤレススピーカー「MUSIC」を聴く
いずれのモデルも、ボディには見た目が美しいファブリックがあしらわれており、本体の質感も高い。余談だが、音元出版「NetAudio」誌の女性編集者が、取材の際に目にしたMusic 1のデザインをいたく気に入ったのが印象に残っている。普段から多くのスピーカーを見ている編集者も、Musicの美しいプロダクトデザインの虜になったというわけだ。
さらに驚かされるのが、搭載されるスピーカーユニットだ。ウーファーやミッドレンジの振動板には、同社ハイファイ用スピーカーのハイエンドモデルでもおなじみのMSP(ケイ酸マグネシウム・ポリマー)コーン素材を採用する。ソフトドーム・トゥイーターも同様にハイエンドモデルのユニットをベースにしている。
また1つのスピーカーに1つのアンプ、いわゆるマルチアンプ方式といわれる凝った方法で駆動される。このアンプ周りの技術は、同じようにアンプ内蔵のプロ用アクティブスピーカーを多く手がけるディナウディオのプロ部門の技術が投入されている。
正直に話せば、最初、本シリーズの価格を知った時「少々高いな」と感じた。だがアルミエンクロージャーの採用や、同社ハイファイスピーカー同等のユニットが搭載されること、マルチアンプ駆動の採用を知ると、逆にお買い得感さえある。
■音の透明感と低域の量感をコンパクトボディで両立するMusic 1
Music 1では、まずAndroidスマホとBluetooth接続し、女子ジャズボーカル「ダイアナ・クラール『ターン・アップ・ザ・クワイエット』」を聞いた。本体のボタンを押してペアリングモードにし、Bluetoothの高音質コーデック「aptX」で接続する。
Music 1は、艶やかな表情で聞かせるダイアナ・クラールのボーカルと、色彩感のあるピアノ、弾力的なベースなど聴きごたえがある。小型ボディながら高音質再生の要所を押さえた音だ。
次に手持ちの「iPhone X」付属のライトニング/USBケーブルを使い、iPhone内の楽曲「ブルーノマーズ 『24K Magic』」を聴いた。透明感のあるエレクトリックシンセサイザーとバスドラムが心地よく、小さなボディから予想以上にグルーブの高い音が出てくる。質量もバッテリーを内蔵して1.6kgと軽いので外にも持ち出しやすい。
■部屋全体への音の広がりも心地良いMusic 5
続いて据え置き型のMusic 5を試聴する。エンクロージャーの中に1インチ・トゥイーター 2基、3インチ・ミッドレンジ 2基、5インチ・ウーファー 1基を搭載する。外観は一体型だが、トゥイーターとミッドレンジが左右独立して搭載され、ステレオ再生を実現する。アンプは50Wのアンプを合計5機使用しマルチアンプ駆動される。
続いてDLNA/UPnPを利用したネットワーク再生を行った。Androidスマホにインストールした「Bubble UPnP」を操作アプリに使い、QNAPのNAS内に保存された「サム・スミス『スリル・オブ・イット・オール』(88.2kHz/24bit FLAC)」を再生する。生命感があるボーカルと、サウンドの部屋全体への広がりが心地よい。シームレスで密度感のある中低域は楽曲の美味しいところをしっかりと表現してくれる。