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ミックスウェーブ共同開発の日本向けモデルも

日本初上陸「FAudio」イヤホンのポイントをブランドマネージャーに聞く。3機種一斉レビューも

公開日 2018/07/27 16:33 山本 敦
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4月に開催された「春のヘッドフォン祭」に、また注目のイヤホンメーカーがやってきた。それが香港のオーディオブランド「FAudio(エフオーディオ)」(関連ニュース)だ。

香港のオーディオブランド「FAudio」が上陸。7機種のラインナップを揃えて日本展開をスタートする

製品開発に関わる共同代表のFung Wong氏とKen Lee氏は、実はOEM(受託製造)や技術コンサルタントなどの側面からポータブルオーディオの研究・開発に長く関わってきた “隠れベテラン” 。今回、2014年に自らのブランドとしてFAudio旗揚げした背景や、「Harmony」をはじめとするミックスウェーブとの共同開発モデルの特徴についてなど、ブランドの戦略マネージャーを務めるKen Lee氏にインタビューした。

春のヘッドホン祭2018のため来日していた、ブランド代表のKen Lee氏にインタビュー

ドライバーやイヤーチップにも独自技術を持った実力派ブランド「FAudio」

FAudioは、LGエレクトロニクスやボーダフォン、オーディオメーカーの「Miniwatt」などの企業でエンジニアとして経験を積んできたFung Wong氏と、数々の音楽スタジオで活躍するミキシング・エンジニアとしての顔も持つKen Lee氏が共同で設立したブランド。

Lee氏いわく、ブランドネームの冠である「F」にはFantastic(見事な)、Finess(上質な)という意味が込められていたり、また創立者であるFung Wong氏をリスペクトして、イニシャルの“F”を譲り受けたものだという。Wong氏が全製品の設計・開発など主に手を動かす方の仕事を担当し、Lee氏は足を使ってFAudioの魅力を世界中のファンに伝える伝道師として、互いの役割を分担している。

ブランド名には創設者へのリスペクトと、Fantastic/Finessといった意味が込められている

現時点でオーダーはできないが木製のハウジングなども加工可能で、高い技術力を有している

この度、これまでにも数多くの魅力的な海外のオーディオブランドを日本のファンに紹介してきたミックスウェーブが、FAudioの輸入代理店業務を行うことが決まった。ミックスウェーブの宮永氏は、FAudioにずっと注目していたとのこと。なかなかLee氏と直接出会えなかったのだが、昨年秋にアメリカで開催されたロッキーマウンテンオーディオフェスティバルで偶然にも機会を得て、とんとん拍子でパートナーシップの話が進んだのだという。

両社によるコラボレーションは、FAudioとミックスウェーブによるイヤホンの共同開発にまで発展した。今春のヘッドフォン祭では「Harmony」「Chorus」「Scale」という3種類の新製品が発表されている。この他のプロトタイプを含めたFAudioのラインナップについては、編集部のイベントレポートで詳しく紹介されている。

ミックスウェーブ共同開発モデルの3BAドライバー搭載イヤホン「Chorus」(カスタムが86,000円前後/ユニバーサルが55,000円前後)

ダイナミック/BA各1基ずつ搭載するハイブリット型イヤホン「Scale」(価格66,000円前後/カスタムのみ)

ミックスウェーブと日本向けの製品を一緒に開発した経験は、FAudioにとっても大きな糧になったと、Lee氏は振り返って語る。

「ブランドを立ち上げてから、日本のファンの皆様に届けたいという思いはずっと強く持っていました。当社の製品に大きな期待を寄せてもらい、ものづくりの情熱も共有してくれたミックスウェーブの宮永氏と出会えたことをとても嬉しく思います。FAudioは“ブランドの理想の音”をファンの皆様に押しつけるようなことは絶対にしません。宮永氏はそんな私たちのポリシーをよく理解してくれています。だからこそ今回、当社のグローバルモデルである“KFシリーズ”をベースに、それぞれに個性を持ちながら自然な音楽再生が楽しめるイヤホンが完成できたのです。」(Lee氏)

ミックスウェーブ宮永氏(写真左)との共同開発は、FAudioにとって大きな糧になったと語る

コラボレーションモデルの開発は、ミックスウェーブの宮永氏が香港にあるFAudioのラボに出向き、三日三晩、寝食を忘れてチューニングを重ねながら詰めてきたという。Lee氏と共有した思いは「これまでにない、ひと味違うイヤホンを作り上げること」だった。

「アメリカのロッキーマウンテンオーディオフェスティバルでFAudioの製品を聴いた時にも、あらためて高い技術力を実感しました。一方で、チューニングを少し日本市場向けにアレンジしたら、もっと多くのファンに響くだろうと思いました。」という宮永氏。高域の再生特性を中心に全体のバランスを整えて、今回3つのラインナップを仕上げてきた。

宮永氏はコラボモデルについて「高域の再生特性を中心に全体のバランスを整えた」と語る

次ページFAudioでは、BA/ダイナミックともにドライバーに独自技術を採用

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