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ミックスウェーブ共同開発の日本向けモデルも

日本初上陸「FAudio」イヤホンのポイントをブランドマネージャーに聞く。3機種一斉レビューも

公開日 2018/07/27 16:33 山本 敦
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Harmonyは片側にフルレンジ1基と高域、低域にそれぞれ2基ずつ、合計5基のBAドライバーを搭載する上位モデル。ハウジングは合金筐体で音導管にもメタルチューブを使った。

「Harmony」(価格134,000円前後/ユニバーサルが87,000円前後)

ジャズのビッグバンドでは音場感の見晴らしが広く、高さ方向の空間再現力が見事だ。ボーカルや楽器のメロディは音像が明快で気持ちが良い。ボーカリストの声がとても生々しく前に迫ってくる。低音は打ち込みが鋭く、余韻がゆったりと響く。ディティールの再現力はとても高そうだ。

S/Nも良く、透明な空気感が心地よい緊張を誘う。中低域は量感も豊かで、溢れる音楽のパワーを上手にコントロールしている。肉付きの引き締まったサウンドに長時間のめり込みながら聴いていても、疲れを感じることがなかった。

Majorは金色に塗装した煌びやかな合金筐体を特徴としている。音導管には無酸素銅を使っている。10.5mm口径のダイナミック型ドライバー1基の構成だが、さらにFAudioが誇る「ダブルダイヤフラム」を採用する贅沢な仕様だ。

「Major」(価格120,000円前後)

独自開発のシリコン製イヤーチップを装着した様子

こちらもジャズのビッグバンドを聴いてみると、高域の切れ味が冴え渡る。低域の制動が効いていて、ドラムスのキックやエレキベースの音色がぴたりと吸い付くような安定感あふれるリズムを刻む。本機もやはり高さ方向、あるいはワイドな音場の再現力に限界を感じさせないイヤホンだ。

Passionよりも高域の質感がさらに滑らかで、例えばビックバンドのトランペットの高音はとても耳当たりが良く自然に馴染む。ビブラフォンのハイトーンも余韻のきめ細かさには思わずうっとりとしてしまう。あふれる情報量を繊細かつ丁寧に扱えるイヤホンだ。

PassionはLee氏が「FAudioの特徴を身近に知ってもらえるおすすめのスタンダード」と太鼓判を押している主力モデル。9.5mm口径のメディカルファイバー仕様のダイナミックドライバーを1基搭載する。紫色に塗装された筐体は合金製で、ステンレスサウンドチューブを採用している。スタンダードモデルでありながらリケーブルにも対応する。

「Passion」(価格35,000円前後)

スピーディーで切れ味鋭い中高域と、余韻の後味がとても爽やかに耳元を駆け抜ける。低音はMajorよりも若干線が細いようにも感じられるが、芯がしなやかで音像もぐっと引き締まっている。音楽が本来持っているエネルギーを無駄なく巧みなバランス感覚で引き出せていると感じた。聴感上のバランスも非常にフラットに仕上がっているが、特に明るく滑らかなミドルレンジが楽しく聴ける。毎日のカジュアルなポータブルリスニングにとことん使い込みたくなるイヤホンだ。

イヤーチップは、白色でノズルと傘との間にギャップのない方が「FA Instrument」、黒色の方が「FA Vocal」になる。Majorをリファレンスにして聴き比べてみると、白色の「FA Instrument」は中高域の抜けが良く、特に金管楽器が豊かに響く。ノズルからの音がダイレクトに音の奥まで届いてくる充実感がある。

白色が「FA Instrument」、黒色が「FA Vocal」

黒色の「FA Vocal」はややバランスが中低域寄りで、重心の低いダイナミックなサウンドが楽しめるイヤーチップだ。音の輪郭線がボールドに描かれ、ダンスミュージックやロックのビートはインパクトがガツンと響いてくる。ビッグバンドの演奏も奥行きの見通しが深い。

フォームチップは意外なほどに低域のこもりが少なく、中高域の抜けの良さが魅力的だ。ボーカルや楽器の音像は輪郭が繊細に描かれる。余韻の響きも滑らかで、一体感あふれるサウンドに引き込まれてしまう。3つのイヤーピースの中でバランスも一番ニュートラルと言えるかもしれない。



FAudioの日本進出はまだキックオフしたばかりだが、Lee氏は「FAudioらしい“ひらめき”と高い技術力を惜しみなく注ぎ込んだイヤホンを、一人でも多くの方々に楽しんで欲しい」と日本のオーディオファンにラブコールを送っていた。

また、Lee氏がもう一つ重視しているポイントは「コスパのよさ」だという。今回試聴した各機種は、確かに価格の側面から見ても、同じクラスの製品に比べてかなり高いコストパフォーマンスを備えていると思う。上質なイヤホンを真摯な姿勢で追求するFAudioは、これからぜひ多くの方々にチェックして欲しいブランドだ。

(特別企画 協力:ミックスウェーブ)

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