「GNR」をコンパクトかつリーズナブル化
ノイズ対策に“革命”をもたらしたアクティブアースの新モデル!テロス「QNR Mini 3.1/QNR 3.1」レビュー
GNR Mini 3.1で試聴
■格段に改善された解像度の繊細性の表現
GNR Mini 3.1の単体からテストしてみた。コンパクトで接続ターミナルは1個、サイズ的にもぐっと設置しやすくなった。アルミ削り出しによる高級感のあるデザイン構造も魅力がある。
まずはGNR Mini 3.1を接続しない通常の状態を聴くと、音はやや緩くコントラストやSN比が甘い。解像度や音の起伏、高域の繊細性も不満が残る状態だった。そこにGNR Mini 3.1を接続すると、透明度が高まり、音の輪郭が明確となって表現が正確になる。コントラストはより良く表現され、中低域は引き締まり力強い。低音弦楽器の旋律の動きも、明瞭に描かれている。筆者の環境で行った今回のテストでは、質感は多少硬めになる傾向ではあったが、これは使い方で調整できるだろう。ヴォーカルは格段に解像度の繊細性を改善し、音像はフォーカスが締まってはっきりする。
さて、ここでシステム全体のアース電位を測定すると、接続しない初期状態では4V。接続すると2.6Vになった。最高級のGNRでは1V以下になったが、それでもアース電位が下がることに間違いはない。そもそも、一般的なバーチャルアースでは、このような電位の違いは発生しない。そのことからも、GNR Mini 3.1が持つ効果は効果は大きいと言える。
GNR Mini 3.1+QNR 3.1で試聴
■QNRで実現できる高域特性の改善は魅力的
そして次にGNR Mini3.1とQNR 3.1を併用してテストする。QNR 3.1は電源ボックスや壁コンセントに接続して使うもので、機器のアースには関係しない機能である。テロスの説明によれば、電源に孕むノイズを光エネルギーに変えて放出する仕組みとのことで、これは8つのLEDと接続されたコンセントの電源波形を検出するプロセッサから構成されている。
GNR Mini3.1を使う構成に追加すると、さらにSN比が強化される。音の輪郭が克明になり、解像度も高まった。再生帯域も広がり、高域はスッキリとするので繊細性は高くなる。特にこの高域特性の改善は魅力だ。
GNR Mini 3.1とQNR 3.1のテストを行って、詳細がベールに包まれていた最上位のGNRは、これらを組み合わせた性能であることを知った。しかも、GNRではQNR 3.1が2基搭載される。今回のテストを経て、改めて最高級GNRの性能の高さも痛感したとも言える。
今回のテストでは、特にQNR 3.1の効果が大きいと感じた。これだけで透明度を高め、QNR 3.1さえあれば良いような印象を感じるかもしれないが、厳密には解像力、低音の分解力、低音弦楽器の明確さなどでは欲を言いたくなる。やはり、GNR Mini 3.1との併用による効果を聴くと、QNR 3.1とのペアで使用するのが理想的だ。
Specification
【Grounding Noise Reducer Mini 3.1】●アース端子:WBT-0703 NEXTGENポールターミナル(金メッキ)×2●構成:クァンタムフューズ、グラウンドノイズコンバージョンデバイス、ステータスインジケーター、スペシャルハイクオリティOFCトランスフォーマー
【Quantum Noise Resonator 3.1】●構成:ノイズコンバージョンインダクター、ノイズリデュケーションモジュール、クァンタムレゾネーションモジュール
【共通】●取り扱い:ENZO j-Fi LLC.、(有)トップウイング
試聴音源
※本記事は「季刊・オーディオアクセサリー」168号所収記事を転載したものです。本誌の購入はこちらから。