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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第215回】そろそろ気になる首掛け/肩乗せスピーカー、ボーズ/JBL/ソニーの3製品を聴き比べ!

公開日 2018/07/30 07:30 高橋 敦
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シリコンと形状固定ワイヤーによって柔軟にフィットする筐体、その重心バランスのおかげで装着の安定感も良好。着席→立って→歩いて→前かがみになってなど、室内で普通に行いそうな動きを一通り試してみたが、装着位置が大きくずれるようなことはなく、安定した装着、安定した音を提供し続けてくれた。

写真上の左右バランスの悪さは筆者の姿勢の問題。右肩下がり……

バッテリー周りも強い。再生時間は最大12時間、15分間の急速充電で約2時間の再生が可能で、今回紹介する中では最長の再生時間だ。自宅で一日着けっぱなしといった使い方も可能だろう。常に身に着けていられるとなれば、Siriなどを呼び出す音声アシスタント端末としての魅力も高まる。

なおカバーを着けると充電USB端子も隠れてしまうが、ジッパーを端から少し開けるだけで端子にアクセスできるので、さほど不便ではなさそうだ。

肩乗せスタイルである他は、Bluetoothヘッドホン/スピーカーと大体共通の使い勝手で、IPX4準拠の防滴仕様も備える。その分野で定評あるBOSE製品なので、アプリ含めてBluetoothオーディオとしての完成度は見事なものだ。

スピーカーユニットは耳に向けて上向きに設置。近距離からユーザーの耳をしっかり狙っているので、体感音量を揃えた場合の周囲への音漏れは、普通のスピーカーよりは小さい。中低音は同社得意のウェーブガイドテクノロジーによって補強。DSPによるチューニングと合わせてバランスを整えてある。

音の印象だが、前述のようにボーズらしい柔らかく包み込むような音像と空間で、くっきり系ではなくふわっとした感触。例えば同社のBluetoothスピーカー「SoundLink Revolve」は、スピーカーから全周囲に広げる360度サウンドだが、対してこちらは逆にスピーカーから内側に向かって自分を包み込んでくるサウンド。だが、その優しい広がり感には共通するボーズらしさがある。音楽に包まれて浸ることもできるし、音量を絞ってBGM的に流しておくときにも邪魔にならない。

Bose SoundLink Revolveシリーズ。カタチは異なるがサウンドの印象は重なる

装着感も音調も心地よく、邪魔にならないし、バッテリーも余裕ありということで、着けっぱなし生活も、本当にいけるかもしれない。

テレビにBluetooth送信機を組み合わせ、ブルーレイ鑑賞の雰囲気もチェックした。本格スピーカー再生システムと比べれば、声の厚みなどに不足を感じるが、空間性の自然さは期待以上だった。それでいて耳元に近い距離から届いてくるので、台詞の声質や息遣いなど、細かな部分の聴こえやすさという強みもある。音ズレも、今回組み合わせたテレビと送信アダプターとの相性が良かったのか、さほど気にならないレベルに収まっていた。

台詞の近さだけならヘッドホンという手もあるが、それだと「脳に直接!?」的な不自然さも感じられてしまう。そういった“不自然さを出さずに声の魅力を存分に満喫できる”ということで、例えば声優さんファンがアニメ作品を鑑賞するのにも良いかも。

JBL SOUNDGEAR

JBL「SOUNDGEAR」は実売税込2万円程度。aptX LL対応のBluetooth送信アダプタが付属する「SOUNDGEAR BTA」パッケージは2万3,000円程度。Bluetooth送信アダプターの有無については、aptX LLによる低遅延伝送が必要かどうかで決めれば良いだろう。


改めましてこちら

カラバリはブラックの他にグレーを用意
例えば、テレビと組み合わせてブルーレイ再生等も満喫したい!という場合、その映像と本機からの音声再生のズレを最小限に抑えられるaptX LLは魅力的。3,000円の追加で安心の純正送信アダプタを手に入れられるなら迷わず確保!だ。

この送信アダプターをテレビの光デジタル出力端子やイヤホン端子に接続しておけば、テレビに接続してある他の機器、たとえばブルーレイに限らずGoogle ChromecastやAmazon Fire TVといった機器からの音も、もちろん聴くことができる。あらゆる映像コンテンツを大画面で楽しみたいという方にぴったりだ。

装着感はボーズと比べると少し硬めに感じた。といっても不快ではなく、「肩応えががっしりしている」といった感触。後述のようにバッテリー駆動時間もそれほど長いわけではないので、長く着けっぱなしでの生活までは想定せず、必要に応じて着け外しをする前提だろう。

肩にヌメッとなじんでくるボーズに対してこちらはガシッと乗っかってくる感触

動きに対しても、ボーズほどしなやかにフィットはしないので、跳んだりかがんだりするとポジションがずれるが、普通にちょっと席を外して移動する程度では問題なさそう。

連続再生は6時間。毎日の充電を忘れなければ必要十分、コンテンツ再生中にバッテリー切れなんてことにはならないはず。

その他はこちらも、一般的なBluetoothヘッドホン/スピーカーと大体共通の使い勝手にまとめられている。使い方に迷うことはないだろう。

次ページ音質は正統派、くっきりとして抜けの良いJBLサウンド

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