【特別企画】真空技術をコンパクトに凝縮
真空+金属筐体+イヤホン/ヘッドホン=VECLOSだけの音。バリエーション豊かな6モデルを一斉試聴
サーモスが展開するブランド “VECLOS” が、待望のイヤホンとヘッドホンをラインナップする。サーモスが培ってきた、サーモスならではの真空技術をチタンおよびステンレスハウジングに凝縮。獲得したのは、ほかにはない個性だ。8月31日の発売に先駆けて、そのサウンドを高橋 敦氏が確かめた。
■サーモスでなければできなかったイヤホン/ヘッドホン
VECLOSは、サーモスによるオーディオブランドだ。「……サーモスって魔法びんの?」と怪訝に思った方もいらっしゃるかもしれない。しかし、そのサーモスで間違いない。同社ならではの発想と技術を生かしたオーディオを展開しているのがVECLOSなのだ。
「ステンレス二重構造シリンダー型真空エンクロージャー」という、“まさにそのもの” なトピックを携えたニアフィールドスピーカーシステム「MSA-380S」「SSB-380」にて、一躍その名をオーディオファンに知らしめた。
そして、そのVECLOSからイヤホンとヘッドホンが登場した。イヤホンは、チタンハウジングの「EPT-700」「EPT-500」、ステンレスハウジングの「EPS-700」「EPS-500」の4モデルをラインナップ。
ヘッドホンもチタンハウジング「HPT-700」のステンレスハウジング「HPS-500」の2モデルと、一気に6モデルがラインナップされた。
大まかには、「700がハイエンドで500がスタンダード」「TがチタンハウジングでSがステンレスハウジング」といった型番にまとめられている。
まずはイヤホンから紹介していこう。全モデルに共通するのはもちろん、ハウジングが「真空エンクロージャー」であることだ。シリンダー型のエンクロージャーは二重中空構造になっており、その中空部分が真空状態にされている。
その真空層。魔法びんにおいてはご存知の通り、断熱保温という効果がある。対してイヤホンのハウジングにおいては、大気との圧力差でシリンダーの内筒と外筒の表面に張力を発生させてハウジングの剛性を引き上げ、さらに振動を素早く収めるダンピング特性も高められているとのこと。音に悪影響となる余計な響きを真空の力でがっつり抑え込んでいる。
そんな利点のある真空エンクロージャーを他のメーカーはどうしてやらないの? という疑問が湧くかもしれないが、その答えは、冒頭に触れた「魔法びんのサーモスならではの発想と技術」だ。
そもそも真空の特性をオーディオに使おうという発想は、それがお家芸であるサーモスでなければ生まれにくい。仮にその発想は生まれたとしても、イヤホンの筐体というコンパクトなモノでそれを実現するには、高度な金属プレス加工技術と真空状態を作り出す特殊な製造方法が必要となる。「サーモスでなければ思いつかない」「サーモスでなければ実現できない」というわけだ。
チタンハウジングとステンレスハウジングの違いは、金属の特性としてチタンは「軽量でありながら硬さと弾性にも富む」、ステンレスは「硬く強度が高い」といったところ。といっても「EPT」と「EPS」ではケーブルなど他の要素や音作りの違いもあり、ハウジング素材の違いがそのまま音に現れているわけではない。
しかし詳しくは後述するが、おおよその傾向としては「チタンのEPTはナチュラル系、ステンレスのEPSはシャープ系」といったように、その素材からイメージされるものに近い音をそれぞれが備えている印象だ。
ドライバー構成は700番はフルレンジ+トゥイーター、500番はフルレンジシングルでBAドライバーを搭載。そのBAドライバーはシリコン製クッションで包んでフローティングにする形でハウジング内に固定。真空エンクロージャーで不要振動を抑え込んだ上、さらに万全を期した振動対策で、よりクリアなサウンドを狙っている。
ケーブルは、チタンエンクロージャーのEPTは銀コートOFCケーブルを採用。そして全モデルMMCXリケーブル対応だ。
■サーモスでなければできなかったイヤホン/ヘッドホン
VECLOSは、サーモスによるオーディオブランドだ。「……サーモスって魔法びんの?」と怪訝に思った方もいらっしゃるかもしれない。しかし、そのサーモスで間違いない。同社ならではの発想と技術を生かしたオーディオを展開しているのがVECLOSなのだ。
「ステンレス二重構造シリンダー型真空エンクロージャー」という、“まさにそのもの” なトピックを携えたニアフィールドスピーカーシステム「MSA-380S」「SSB-380」にて、一躍その名をオーディオファンに知らしめた。
そして、そのVECLOSからイヤホンとヘッドホンが登場した。イヤホンは、チタンハウジングの「EPT-700」「EPT-500」、ステンレスハウジングの「EPS-700」「EPS-500」の4モデルをラインナップ。
ヘッドホンもチタンハウジング「HPT-700」のステンレスハウジング「HPS-500」の2モデルと、一気に6モデルがラインナップされた。
大まかには、「700がハイエンドで500がスタンダード」「TがチタンハウジングでSがステンレスハウジング」といった型番にまとめられている。
まずはイヤホンから紹介していこう。全モデルに共通するのはもちろん、ハウジングが「真空エンクロージャー」であることだ。シリンダー型のエンクロージャーは二重中空構造になっており、その中空部分が真空状態にされている。
その真空層。魔法びんにおいてはご存知の通り、断熱保温という効果がある。対してイヤホンのハウジングにおいては、大気との圧力差でシリンダーの内筒と外筒の表面に張力を発生させてハウジングの剛性を引き上げ、さらに振動を素早く収めるダンピング特性も高められているとのこと。音に悪影響となる余計な響きを真空の力でがっつり抑え込んでいる。
そんな利点のある真空エンクロージャーを他のメーカーはどうしてやらないの? という疑問が湧くかもしれないが、その答えは、冒頭に触れた「魔法びんのサーモスならではの発想と技術」だ。
そもそも真空の特性をオーディオに使おうという発想は、それがお家芸であるサーモスでなければ生まれにくい。仮にその発想は生まれたとしても、イヤホンの筐体というコンパクトなモノでそれを実現するには、高度な金属プレス加工技術と真空状態を作り出す特殊な製造方法が必要となる。「サーモスでなければ思いつかない」「サーモスでなければ実現できない」というわけだ。
チタンハウジングとステンレスハウジングの違いは、金属の特性としてチタンは「軽量でありながら硬さと弾性にも富む」、ステンレスは「硬く強度が高い」といったところ。といっても「EPT」と「EPS」ではケーブルなど他の要素や音作りの違いもあり、ハウジング素材の違いがそのまま音に現れているわけではない。
しかし詳しくは後述するが、おおよその傾向としては「チタンのEPTはナチュラル系、ステンレスのEPSはシャープ系」といったように、その素材からイメージされるものに近い音をそれぞれが備えている印象だ。
ドライバー構成は700番はフルレンジ+トゥイーター、500番はフルレンジシングルでBAドライバーを搭載。そのBAドライバーはシリコン製クッションで包んでフローティングにする形でハウジング内に固定。真空エンクロージャーで不要振動を抑え込んだ上、さらに万全を期した振動対策で、よりクリアなサウンドを狙っている。
ケーブルは、チタンエンクロージャーのEPTは銀コートOFCケーブルを採用。そして全モデルMMCXリケーブル対応だ。
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