作品最高の高画質をホームシアターで実現
Optomaの4K DLPプロジェクター「UHD65」で挑戦!大ヒット映画5作品にベストな画質設定を追いこむ
■画質調整タイトル(4)『オリエント急行殺人事件』
次に調整を試みた作品は『オリエント急行殺人事件』。列車の車内、雪山という特徴的なシチュエーションが連続するタイトルだが、特に全体を通して調整対象としたのが、主人公・名探偵ポワロの人肌の質感だ。
チャプター13では雪山をバックに会話するシーンがあり、人肌と白い背景の表現がポイントなのだが、このシーンのポワロの肌は日焼けしているかのような褐色に近いカラー。一方、チャプター18の車内のシーンでは若干イエローがかった白肌といったところで、全体の統一感が欲しい。チャプター19はトンネル内のシーンとなるが、照明に照らされたポワロの顔の肌のトーンも整えたくなる。
UHD65での画質調整は、「ディスプレイモード:シネマ→リファレンス」と切り替えるため、赤を抜く形でセッティングをして、「ダイナミックレンジ:標準→ブライト」、「コントラスト:-2→0」とした。
画質調整後の視聴では、チャプター13では褐色がかっていた顔の表情も、背景の雪とのバランスと雪の光の質感もトーンが落ち着いた。チャプター18の車内の顔もイエローから人肌程度のバランスとなり、チャプター19は顔の中のコントラストや質感も現れた。名探偵ポワロの人肌という一点に着目した調整だが、改めて全体を見通してみても、統一感も現れて作品の世界に入り込める表現になっている。
■画質調整タイトル(5)『君の名は。』
最後に視聴したのは、Ultra HD Blu-rayでも発売されている、近年最大のアニメ映画ヒット作『君の名は。』だ。
実はこの作品については、「シネマ」のデフォルトのままで視聴しても非常に相性が良い。チャプター13のご神体のシーンでは、紅葉の葉の色のバリエーションもしっかりと引き出すし、チャプター25のカタワレ時を見ても、クレーターを切り割くタテの光の眩しさ、映像全体のダイナミックさもしっかりとバランス良く描写している。
画質調整の方向性としては「ビビッド」に切り替えると、「シネマ」で視聴した際の作品の色の豊かさから、結果として若干落ち着く方向性にシフト。やはり「シネマ」モードの色彩を体験するべきと思う。
今回、UHD65で近年の人気映画5タイトルで画質調整を試みてみたが、やはりUHD65のポテンシャルを引き出す最高画質を望むなら、画質調整は必須だろう。UHD65を導入したAVファンの皆さんも、ディスプレイモードの選択から一歩踏み込み、作品毎のベストセッティングを追求してみて欲しい。
(折原一也)