SQ-N150/D-N150
日常を彩るデザインと高音質が同居。ラックスマンの真空管アンプ&プレーヤー「Neo Classico II」レビュー
■Bulk Pet対応のUSB-DACを内蔵のCDプレーヤー「D-N150」
D-N150は、SQ-N150とデザイン意図を共にするコンパクトなCDプレーヤー。DACチップはTI社製「PCM5102A」を搭載し、ドライブ部には同社の上位モデル「D-380」にされているアルメディオ社製のCD専用ドライブを採用する。
アルメディオ社は2014年にティアックからストレージデバイス事業を譲渡された会社だ。つまりD-N150は、音の要となるCDドライブメカに高い読み取り精度を誇るドライブを搭載した、本格派のCDプレーヤーなのである。
また、前モデルD-N100にはなかった「USB-DAC機能」が搭載されていることも特徴的だ。USB入力はPCM 192kHz/32bitのみの対応となるものの、同社初となるバルク転送機能「Bulk Pet(バルクペット)」に対応している。
ラックスマンは、Bulk Petが企画された初期段階から同機能を開発したインターフェイス(株)と共に開発を行ってきた。他社が先行して同機能を搭載する中、音質を考慮して慎重に開発を行っていたそうで、その結果、本機では独自パラメーターを設定したプリセットを搭載している。Bulk Petの音質的優位点は都度確認しているが、筆者の知る限りパラメーターを自社で設定したのは本モデルが初となるはず。これは興味深い。
入力は全てデジタルで、S/PDIF同軸、OPT、そしてUSBの3系統。出力はRCAアナログ、OPTデジタルを各1系統ずつ備えている。
■スピード感と艶のある音色を同居させたサウンドは他に変えがたい
それでは、コンパクトながら本格的なディメンションを持つ両機の音を徹底的に確認しよう。まずは、スピーカーにフォステクス「GX100BJ」を用いて、SQ-N150とD-N150を組み合わせた構成で試聴した。
最初は基本となるCD再生から。CDの音が良くないとそもそもハイレゾ云々は語れない、大切なポイントだ。試聴したのは、マイルス・デイヴィスが1958年にジャズレーベルの御三家の1つプレスティッジ・レコードからリリースした名盤『リラクシン』。
最新のコンパクトな真空管アンプとプレーヤーがどのような音を聴かせてくれるのか興味津々だった。結論から言うと想像を超えて魅力的で、そして凄い音がした。高性能なソリットステートアンプと真空管の音色の良さを両獲りするような、スピード感と艶のある音なのだ。
マイルスのトランペットは立ち上がりが速くリアルで、レッド・ガーランドのピアノ、ジョン・コルトレーンのサックスとも、色彩が豊かで音楽性が素晴らしい。ポールチェンバースのベースは弾力感に溢れ、ジャズ再生で必須要素のグルーブ感に満ち溢れている。取材に付き合ってくれたPHILE WEBの編集者も、この小型システムから出てくる音が、オーディオ的な能力と高い音楽性を持つことに驚いていた。
次に聴いたのは、ラファエル・クーベリック指揮の「スメタナ:交響詩 わが祖国」だ。情報量やレンジなどオーディオ的な能力も感じるが、何よりも聴き手に猛烈に訴えかけてくる情緒豊かな音楽性が良い。この小さなボディは、温もりを持った穏やかな表現でオーケストラを描き出す。
■分析的な表現もこなすアキュレートな再現性にも注目したい
次に筆者のMacBook ProをトランスポートとしてUSBケーブルでD-N150と接続。最近ポップスのリファレンスにしている、レニー・クラヴィッツのハイレゾアルバム『ライズバイブレイション』から「Low」を再生する。この楽曲の聴きどころは曲冒頭のキックドラムだが、こちらもまさにソリッドアンプと真空管アンプの良いとこどりのような表現で、アタックの立ち上がりが良くスピード感がある。
真空管アンプは出力が小さめだが、実は出力が片チャンネル10Wと知ったのは取材後だった。つまり出力については全く意識しなかったのである。また、真空管アンプは暖かい音というイメージを漠然と持っている方も多いだろうが、本機の場合それだけではなく、オーディオ的な再生能力と音楽性がとても高いバランスで音が作られている。時には分析的にオーディオの音を楽しみたいという方でも、この音には魅力を感じるはず。まさに現代の真空管サウンドなのである
D-N150は、SQ-N150とデザイン意図を共にするコンパクトなCDプレーヤー。DACチップはTI社製「PCM5102A」を搭載し、ドライブ部には同社の上位モデル「D-380」にされているアルメディオ社製のCD専用ドライブを採用する。
アルメディオ社は2014年にティアックからストレージデバイス事業を譲渡された会社だ。つまりD-N150は、音の要となるCDドライブメカに高い読み取り精度を誇るドライブを搭載した、本格派のCDプレーヤーなのである。
また、前モデルD-N100にはなかった「USB-DAC機能」が搭載されていることも特徴的だ。USB入力はPCM 192kHz/32bitのみの対応となるものの、同社初となるバルク転送機能「Bulk Pet(バルクペット)」に対応している。
ラックスマンは、Bulk Petが企画された初期段階から同機能を開発したインターフェイス(株)と共に開発を行ってきた。他社が先行して同機能を搭載する中、音質を考慮して慎重に開発を行っていたそうで、その結果、本機では独自パラメーターを設定したプリセットを搭載している。Bulk Petの音質的優位点は都度確認しているが、筆者の知る限りパラメーターを自社で設定したのは本モデルが初となるはず。これは興味深い。
入力は全てデジタルで、S/PDIF同軸、OPT、そしてUSBの3系統。出力はRCAアナログ、OPTデジタルを各1系統ずつ備えている。
■スピード感と艶のある音色を同居させたサウンドは他に変えがたい
それでは、コンパクトながら本格的なディメンションを持つ両機の音を徹底的に確認しよう。まずは、スピーカーにフォステクス「GX100BJ」を用いて、SQ-N150とD-N150を組み合わせた構成で試聴した。
最初は基本となるCD再生から。CDの音が良くないとそもそもハイレゾ云々は語れない、大切なポイントだ。試聴したのは、マイルス・デイヴィスが1958年にジャズレーベルの御三家の1つプレスティッジ・レコードからリリースした名盤『リラクシン』。
最新のコンパクトな真空管アンプとプレーヤーがどのような音を聴かせてくれるのか興味津々だった。結論から言うと想像を超えて魅力的で、そして凄い音がした。高性能なソリットステートアンプと真空管の音色の良さを両獲りするような、スピード感と艶のある音なのだ。
マイルスのトランペットは立ち上がりが速くリアルで、レッド・ガーランドのピアノ、ジョン・コルトレーンのサックスとも、色彩が豊かで音楽性が素晴らしい。ポールチェンバースのベースは弾力感に溢れ、ジャズ再生で必須要素のグルーブ感に満ち溢れている。取材に付き合ってくれたPHILE WEBの編集者も、この小型システムから出てくる音が、オーディオ的な能力と高い音楽性を持つことに驚いていた。
次に聴いたのは、ラファエル・クーベリック指揮の「スメタナ:交響詩 わが祖国」だ。情報量やレンジなどオーディオ的な能力も感じるが、何よりも聴き手に猛烈に訴えかけてくる情緒豊かな音楽性が良い。この小さなボディは、温もりを持った穏やかな表現でオーケストラを描き出す。
■分析的な表現もこなすアキュレートな再現性にも注目したい
次に筆者のMacBook ProをトランスポートとしてUSBケーブルでD-N150と接続。最近ポップスのリファレンスにしている、レニー・クラヴィッツのハイレゾアルバム『ライズバイブレイション』から「Low」を再生する。この楽曲の聴きどころは曲冒頭のキックドラムだが、こちらもまさにソリッドアンプと真空管アンプの良いとこどりのような表現で、アタックの立ち上がりが良くスピード感がある。
真空管アンプは出力が小さめだが、実は出力が片チャンネル10Wと知ったのは取材後だった。つまり出力については全く意識しなかったのである。また、真空管アンプは暖かい音というイメージを漠然と持っている方も多いだろうが、本機の場合それだけではなく、オーディオ的な再生能力と音楽性がとても高いバランスで音が作られている。時には分析的にオーディオの音を楽しみたいという方でも、この音には魅力を感じるはず。まさに現代の真空管サウンドなのである
次ページアナログプレーヤー「PD-151」とのレコード再生もチェック