タッチ操作やヒアスルーなど機能性も充実
音も機能も“ワンランク上”のBluetoothヘッドホン。オーディオテクニカ「ATH-SR50BT」レビュー
■プレーヤーを問わないクリアさが堪能できるBluetooth再生
肝心なワイヤレス再生の音質も試してみよう。プレーヤーはAndroidスマートフォンのEssential PH-1を使い、aptXコーデックでBluetooth接続する。
一聴して印象に残るのは、引き締まった高域の響きと全体的なクリアさ。ピアノ/ウッドベース/ドラムスのトリオ・GoGo Penguinの「Window」では、ピアノの旋律やシンバルの輪郭がとても明瞭な一方、ウッドベースの迫力も必要十分な量が耳に届く。
プログレッシブロックバンド・Big Big Trainのポップなナンバー「Make Some Noise」も、シャープな音の立ち上がりがメロディーの爽やかさを強調する。多彩な楽器が使われる賑やかな演奏も、音色が上下左右へ適度に散りばめられ、適度な密度感で心地良く聴かせてくれる。
ATH-SR50BTは有線接続でのハイレゾ再生にも対応している。3.5mmステレオミニケーブルも同梱されており、ハイレゾ音源をじっくり楽しみたいときには有線接続をあえて選ぶということもできる。
例えばAndroid搭載のハイレゾDAP、HiBy R6と有線接続で組み合わせて再生すると、ATH-SR50BTの内蔵アンプによるワイヤレス再生よりも一段重心が下がった、どっしりしたサウンドに変貌する。特に中低域の変化は顕著で、「Window」のウッドベースの響きは押し出しがさらに増し、「Make Some Noise」ではイントロのコーラスやアコギの軽快さはそのままに、ベースやバスドラムが野太くなって土台としての存在感を増す。
ちなみに、ATH-SR50BTに3.5mmケーブルを繋げば、自動的にBluetoothが切れ有線モードに切り替わる。また、無電源で使うことも、電源オンの状態でノイズリダクションまたはヒアスルーだけ適用することもできる。使用場所に応じて柔軟に選択肢が用意されているのも嬉しい点だ。
ATH-SR50BTは、これまでのSound Realityシリーズのイメージを裏切らない明瞭で解像感のあるサウンドに加え、タッチ操作/ノイズ低減/専用アプリといった実用的な機能も充実。音質と多機能のバランスを取りつつ、2万円台という価格帯に落とし込んでいる。エントリークラスのBluetoothヘッドホンを物足りなく感じた時、ステップアップの有力な候補になるだろう。