HOME > レビュー > ラックスマンのレコードプレーヤー「PD-151」レビュー。ベルトドライブならではの音楽性と明晰な表現を両立

上位機の技術を継承しつつ小型化も実現

ラックスマンのレコードプレーヤー「PD-151」レビュー。ベルトドライブならではの音楽性と明晰な表現を両立

公開日 2019/01/23 06:38 岩井喬
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PID制御方式は「Proportional」「Integral」「Differential」の頭文字から取られた名称で、Proportionalは通常制御に対応した比例演算、Integralは緩やかな反応に対応する積分演算、Differentialは急峻な反応に対応する微分演算をそれぞれ担当している。ホール素子で回転速度を検出し、その内容をPID制御段に送る。そこでは目標とする回転速度と比較し、演算結果をサイン波コントローラーへ伝送、モーターの回転を制御するという仕組みだ。

さらにターンテーブルについては高精度に切削された21.9N・cm2の慣性モーメントを誇る4kg(PD-171Aでは5kg)のアルミ削り出し・ダイヤモンドカット仕上げを取り入れ、ベルトドライブ方式ならではの滑らかなサウンド作りに繋げている。

そしてトップパネルを支える筐体構造についても刷新。PD-171Aの木材を用いたハイブリッドシャーシ構造とは異なり、本機はシンプルなスチール製の強固なつくりとしている。トップパネルにはトーンアームとターンテーブル、モーター機構部のみが配置された潔いデザインとなっており、電源スイッチや回転数切り替えなどのボタン、ツマミといった操作系は前面シャーシに集約した。

電源スイッチや回転数切り替えなど操作ボタン類は前面部に集約して配置

正面から見るとアナログプレーヤーと一般コンポーネントの雰囲気を併せ持った、現代的な意匠となっている。ダストカバーについてはアクリル製の専用品が別売で用意されているので、必要に応じて発注すれば良いだろう。


ベルトドライブ式の流麗な音楽性に、現代的で明晰なサウンドが特徴

早速試聴してみよう。カートリッジにフェーズメーション「PP-2000」、フォノイコライザーにアキュフェーズ「C-37」を用いたが(プリアンプ:アキュフェーズ「C-3850」、パワーアンプ:アキュフェーズ「M-6200」×2、スピーカー:B&W「803D3」を使用)、比較用にPD-171Aも準備した。

基本的なPD-151のサウンド傾向としては、ベルトドライブ方式らしい落ち着きのあるS/Nに優れた音を聴かせてくれる。PD-171Aがより重厚感のある低重心でサウンドステージの広大なサウンド再生を得意とするのに対し、PD-151はそれより幾分引き締まった音場展開で、全体的に音像のフォーカス感にウェイトを置いた、現代的な解像度志向のサウンドが特徴と言えそうだ。

現代的な解像度志向のサウンド。特にドラムの再現が高密度かつ自然で印象的、キックドラムの空気が動く感触までリアルだ

PD-151でクラシックを再生すると、立体的かつきめ細やかな管弦楽器の浮き立ちや、ローエンドにかけての階調性の高さ、見通し良い音場の情報量の多さなど、緻密で奥行きある空間表現を聴かせてくれる。微細なパートまで分離良く引き立たせてくれるトレース力の高さも際立つ。

上級機譲りの安定感と瞬発力のある旋律の立ち上がり、ローエンドの押し出しのリッチさなど、抑揚豊かな描写性も併せ持っている。太鼓の皮のハリ、弦のアタックも鮮やか且つしなやかに描き、楽器の配置も明確に表現。上位機に負けず、空間表現に長けている。

次ページジャズではディティールまで丁寧に引き出す描写力が際立つ

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