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巧みなパッケージング、価格以上の満足度

販売中止相次ぐファーウェイ新スマホ、購入して使ってみた

公開日 2019/05/26 07:00 編集部:風間雄介
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だが、この過度な補正を好ましく思う方もいるだろう。逆にいうと、好ましく思う方向けのチューニングのはずだ。特にSNSなどで「ぱっと見キレイ」であることを重視しているのであれば、この程度の調整をあらかじめしてくれた方が楽に感じるのではないか。

P30 liteでお弁当を撮影(AIオン)。色を明るめに持ち上げる

iPhone Xで撮影したもの。陰影の描写に優れるが、どちらが美味しそうに見えるかは微妙なところだ

もちろん、自動調整がピタッとハマる場合もある。日陰の逆光下でも、人物の顔が明るく表現されるのは驚いた。手持ちのiPhone Xでは暗く潰れてしまう場面だ。肉眼の印象とは異なるのだが、こういう補正は嬉しい。

P30 liteで日陰で撮影。かなり暗い状況だったが、顔の明るさをしっかり持ち上げる。ただし美肌処理が強すぎる。背景も完全に白飛びしている

iPhone Xで撮影したもの。こちらも背景が白飛びしている。肌色はやや暗めでノイズも乗っている印象だ

また、本機のウリの一つである広角レンズも、使い方次第では面白そうだ。特に狭い距離で大勢の人数を一枚に収めたいときなどに活躍しそうだ。タル上の歪みは、撮影後に自動的に補正してくれる。

標準の画角で撮影

広角モードに切り替えるとこうなる。歪みも自動的に補正してくれる

iPhoneとつい比べたくなる完成度

一番気に入ったのは、そのデザインだ。今回購入した本体色は「ピーコックブルー」。背面はブルーのグラデーションが、見る角度によってその表情を変える。とても美しい。高い塗装技術でプラスチッキーさをうまく隠しており、クラスを超えた高級感を演出することに成功している。

「P30 lite」の背面。グラデーションが美しい

色々とテストしながら、「iPhone Xならここがもうちょっとスムーズなのに」「画面もiPhone Xの方が遙かに綺麗だな」など、どうしてもふだん使っている機器と比べてしまい、不満を覚えることが多かった。だがそれは裏返すと、比べられる程度のレベルに達しているということでもある。

冒頭で書いた通り、本機のトータルパッケージは非常に優れており、この価格帯で、ここまで機能・性能を高い次元でまとめ上げたモデルは少ない。

それだけに今後、このモデルに対するAndroid OS 最新バージョンの提供、セキュリティアップデートがしっかり行われるかが気になるところだ。

P30 liteのAndroidはバージョン9、同社独自のUI「EMUI」はバージョン9.0.1。今後、Androidの新バージョンが登場したとき、メジャーアップデートされる可能性は今のところ低い。

セキュリティアップデートについては、ファーウェイが「日本で今回発表したスマートフォン、タブレットにおいて、その使用、今後のセキュリティアップデート、アフターサービスなどが影響を受けることはありません」とコメントしている。これを信じる限り、OSアップデートはさておき、セキュリティアップデートや保証については問題ないということになる。

ファーウェイにこのあと何が起きるか、正確に予測できる人はいないはず。米中のトップ同士で、急に手打ちが行われる可能性すらある。それだけにモヤモヤする部分はあるが、新製品が高い完成度に仕上がっていることは確かだ。

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