IPv6によりLANケーブル直結でも動作
新オーディオ伝送技術「Diretta」はなぜ音がいいのか。技術詳細やUPnPとの違いを解説<前編>
MacもHost(Sync Master)ドライバを用意すれば動作するが、2019年5月時点では開発中であり、一般向けには提供されていない。ワンボード・オーディオ・コンソーシアムでは、Direttaプロジェクトからプレーヤー兼Host(Sync Master)として動作する検証用ソフトウェアの提供を受けテストを重ねており、4月27日の技術発表会ではMacで再生したWAV 192kHz/32bitをOSECHI BOXから出力するデモンストレーションを披露している(関連ニュース)。開発中のMac版Host(Sync Master)はこれと異なりCore Audio対応ドライバとして実装されるため、Audirvanaなど既存のアプリをそのまま利用できる予定だ。
公式に対応を表明しているわけではないが、再生アプリとしてRoonを利用できることにも触れておかねばなるまい。Roonを再生システムとして捉えた場合、デコード/再生やアーティスト情報の表示を担うプレーヤー部と、RAAT(Roon Advanced Audio Transport)と呼ばれるプロトコル/トランスポート部に分けることができるが、DirettaはこのうちRAATを置き換えることができる。曲やアーティストの情報に触れることで音楽鑑賞をより深く楽しめるというRoonのメリットを享受しつつ、Direttaの音質を手に入れることができるのだ。
Direttaは日本発の技術であり、現時点では海外メーカーによる採用事例はないものの、出展したHIGH END 2019では多くのメーカーから問い合わせを受けたという(関連ニュース)。詳細が明らかにされていない「NanoPi Bridge」のこともあり、後編ではDirettaのユースケースやサウンドインプレッションを中心にお届けする予定だ。
(海上 忍)