先代「P1/D1」からどのように変化したのか
究極のデジタル機から、アナログ再生への回答 − エソテリックの旗艦トラポ&DAC「Grandioso P1X/D1X」を聴く
昨年開催された「東京インターナショナルオーディオショウ」にて展示された、まったく新しいトランスポートメカニズム『VRDS-ATLAS』とディスクリートDAC『Master Sound Discrete DAC』が大きな話題となったことは記憶に新しい。その新しいフィーチャーを搭載したフラッグシップ・デジタルセパレートプレーヤー「Grandioso P1X/D1X」がついに発売となった。デジタルの最先端モデルが意識したのは、最高のアナログ再生。鈴木 裕氏がそのこだわりと音質を知り、Grandioso P1X/D1Xのアナログ再生への回答を探り出す。
■画期的な新技術の投入によりアナログ的な自然さを目指す
エソテリックの最上位シリーズ“Grandioso”の新製品「P1X」「D1X」を聴いて、いよいよデジタルプレーヤーがアナログ的な自然さを発揮しだしたと思った。初代が登場したのが2013年。もちろんフラッグシップとして最高峰を目指した製品だ。
6年目にして登場した第2世代のキャッチコピーは“ONE FLAGSHIP、TWO REVOLUTIONS”。ひとつのフラッグシップにふたつの革新。しかしその根底には「音楽とは、演奏家がパッセージに込めた情熱であり、瞬間的・爆発的なエネルギーである」というフィロソフィーがあってこその音だ。これだけ新しい技術が投入されているのに、音はむしろナチュラルに、そしてオーディオを意識させないものになった。
■新しいドライブメカを開発し、別筐体の電源部も大幅に刷新
まずSACD/CDトランスポートGrandioso P1X。16年間、基本的な設計を変えてこなかったメカドライブのVRDS NEO。この後継メカがついに搭載された。VRDS ATLASだ。アトラスはギリシア神話の神であり、回転する天空の中心。力や永遠を象徴する。ここから命名されたVRDS ATLASの特徴は4つある。
まず、NEOでも高剛性で重量級だったが、さらに剛性を上げ、重くなった。素材としては以前から使われている鋼(スチール)を中心に構成し、VRDSのターンテーブルはジュラルミン素材を踏襲。密閉せず、オープン構造な点も継承している。
メカ単体の重量としてはNEOと比較して+27%の6.6kg。ベース部も含めると、13.5kg。低重心でワイドな構造も、ディスクの下側にモーターを配置(NEOでは上にある)も、振動コントロールのための設計思想。またディスクトレイのレールは、NEOでは下側にあったものをATLASではトレイの左右に移設。特殊な振動吸収素材により再生中の振動を封じ込めている。その他、細部に渡って静かで、より精密な機構を実現している。
電源別体の2シャーシ構成を取るが、4個搭載するトロイダルトランスの位置から内部の構造まで電源部の内容も大幅に刷新したトランスポートだ。
■ディスクリートDACを搭載。フルモデルチェンジを実現した
D/AコンバーターのGrandioso D1X。DACデバイス、いわゆるチップ(石)を使わず、エソテリック初のオールディスクリート構成のDA変換部を持つ点が最大の特徴だ。初代「D1」では36bitで処理してきたが、D1Xでは64bitの高解像処理。また、MQAのデコードなど、最新のテクノロジーにも対応する予定だ。
具体的には抵抗、ロジック回路、パワーサプライといったものを各エレメントごとに1回路ずつ用意。これを1エレメントとして、そのバランス回路で、合計16エレメントをひとつの基板上にふたつの円形として配列。基板を見ただけで只ならぬ気配を発している。
その他、電源部については電源のフィードバックをできるだけ少なくしてより開放感のある音にするなど、内部はフルモデルチェンジと言っていい進化を遂げている。
■画期的な新技術の投入によりアナログ的な自然さを目指す
エソテリックの最上位シリーズ“Grandioso”の新製品「P1X」「D1X」を聴いて、いよいよデジタルプレーヤーがアナログ的な自然さを発揮しだしたと思った。初代が登場したのが2013年。もちろんフラッグシップとして最高峰を目指した製品だ。
6年目にして登場した第2世代のキャッチコピーは“ONE FLAGSHIP、TWO REVOLUTIONS”。ひとつのフラッグシップにふたつの革新。しかしその根底には「音楽とは、演奏家がパッセージに込めた情熱であり、瞬間的・爆発的なエネルギーである」というフィロソフィーがあってこその音だ。これだけ新しい技術が投入されているのに、音はむしろナチュラルに、そしてオーディオを意識させないものになった。
■新しいドライブメカを開発し、別筐体の電源部も大幅に刷新
まずSACD/CDトランスポートGrandioso P1X。16年間、基本的な設計を変えてこなかったメカドライブのVRDS NEO。この後継メカがついに搭載された。VRDS ATLASだ。アトラスはギリシア神話の神であり、回転する天空の中心。力や永遠を象徴する。ここから命名されたVRDS ATLASの特徴は4つある。
まず、NEOでも高剛性で重量級だったが、さらに剛性を上げ、重くなった。素材としては以前から使われている鋼(スチール)を中心に構成し、VRDSのターンテーブルはジュラルミン素材を踏襲。密閉せず、オープン構造な点も継承している。
メカ単体の重量としてはNEOと比較して+27%の6.6kg。ベース部も含めると、13.5kg。低重心でワイドな構造も、ディスクの下側にモーターを配置(NEOでは上にある)も、振動コントロールのための設計思想。またディスクトレイのレールは、NEOでは下側にあったものをATLASではトレイの左右に移設。特殊な振動吸収素材により再生中の振動を封じ込めている。その他、細部に渡って静かで、より精密な機構を実現している。
電源別体の2シャーシ構成を取るが、4個搭載するトロイダルトランスの位置から内部の構造まで電源部の内容も大幅に刷新したトランスポートだ。
■ディスクリートDACを搭載。フルモデルチェンジを実現した
D/AコンバーターのGrandioso D1X。DACデバイス、いわゆるチップ(石)を使わず、エソテリック初のオールディスクリート構成のDA変換部を持つ点が最大の特徴だ。初代「D1」では36bitで処理してきたが、D1Xでは64bitの高解像処理。また、MQAのデコードなど、最新のテクノロジーにも対応する予定だ。
具体的には抵抗、ロジック回路、パワーサプライといったものを各エレメントごとに1回路ずつ用意。これを1エレメントとして、そのバランス回路で、合計16エレメントをひとつの基板上にふたつの円形として配列。基板を見ただけで只ならぬ気配を発している。
その他、電源部については電源のフィードバックをできるだけ少なくしてより開放感のある音にするなど、内部はフルモデルチェンジと言っていい進化を遂げている。