[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第232回】高橋敦の中野“ポタ研”滞在記。ダイソーとフォスターがサンプラザで出会った
【第3位】ちょうどよさげなコンパクトDAP、HIDIZS AP80に銅モデルも登場!
HIDIZS「AP80」は税込1万7000円ほどの手頃な価格、そしてコンパクトサイズでじわじわと人気のDAP。今回はそのバリエーションとなるカッパーモデル、筐体素材を銅にしたタイプも展示されていた。
AP80には従来からステンレス筐体の「AP80SS」がラインナップされている。価格的には通常のアルミ筐体モデル(1万7000円)に対して2万8000円程度と明確に高いのだが、売れ行きは好調とのこと。「普通のAP80のカラバリ5色のうち、例えばブラックとかには負けるけどバイオレットよりは売れている」くらいの人気だという。その勢いを受けて「カッパーバージョンも出しちゃえ!」が実現に向けて動いているようだ。
そんなAP80シリーズ。改めて紹介しておくとそのポイントは絶妙なサイズ設定。筐体は縦58×幅49×厚13mmで画面サイズは2.45インチ。素晴らしくコンパクトだが、これよりもっと小さな製品もあるので「とにかく小さい」というわけではない。しかしこれ、使いやすさとのバランスに優れた「絶妙の小ささ」なのだ。
超が付くほどの小型モデルは画面サイズも超小さく、曲名やファイル名が先頭の数文字しか一度に表示されなかったりする。超コンパクトの代償は視認性や一覧性、ひいては操作性の難だ。
対してこのAP80、かなりコンパクトだが超攻めた超コンパクトではない。おかげで例えば「No_アーティスト名_曲名」みたいなファイル名も最後の曲名の頭数文字までが表示され、曲選択に支障がない。実はこの2.45インチ/480×360pxという画面は、スクロールホイール期のiPod nanoとかよりも大きいのだ。そりゃあ支障ないはずだ。
とはいえ、小型DAPに求める「小型さ」の度合いは人それぞれ用途次第。このAP80のサイズと操作性のバランスが誰にとってものベストというわけではない。だが各自にとっての小型さと操作性のベストバランスを見極める上での参考モデルとしては、すべての小型DAPファンに有用なのではないかと思う。店頭で見かけることがあったらぜひ触ってみてほしい。
【第2位】規格外が主役に躍り出る!? フォスタードライバー使用作品!
11月2日の「秋のヘッドフォン祭」2日目に結果発表というスケジュールで開催される、FOSTER alliance programとフジヤエービックによる「イヤホン・ヘッドホン自作コンテスト」。それに向けてフォスター電機製のドライバー2種、イヤホン用9mmダイナミックドライバー「MT009B」とヘッドホン用40mmダイナミックドライバー「MT040A」の販売がフジヤエービックにてすでに開始されているが……
それらのドライバーを使用した作品が「Music With 規格外」ブースにはすでにいくつか展示されていた!
こちらのヘッドホン2モデル。まずはもちろんヘッドホン用ドライバーMT040Aを使用しているが……片方はそれに加えてイヤホン用ドライバーMT009Bも搭載!というかさらに、両モデルごとの差異もあるがとにかく、BAドライバーやらピエゾドライバーやらTAKET BATPUREスーパートゥイーターやらも搭載!変態だ!変態がいる!
一方こちらのイヤホンは正統派。イヤホン用ダイナミックドライバーMT009Bを土台に低域側から1ダイナミック+1BA+1BA+1BAで組み上げた4ウェイ4ドライバー構成だ。
注目はノズル先端の開口部。ボア=開孔が5つある。4つすべてのドライバーから放出された音が、ノズル先端までそれぞれ完全独立で導かれていることに加えて、もうひと孔あるのだ。
その役割は、ダイナミック型ドライバーの振動板にかかる空気圧を逃すことだという。シェルに開けるベントホールと同じようなことかと思うが、シェルに穴を開けるよりも遮音性を損ないにくそうだ。
そんな工夫も凝らされたこちらのイヤホン、その音調は……普通にハイレベルなナチュラル系!先ほどのヘッドホンが「個人製作ならではのヤバさな実験的モデル」だとしたら、こちらのイヤホンは「個人製作なのにやたら完成度の高いモデル」と言える。規格外は幅広い……
次ページ第1位もポタ研ならでは!あの定番モニターにFOSドライバーを移植