大きな飛躍を遂げた
「iPhone 11 Pro」ハンズオン! カメラだけじゃない、画質・音質も大幅進化した
■引き込まれるSuper Retina XDRディスプレイの高画質
iPhone 11 Proシリーズに搭載されたSuper Retina XDRディスプレイの画質には目を見張るものがあった。筆者が所有するiPhone Xは、HDR表示対応で、コントラスト性能は100万対1、最大輝度は625nitsというスペックのSuper Retina HDディスプレイを搭載している。iPhone 11 Pro MaxとiPhone Xを並べ、画面輝度を最大の状態にして、Netflixで映画『ROME/ローマ』の映像を見比べてみた。
物語終盤の海辺のシーン。太陽の光がiPhone 11 Pro Maxでは段違いに力強く、眩しいほどに感じられる。色彩の自然な再現性も、歴代の有機ELを搭載したiPhoneのテイストを継承している。映像の深み、コントラスト感も段違いに高い。例えば浜の砂粒、打ち寄せる波の立体感が際立っている。人物のクローズアップシーンでも、Super Retina XDRディスプレイのリアルで繊細な陰影の表現力に圧倒される。空間の奥行き表現も巧みで、遠くまで深く描けている。
■空間オーディオの力強さは想像以上
サウンド面もチェックしよう。音では、新たに加わったiPhoneの内蔵スピーカーによる「空間オーディオ(Spatial audio playback)」機能が秀逸だ。
新しいステレオスピーカーユニットに加えて、A13 BionicのDSPによる独自の音声信号処理により、映画に限らずApple Musicの音楽コンテンツもすべてパワフルで臨場感豊かなサウンドで再現される。
ステレオスピーカーの開口部は片側がパネルの正面、もう片側が側面に向いて配置されているが、効果音のバランスに左右の偏りは感じられない。頭の後側へ音が均等に心地よく回り込む。映画のセリフ、音楽のボーカルの定位感も非常に鮮明だ。iPhone XS Maxと比べてみないと正確な判断はできないが、内蔵スピーカーの音圧自体も上がっているように感じた。
この空間オーディオは、iPhone 11も含めた3機種に共通して搭載される新機能だ。iPhone XR以降の機種が、iOS 13と組み合わせてドルビーアトモスに対応することも含め、iPhoneによるオーディオ再生が、エンターテインメント性とクオリティの両面で大きな進化を遂げたことを歓迎したい。
なおドルビーアトモス再生については内蔵スピーカーだけでなく、ヘッドホンやイヤホン再生(ワイヤレス・ワイヤードともに)でも効果があるように感じられるが、アップルに公式な情報がないため確認できていない。引き続き調べてみたいと思う。
次ページスマホで撮れるシーンを広げてくれるマルチレンズカメラ