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大きな飛躍を遂げた

「iPhone 11 Pro」ハンズオン! カメラだけじゃない、画質・音質も大幅進化した

公開日 2019/09/19 11:39 山本敦
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スマホで撮れるシーンを広げてくれるマルチレンズカメラ

iPhone 11 Proには3つの画角と焦点距離が異なるレンズによるトリプルレンズカメラユニットが搭載されている。レンズ構成の内訳は超広角(13mm)/広角(26mm)/望遠(52mm)の3種。iPhone 11は超広角と広角のダブルレンズカメラユニットになる。

新しいカメラは、複数のレンズで画角を変えて静止画と動画が撮影できるだけではない。それぞれのレンズユニットが一つのシステムとして連動し、フォーカスの追従を揃えたり、明暗・色彩・ホワイトバランスを整えながら静止画・動画を記録する。iPhone 11 Proシリーズの場合は広角・望遠、iPhone 11では広角で撮影した際、超広角側のデータも同時に記録して、フレームの外側の領域にあった被写体も後からトリミング編集できる、構図の調整機能が搭載されている。

iPhone 11 Pro Maxのカメラアプリの画面。赤く囲った箇所のアイコンから望遠/広角/超広角を選択する

超広角側のデータも同時に記録して、フレームの外側の領域にあった被写体も編集に使える「構図の調整」機能が搭載されている

構図の調整機能は写真と動画の両方で使える。補正に使用しなかったデータは、iPhoneのストレージを食いつぶさないよう、30日後に自動削除される。

レンズ交換式の一眼レフカメラの場合、超広角レンズは画角の調整や歪曲収差のコントロールが難しいため、通常のポートレートやスナップ撮影よりもアーティスティックな作品をつくったり、室内の全景を収めるなど、何かしらの意図を持った撮影に使われることが多い。

一方のiPhoneの場合、先に紹介した構図の調整に活用したり、スマホのカメラで撮れるシーンの視野を広げる機能として、気軽に楽しむのが良いと思う。マルチレンズカメラユニットの使いこなしについては、またTIPSとして紹介したいと思う。

iPhone 11 Pro Maxで広角・超広角の静止画を撮り比べてみた。被写体の垂直・水平を意識してフレーミングを整えれば歪みを抑えた写真が撮れる。こちらは広角

超広角撮影時にはしっかりとプレビューを確認して写って欲しくない被写体(指かぶり)などが発生しないように気をつけたい

その他、カメラ機能として注目したい「ナイトモード」は、iPhoneの標準カメラ機能として組み込まれた。暗い場所で写真を撮ろうとすると、画面にアイコンとともに「●秒」という時間表示が出る。この時にシャッターを切ると、その間にiPhoneを持つ手を動かさないよう、画面にアラートとカウントダウンが表示される。

ナイトモードは明るく高精細な写真を撮るために必要な秒数が画面に表示され、シャッターを押すとその間手を動かさずに本体をホールドするようにアラートが表示される

しっかりとホールドしている間にセンサーが記録した複数枚ぶんの画像データをもとにA13 Bionicが素速く合成処理を行い、1枚の静止画データとして記録する。バースト(連写)撮影とは異なり、また表示された秒数のあいだに露光するバルブ撮影でもないため、夜の雰囲気を残しつつ、シャープで色合いも鮮明な写真撮影が楽しめる。iPhone Xで同じ場所を撮影した静止画と比べると、大きな差が現れる。

iPhone 11 Pro MaxとiPhone Xで同じ時刻に夜の花壇を撮り比べてみた。こちらはiPhone X

こちらはiPhone 11 Pro。明るさや色合いの再現力は歴然

ポートレート撮影には被写体の背景を白バックに置き換えてアーティスティックな写真が残せる「ハイキー照明(モノ)」が追加されたほか、「スタジオ照明」には照明効果の強弱を調整できる機能が加わった。照明効果を変えて人物を撮影すると、いわゆる美肌撮影のコントロールができるようになる。

4K動画の撮影では、2019年モデルのiPhoneでは、より高画質な4K/60fps撮影が可能になった。iPhone Xでも4K/60fpsビデオ撮影を選択できたが、1フレームで標準の明るさと、露出を変えた2枚の画像を記録して足し合わせる拡張ダイナミックスレンジ処理を行う場合、仕上がりは4K/30fpsになっていた。それに対して、2019年モデルでは内部的に4K/120fps撮影を行っているため、拡張ダイナミックスレンジ処理を行っても4K/60fps撮影が行えるようになった。

拡張ダイナミックスレンジ処理を行っても4K/60fps撮影が行える

イン側のTrueDepthカメラも12MPのセンサーに強化され、4K動画撮影、広角セルフィ撮影やフルHD/120fpsのハイフレームレート撮影の機能が加わった。

セルフィー撮影も新しく追加された「ハイキー照明(モノ)」が使える

「スタジオ照明」には照明効果の強弱を調整できる機能が加わった。強くすると驚きの肌美人に

静止画モードの時にもとっさに動画が撮影できる「QuickTake」も新設機能だ。シャッターアイコンを長押しすると、H.265/HEVC形式の動画ファイル記録に切り替わる。カメラの設定から「構図」の「ビデオのフレームの外側を含めて撮影」をオンにしておくと、超広角レンズの撮影データも同時に記録されるので、ファインダーからフレームアウトした人物や物体もしっかり残せる。なお、従来はシャッターアイコンの長押し操作に割り当てられていたバースト撮影は、アイコンをホールドして左に動かす操作に変更されている。

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