待望の「遮音性の高いAirPods」
アップル「AirPods Pro」速攻レビュー!完全ワイヤレスの王者がノイキャン対応、その実力とは
消音機能をオンにした時に感じる、耳穴の中を押さえつけられるような不快な内圧を回避するために、AirPods Proはノズルからハウジングの背面側に抜ける小さな「通気孔」を設けた。とても小さい孔なので見た目にはわからないし、音楽再生中に音漏れが気になることもない。
さらにAirPods Proの消音システムは、ハイブリッド方式のマイクによって集めた環境音と音楽信号の状態を毎秒200回以上解析しながら、自然で心地よい消音バランスを自動的に整えてくれる。例えば飛行機やバスの中、カフェやオフィスなどの場所を選び、マニュアルで消音レベルを切り換える機能は備えていないが、ユーザーが細かいことに気を配らなくても「いつも自動的にベストな消音・再生環境に整えてくれる」という発想が、いかにもアップルらしい。初めてノイズキャンセリングイヤホンを使うユーザーにはとても親しみやすく感じられると思う。
■自然なバランスの外音取り込み機能も実装
AirPods Proには音楽を再生しながら、外の環境音を同時に取り込める機能が搭載された。ノイズキャンセリングとどちらかを選ぶこともできるし、「両方オフ」にして通常のワイヤレスイヤホンとして使うモードも選べる。
モード切替の操作は、コントロールセンターに表示されるAirPods Proのボリュームインジケーターを長押ししてメニューを表示する方法もあるし、Bluetooth設定からAirPods Proの詳細に入り、「ノイズコントロール」モードから選ぶこともできる。
もっとシンプルな方法は本体で直接するというものだ。AirPods Proの本体ステムに内蔵するタッチセンサーリモコンから切り換えられる。ステムを指でつまんで長押し操作をすると、内蔵されている感圧センサーが反応して「ポーン」と音が鳴り、モードが切り替わる。
なおAirPods Proの詳細設定から「AIRPODSを押したままにします」を開くと、左右それぞれに長押し操作の割り当てを決められる。ここでノイズコントロールの切り換えを、「オフ」を含む3パターンではなく、ノイズキャンセリングと外音取り込みの2パターンに設定してしまえば、ステムによるリモコン操作を迷わずに行えるだろう。
外音取り込みモードを選択している時には、耳にイヤホンを着けていることを忘れてしまうほどクリアに外の音が聞こえてくる。ノイズキャンセリング機能をオンにした状態との違いは誰でもすぐにわかると思う。
AirPods Proは、その消音効果がとても自然で心地よく感じられるだけでなく、外音取り込みもマイクの感度が最適なバランスにチューニングされている。まるでノイズキャンセリング機能を搭載しない従来のAirPodsのように、自然に周囲の音にも注意を向けられるだろう。
加えてAirPods ProはIPX4相当の防滴・防汗対応なので、例えば雨の日に外を歩きながら、またはジムで体を動かしながら音楽を聴く時にも安全に使える完全ワイヤレスイヤホンとして、最良の選択肢のひとつになる。
なお今後のアップデートにより、AirPods ProのノイズコントロールモードをApple Watchの画面からも切り替えられるようになるそうだ。準備が整った時点でまた使ってみて報告したい。