待望の「遮音性の高いAirPods」
アップル「AirPods Pro」速攻レビュー!完全ワイヤレスの王者がノイキャン対応、その実力とは
■引き締まった低音。バランスの取れた音楽再生
AirPods Proのサウンドを従来のAirPodsと聴き比べてみた。本機のために開発された新しいダイナミック型ドライバーは、特に歪みを抑えて伸びやかな低音を再現できるように振動板をチューニングしているという。さらにダイナミックレンジの再現力が高いアンプを組み合わせて、従来からの特徴である、クリアで伸びやかな中高域のイメージをしっかりとキープしている。
振動板の手前には内側に向けてマイクを搭載し、ユーザーの耳の形によって変わる中低域の “聴こえ方” を常時リアルタイムに測定している。これを最適なバランスに整える「アダプティブイコライゼーション」機能も奏功しているのだろう。ボーカルの音像がギュッと引き締まっており、濃厚に感じられる。階調の滑らかな余韻がしっかりと音源の存在感を引き立ててくれる。細かな音の粒立ちが立体的だ。肉付けされた低音はとてもタイトに引き締まっていて、アップテンポなロックやEDMのビートが躍動感にあふれている。
Apple H1についてアップルは、オーディオ信号の伝送遅延がとても少ないチップとアピールしている。確かに動画再生時にはリップシンクのズレに悩まされることがないし、Apple Arcadeで配信されているゲームコンテンツも気持ちよくプレイできる。高性能なノイズキャンセリング機能との組み合わせで、様々な環境で音楽以外のコンテンツもAirPods Proで快適に楽しめるだろう。
■多くの機能を追加しながら従来のAirPodsと同等のバッテリー性能を実現した
バッテリーのスタミナは従来のAirPodsから大きく変わっていない。ケースを含めた連続音楽再生時間は最大約24時間。イヤホン単体では、バッテリーをフルに充電した状態からノイズキャンセリング機能をオンにすると、連続音楽再生時間は約4.5時間になる。
昨今の完全ワイヤレスイヤホンのバッテリー性能としては平均的なレベルだが、ふだん使いの範囲では不足に感じることはないだろう。例えば飛行機に乗って海外に旅行する時などは、コンテンツ再生の合間にケースに入れてチャージを繰り返せば不自由なく使えると思う。充電ケースで約5分間充電すると、約1時間の連続音楽再生が行えるスピードチャージにも対応している。
AirPodsが一気にノイズキャンセリング対応になったことで、遮音性の問題が解消された。多くのユーザーのファーストチョイスとして、AirPods Proが君臨することになりそうだ。
少し残念だったのが今回もホワイト1色という部分だったが、次はぜひ、彩り豊かなiPhone 11シリーズに合わせたカラーバリエーション展開も実現して欲しい。
(山本 敦)