オープン型なのにノイキャン実現
Androidでも使える “強化版耳うどん” 先行レビュー。ファーウェイ完全ワイヤレスをAirPodsと比べた
■音質にもキャラクターの違いがある
音質も確認していこう。ファーウェイ FreeBuds 3の試聴には、同社のスマホ「P30 Pro」を使用。一方、アップルAirPodsの方はiPhone 11 Pro Maxを使用した。ストリーミングサービスは揃えようと、両機種ともにAmazon Music HDを使った。
静かな環境で聴く限り、AirPodsの音質は決して悪くない。特に第2世代機は、音質がかなり向上した。手始めにOfficial髭男dism「Pretender」をAirPodsで再生すると、それを改めて実感した。
イントロ部分のドラムの広がりが豊か。低域は量感とキレをうまく両立させている。ボーカルもくっきりと明瞭に描かれ、かつ丁寧な描写だ。声の押し出し感も十分。ハイハットなどの高域も、誇張感なく、かつ鮮明に、しっかりと響かせてくる。あくまで自然な印象の音づくりに好感が持てる。
続いてあいみょん「マリーゴールド」を試聴しても、同様の印象だ。イントロのギターは切れ味が鋭く、ボーカルの定位があいまいでない。総じてレベルが高い。
続いてファーウェイ FreeBuds 3にイヤホンを変更する。一聴して、ズンズンと響く低音が特徴だとわかる。この迫力はAirPodsにはないもので、14mmの大口径ドライバーが効いているのだろう。
ボーカルのキレ、伸びも水準を超えており、解像力もなかなかのもの。ただし曲によっては、もう少しボーカルが立って欲しいと思うときもある。
2機種を聴き比べてみると、何でもそつなくこなすAirPods、低域重視サウンドに仕上げたFreeBuds 3、という印象。どちらもレベルは高く、好みは分かれそうだ。強いて言うなら、ヒップホップやEDMなどで低域を元気よく響かせたいというときには、FreeBuds 3の方が向いているだろう。
ファーウェイ FreeBuds 3の実力を確認してきた。まだ正式発表も行われておらず、価格もわからない段階で結論を出すべきではないが、ヨーロッパでの販売価格は2万円程度と、AirPods(第2世代機)のワイヤレス充電対応機と同水準だ。日本でもこの程度の値段で発売されるのであれば、Androidユーザーにとって魅力的な選択肢が一つ増えることになりそうだ。