高コントラストで色鮮やかな投写を実現
新設計レンズの “キレ” ある4K大画面を手頃価格で! オプトマのプロジェクター「UHD50」レビュー
その外観は、4Kモデルとしては小型軽量で、フルHDモデルと同じ感覚で扱える。移動の際はもちろん、天吊りでフルHD機と交換する際にも違和感がないはずだ。
カラーはホワイトで、質感も含めてAV機器としてはライトな印象を受けるが、直線的なラインで構成された造形は主張し過ぎずクリーン。リビングのインテリアにもマッチさせやすいだろう。レンズ回りは拡大縮小操作で若干滑らかさを欠くが、肝心のフォーカスはスムーズな動きでピタッと狙い通りに操作でき、実用充分の出来栄えだ。
リモコンは至ってシンプルだが、バックライト機能を備えており機能面も充分。OSDで表示される日本語のワードやフォントもブラッシュアップを期待したい点ではあるが、実用上は全く問題ない。
スピーカーは内蔵しているが、音量は最小目盛り「1」に調整しても静かな部屋だと大き過ぎる印象。PCと接続している場合はPC側で絞る方向でコントロールすれば済むが、ストリーミング端末を含めAV機器との組み合わせは厳しい。情報確認用としては役に立つので無駄ではないが、購入後に「あれっ」と後悔しないためにも留意しておくと良いだろう。ちなみに、多くのスピーカー内蔵プロジェクターは同様の傾向にある。
■明るいリビングでの使用に最適。高コントラスト、鮮やかな色彩を堪能
今回は本機の価格帯やコンセプトも踏まえ、ストリーミング端末「Fire TV Stick 4K」を接続し、各種動画作品で画質を確認した。
まずは映像の滑らかさに感激。4Kなので当たり前と言えば当たり前だが、フルHDモデルと同等のコンパクトな筐体サイズでありながら、この密度感の向上は良い意味で違和感を覚えるほどだ。
また、スクリーンに近接して観察すると、画素のひとつひとつが滲みなくキレイな四角形であることを確認できるのも驚き。この価格帯で同様の仕組みを持つ製品の場合、画素がなめされてしまうケースが多々あるからだ。本機の場合、光学シフトのガラス板が高精度かつ精密に動作し、新設計EDガラスレンズの分解能もハイレベルと見受けられる。
こうした光学系の優秀さは、DLPの特徴であるレジストレーションのズレの少なさを際立たせ、ひいては滲みの少なさが細部まで高コントラストでディテールを浮かび上がらせる。同時に色純度の向上にも寄与し、例えば直射日光を受けて輝く明るい緑色もナチュラルさを維持したまま、ビビッドに網膜に飛び込んでくる印象。総じてHDR映像は明るくキレの良い爽快なルックが特長だ。
留意したいのは暗部の浮き。本機に限らず、同等のDMDデバイスを採用している製品に共通する課題だが、黒が少し明るく浮くので、暗室で平均輝度の低いシーンを見ると、暗部の階調が不足して平面的になり、色純度も低下する。なお、リビング程度の明かりの残る環境では、この黒浮きは埋もれてしまうので気にならなくなる。
事実、出荷時の設定(HDRモード)も、色が濃い目でガンマが弱めと、暗室ではなく明るい部屋を意識した設定になっている。本機の光出力は明るい部屋にも負けないパワフルなもので、高コントラストかつ鮮やかな色彩が楽しめるので、こうした使い方が正解と言える。
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