[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第243回】
テレビの音を強化したい! 僕のこだわりに応えるコスパ◎アンプが見つかった
AP20dのスタンバイモードはわかりやすい物理スイッチで、
・スタンバイモードのオンオフ
・スタンバイに入るまでの時間は5分/20分
という設定選択が可能。
実際にしばらく使ってみたところ、スタンバイからの復帰も一瞬。僕の使い方ではこまめにスタンバイする5分設定で問題ないと判断し、その設定で利用中だ。ちょっとした用事で再生を一時停止して席を外したくらいでもスタンバイに入るが、戻ってきて再生再開するとほとんどタイムラグなく復帰してくれて、出だしの音の取りこぼしもほとんどない。ノーストレスだ。
■普段使いテレビアンプに大出力は不要!?最適な選び方とは
さて、アンプ選びとなれば「出力」は外せないポイント。基本的には「出力大きい」=音量大きい、小音量時でも駆動力の余裕で音質面の優位あり、となる。とはいえ、普段テレビを見るのに大音量は不要だし、音質面でシビアな優位性を求めないとなると、むしろ大出力だと「小音量時の音量調整の難しさ」という不便も生じる。
以前のようにデジタル接続だと、音量調整は完全にアンプ側次第。するとアンプの出力が大きい場合、かなり慎重に動かさないといきなり音が大きくなったり消えてしまったりしていた。そういった面でも、今のテレビのヘッドホン端子とアンプを接続し、両機の組み合わせで音量調整するスタイルなら、その問題もクリアできる。
またアンプというのは、ある程度ボリュームを上げたところに、実力をフルに発揮できるスイートスポットがありがち。全開が10だとしたら、3から7あたりだろうか? S/N、バックグランドノイズの目立ち具合の面からも、アンプのボリュームを極端に下げたところでの使用は避けたい。今の僕のスタイルで音量調整する場合も同じく、テレビ側のボリュームを極端に下げるのはあまりよろしくない。
接続方法はいずれにせよ、アンプもテレビもどちらの音量設定も、ほど良くいい感じの音量で使うには、出力が “ほど良い” アンプを選んでおくのがベターなのだ。
我が家のスピーカー、B&W「CM1」は公称インピーダンスは8Ω。AP20dの出力値は8Ω負荷で12W+12W。たとえばこの組み合わせでは、テレビの音量は30/最大100、アンプの音量は80/最大100あたりで求める音量に落とし込めている。いい感じだ。
なお念のため、テレビ側をもう少し上げるためのアッテネーター的なアイテムも一応は用意済み。これでアンプ側の音量を維持しつつ、テレビ側の音量の微調整も可能だ。もしも「アンプのボリュームを上げられなくて調整しにくい」問題にお悩みの方がいれば、このちょっとしたアイテムの導入だけで解消できる場合もあるので、試してみてはどうだろう。
■コンパクトさも音のクオリティも見事!
今回紹介したFOSTEX「AP20d」は、テレビ周りのアンプとして実に見事! 僕の環境においてはほぼ完璧と言って良い。
音質面でも、より本格的な価格やサイズのアンプと比べれば、そりゃ物足りないところもあるが、この価格とサイズのアンプとして考えれば、「いやこれ価格帯性能比も面積対性能比も高すぎでしょ!」と納得させられるレベルだ。実際の音の傾向などについては、生形三郎氏によるPHILE WEBのこちらの記事で詳しく紹介されているので、是非目を通してみていただきたい。
僕自身、生形氏がここで「筆者も小型スピーカー用のリファレンスアンプとして活用している」とお書きになっていたことで、「生形さんが使ってるなら安心だろ」と購入を決断した。そして期待通り!
AP20d、今回はテレビ周りに導入したが、普通のオーディオアンプとしての実力も十分。この先もいろいろ便利に、長らく活躍してくれそうだ。
高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi 趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。 |
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