【特別企画】自由な拡張性も魅力
好きな音楽を好きな場所で、良い音で。HEOS対応ネットワークスピーカー「DENON HOMEシリーズ」を聴く
■他機器連携やマルチルーム再生が便利。「聴きたい曲リクエスト合戦」までできる
DLNAをサポートしているから、同じネットワーク内のNASや音楽プレーヤー内の音源も再生できるし、また他のHEOSデバイスに接続された音源も再生可能だ。
例えば、AVR-X1600Hに挿入しているUSBメモリの音源をDENON HOME 250から聴ける。いちいちAVR-X1600Hのところまで歩いてUSBメモリを抜き、DENON HOME 250に挿し替える必要はないのだ。AUXの音も共有が可能で、リビングのDENON HOME 250にAUX接続したプレーヤーの音楽を、個室にあるDENON HOME 150で再生する、というような離れ業までやってのける。
HEOSアプリをインストールしたデバイスは複数同時に接続できるので「聴きたい曲リクエスト合戦」もできる。カラオケで歌いたい曲を各人がリモコンで入れていくように、再生したい曲を各人のデバイスからキュー(再生待ちリスト)に登録していけば、その順に再生してくれるのだ(なお、Amazon Musicの曲は他の音源と同じキューに入れることはできない)。これは、家族や気心知れた仲間で集まるとき重宝するに違いない。
HEOSでは、同じ音源を複数のデバイスで再生するマルチルーム再生もサポートしており、その組み合わせは「ルーム」画面からドラッグ&ドロップでかんたんに指示できる。DENON HOME 150同士をリンクさせれば自動的にステレオ構成になるし、テレビと繋いだAVアンプとリンクさせればテレビの音声も共有できる。そのほか、AirPlay 2でマルチルーム再生も利用できるので、HEOS対応製品以外との組み合わせも考えられるだろう。
■利便性だけじゃない。見通しよく音像がはっきりしたサウンドも好印象
肝心の音質は、DENON HOME 250/150ともに見通しよく音像がはっきりしたところが印象的だ。Amazon Music HD、USBメモリやAUX接続したDAPからさまざまなジャンルの楽曲を聴いていったが、DENON HOME 250は余裕ある低音で快活指向、DENON HOME 150は重心低めで明瞭指向、というテイストの違いはあるものの、歪みが少なくすっきりしたサウンドは聴き疲れしない。
剛性が高いボディだからこその確とした音で、こういったところにデノンのこだわりが生きている。2台組み合わせてステレオ構成で聴いたDENON HOME 150の音も、艶があり伸びやかなデノンの音だ。
しばらく聴いてみて/触れてみて特に気に入ったのは、HEOS対応機ならではの「自由な拡張性」。例えばDENON HOME 150は1台ではモノラルだが、もう1台追加してステレオで高音質なAmazon Music HDを楽しむもよし、寝室やリビングなど離して置きそれぞれで楽しむもよし。AVレシーバーと組み合わせれば、映像コンテンツの音声も、迫力のサウンドはそのままに離れた場所から楽しめる。まず1台購入して気に入ったらもう1台追加、と必要に応じて投資していけるところもいい。まったく、よく考えられたスピーカーだ。
(海上 忍)