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パナソニック初の完全ワイヤレスで勢力図が一変? ノイキャン「RZ-S50W」/スタンダード「RZ-S30W」レビュー
■ノイズキャンセル性能はいきなり高い完成度。外音取り込みはよりクリアに
早速実機を使い、気になるノイズキャンセル性能をチェックしてみた。まず、カフェを模した屋内で軽く騒音低減を検証してみると、周囲の雑踏や店内BGMが、瞬く間に、大きく低減した。
続いて都内の電車に持ち出してみる。ここでは走行に伴う低音のノイズを、遠くの位置から小さく聴こえるような感覚に抑え込んでくれた。金属の軋むような音と振動をともなう低域の騒音は少し残るものの、完全ワイヤレスイヤホンのノイズキャンセル効果として、かなり高い完成度と言える。
なお、車内アナウンスや周囲の人の声については、元の音に近い形で残すタイプ。外音取り込みについては、実際の耳で聴くより高感度に音を拾い、声をよりクリアにする傾向だ。
■端正で高解像度。全帯域の情報量をしっかり引き出す正統派サウンド
音質チェックではiPhoneとペアリングして再生した。まずは女性ボーカルの楽曲から聴くと、帯域バランスはフラットな傾向で、端正でまとまりある高解像度なサウンドが感じられる。ボーカルは明確なフォーカス感と共に、声の立ち上がりも丁寧で、滑らかに伸びる声を表現してくれた。
オーケストラの演奏は、自然な空間の広がりのなかで、ステージに広がるハーモニーが奏でられる。低音再生はリズムに適度な強さを保ち、バスドラムの音も見通しよく拡散する。ロックバンドの楽曲では、二人の男性ボーカルの声色を空間にしっかりとセパレーションして描き分けた上で、声の抑揚も立体的に見通すことができる。バスドラムの音色はライブ感があり、空間をさらに引き立たせる。
ビリー・アイリッシュの『bad guy』は、豊かに空間を満たしてくれる低音の沈み込みと共に、ゴリゴリとした質感でリズムを刻むパワーが強烈だ。一方、ボーカルのステレオ的な音場感は想像以上の位置感で再現され、声色の表現もクリア。ストレート、かつ全帯域の情報量を引き出す正当派の高音質サウンドで、音楽ジャンルを問わず様々な楽曲に適応する、かなりの実力を備えたモデルだ。
ちなみにRZ-S50Wのサウンドは、ノイズキャンセルのON/OFFによる差はほとんど感じられなかった。アプリから設定できるイコライザー機能は、プリセットの「バスエンハンサー」「クリアボイス」ともに、該当する帯域を若干持ち上げる程度の効果。特に小音量で音楽を聴く際に低音をもう少し強めたり、ボーカルをクリアにする用途でも活躍するだろう。
RZ-S50Wは、第1世代から高い完成度のノイズキャンセリング性能、そしてサウンドクオリティまで揃った実力十分の一台。完全ワイヤレスイヤホンの勢力図を一変させる可能性すらある注目モデルといえる。
■鮮やかでハイクオリティなサウンドで勝負する弟機「RZ-S30W」
冒頭で紹介したように、パナソニックから発売する完全ワイヤレスイヤホンにはもう一つ、RZ-S30Wも登場する。ノイズキャンセリング機能を搭載しないスタンダードなモデルで、同時発売のRZ-S50Wとはいくつか別設計が施されている。
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