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Gシリーズ最上位機の本領を改めて検証!

パナソニック「LUMIX DC-G9」レビュー。フルサイズ全盛の今だからこそ輝く真の魅力

公開日 2020/03/25 06:30 山田久美夫
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■軽快な独自AFと強力なボディ内手ブレ補正機能


AFはとても高速かつ軽快。ほとんど瞬時にピントが合い、ストレスを感じさせない。AFの合焦感も心地よい。装着するレンズにもよるが、最新レンズであれば、瞬時にサッと合うというより、何の抵抗感もなく、浮かんだように合う。この感触は実に独特なものだ。

ただし空間認識AFにも欠点はある。カメラを向けた時、非常に大きくボケている被写体はAF測距が難しい。また、画面内での距離差やコントラスト、明るさの比が大きいシーンもやや苦手なようだ。例えば、手前に一輪の花があり、コントラストのある背景との距離差が大きな場合は、どうしても背景にピントを合わせにいってしまう。

だがこれもファームアップで改善されつつある。昨年11月に提供されたファームにより、近距離の被写体を優先する「AF-ON:近側」、遠距離優先の「AF-ON:遠側」機能が追加されて、自分が撮る機会が多いシーンに合わせて同機能を設定することで、概ね解消されるだろう。

また、早期から顔認識に力を入れてきたLUMIXらしく、認識AF系技術は他社と比べてもトップクラスの性能を備えている。本機は人体認識機能の搭載により、顔検出のように「顔」がカメラ側を向いている状態でなくてもカメラが「人体」として認識。たとえ後ろ姿であってもしっかりと人物にピントを合わせてくれる。


さらに最新ファームでは、AI機能を生かした動物認識AFも追加され、犬やネコはもちろん、鳥の認識にも対応した。もちろん動体の補足性能も高く、動きものの撮影でもストレス無く追従するので安心だ。

今回、普段はあまり撮らない野鳥を撮影してみたが、カメラを向けるだけで、きちんと野鳥を認識し追尾。もちろん鳥が移動してもAFフレームが自動的に移動するので、フレーミングを決めたら、あとはシャッターチャンスを狙うだけという手軽さで、簡単に撮影できるのに感動してしまった。

またG9は、センサーシフト式のボディ内手ブレ補正機能も搭載する。しかも、レンズ側の手ブレ補正機能との連携で、高効率な補正を実現しており、最大6.5段分と効果はトップレベル。もちろん長時間露出では三脚を使うのが基本ではあるが、いざという時にこの機能はとても有効だ。


個人差が大きいので参考程度ではあるが、私の場合、標準ズームレンズ「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.」を装着して試したところ、広角側で慎重に構えて撮ることで、4秒ものスローシャッターでも十分実用に耐える手持ち撮影がコンスタントにできた。望遠側でさえ、1秒のシャッタースピードでもぶれずに撮影できるケースが多く、かなりの威力を発揮してくれる印象だ。

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