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Gシリーズ最上位機の本領を改めて検証!

パナソニック「LUMIX DC-G9」レビュー。フルサイズ全盛の今だからこそ輝く真の魅力

公開日 2020/03/25 06:30 山田久美夫
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■4/3インチセンサーとは思えない必要十分な画質


画質面では、基本的にセンサーサイズが大きいほど有利だ。これは否定しようのない事実である。そのため、画質にこだわるユーザーが、フルサイズ機を選択するのは、ある意味当然といえる。だが、フルサイズ機の性能を存分に発揮するためには、レンズも大きく重くなってしまう。これも自明の理だ。

マイクロフォーサーズ機であるG9のセンサーの面積は、おおよそフルサイズセンサーの4分の1、APS-Cセンサーの5分の3である。しかし実写してみると通常撮影の範囲内で、画質面でのデメリットを感じさせる点は意外なほど少ない。ローパスレス仕様のため解像度も十分に高く、色再現も自然で階調も広い。これだけのポテンシャルがあれば、よほど過酷な条件で使わない限り、何の問題もないレベルである。

私自身、LUMIXで撮影した作品を、おおよそ1畳分のサイズにプリントして展示したことがあるが、粗探ししない限り、十分鑑賞用途として実用できる画質だと感じている。そもそも、A3サイズのプリントに耐えられれば、それより大きなプリントは距離を空けて見るため、どんなに大きなサイズにプリントしても、必要十分な解像度が得られるわけだ。


一方、高感度性能はさすがに驚くほどではない。だが、通常のシーンであればISO3200くらいであれば十分に実用レベルだ。ISO6400でも画質低下は意外に少ない。試しに最高感度となるISO25600で撮影してみたが、SNSや小さめのプリントであれば、十分に耐えるレベルの写りが得られた。

ダイナミックレンジが広く、飛びやすいハイライトの階調も結構よく残っている。これはJPEGでも感じられるが、RAWデータで撮影し、後から調整処理してみると、その広さをより実感できる。個人的には、4/3インチの2000万画素級センサーながらも、これだけ豊富な情報がRAWデータに記録されていることに感心した。


センサーサイズの小ささゆえ、ボケは小さい。フルサイズ機のように前後を大きくぼかした作品はやや苦手だ。だが裏返せば、絞りをさほど絞らなくても、十分な被写界深度が得られるということだ。その分、シャッター速度を速くでき、むやみに感度を上げなくても済む。ボケを生かしたい時は、F値の明るいレンズを別途用意すると割り切ったほうが実用的。明るいレンズが小型軽量なのも、マイクロフォーサーズならではのメリットである。

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