[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第249回】
あえて推したい!1000円台からの“強くて安い”エントリークラス有線イヤホン3選
…と言われても「バイノーラル音源って何?知らない言葉だしわたしには関係なくない?」と思う方もいらっしゃるかもしれない。しかし!
「バイノーラル音源ってざっくり言えばダミーヘッド録音された音源のことだよ」
と言われたら「ダミヘ……だと!」と食いついてくる方もいらっしゃるのではないだろうか。
ここではバイノーラル云々の詳しい説明は省くが、雰囲気重視の簡単な説明としては……
あなたの分身となるダミーヘッドがその耳の奥のマイク=ダミー鼓膜で捉えたその場の音や耳元で囁かれる台詞をイヤホンであなたのリアル鼓膜に流し込む!
すると音が左右から聞こえるステレオ音場を超え、左右上下前後遠近などまでもをより明瞭に感じられる立体音響「音のバーチャルリアリティ」が実現されるのだ!
すげえ!!
ていうか、シチュエーションドラマCDとかで使われてるアレです、アレ。耳元でイケボが!無理‥…もう無理……なアレです。
このバイノーラル音源、一般的なイヤホンで聴くと高音域に独特の違和感が生じるという。そこでfinalはその解消のために研究を開始!その成果を投入し、バイノーラル音源制作者の意図により近い音色や空間、方向感の再現を実現するサウンドに仕上げられたのがE500なのだ。
そして現在!世はダミヘ音源に溢れている!
例えば、ダミヘ録音な「ASMR音源」とかをYouTubeにアップしてくれる声優さん(例:小岩井ことりofficialチャンネル)やYouTuberさんも増えてきている!また、AbemaTVの夜帯番組「声優と夜あそび」にはダミーヘッドマイクが常駐しており、それを活用したコーナーもある!
さらに、インターネットラジオステーション「音泉」には、こんな明らかに危険が危なそうな番組名も見かけられてしまう!「ネットという無数の声雄が割拠する世界から、最新最強の武器バイノーラルマイクを駆使し、ファンのみんなに癒しと感動を与える声優を、とにかく!全力を尽くして熱く応援するラジオ、略してNTRじ!……略してもやはり危険が危ない」
世にこれだけのダミヘ音源が溢れているからこそ、「バイノーラル音源再生最適化イヤホン」なんて極端な特化型アイテムも成立するのだ!2,000円くらいの出費は、世に溢れるダミヘ音源ダミヘ配信を聴きまくり堪能しまくればすぐに元が取れる!
例えばこちら、声優で〇〇で〇〇としても活躍する声優の小岩井ことりさん(〇〇に当てはまる能力が多すぎるので各自適当にはめ込んでください)のYouTubeチャンネルからこちら。
◎【声優ASMR】おやすみトーク60分【ダミーヘッドマイク】
……なにこのイキリ……息リ音源!気配が……気配感が!これぞダミヘ!な耳元ささやきが60分続くヤバい音源だ。どんなイヤホンで聴いてもヤバさは伝わるかとは思うが、E500で聴くと小岩井さんがお声や息を柔らかくしていることがより分かりやすく、またそうして音の感触を柔らかくしても距離や方向の明瞭さは落とさないという絶妙さに!これが「えっちなイヤホン by 小岩井ことり」の力か!
音楽でのダミヘ音源としては、悠木碧さんのアルバム「トコワカノクニ」がおすすめだ。
◎悠木碧「レゼトワール」Music Video (short ver.)
悠木碧さんの声だけを折り重ねて作り上げられた作品という時点で稀有だが、さらには「まず5.1chサラウンドにミックスした音源をサラウンドスピーカーで再生し、それをダミーヘッドマイクで録音したバイノーラル音源」だったりもするから恐ろしい。
こちらは先ほどの小岩井ことりさんのトーク音源とは異なり、悠木碧さんの声が「あちこちから同時に聴こえる」のがポイント。その配置の面白さを味わった上で、「E500ならこの曲のバイノーラルポテンシャルがさらに引き出される!」と想像してみていただければと思う。
■強くてお手頃!有線エントリーに再注目の価値あり!
それぞれのイヤホンが、それぞれの狙った勝負所で実に「強い!」モデルであることをお分かりいただけただろうか。
そして当然のところを再確認しておくと、いずれも有線のエントリークラス製品であり、最安価格帯の完全ワイヤレスイヤホンと比べても、同等から同等未満なお手頃価格だ。
強くて安い!有線エントリークラスイヤホンにはまだまだ見るべき製品がある!
高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi 趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。 |
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