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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第251回】

5千円台で買える!「普通に推したい」安心便利なエントリー完全ワイヤレスイヤホン3選

公開日 2020/07/13 06:30 高橋 敦
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基本性能で勝負!AIR by MPOW「X6.2J」

一見して、ケースのコンパクトさとバッテリー駆動時間の長さ! という基本性能の部分に明快な強みを持っているAIR by MPOW「X6.2J」。

ケース開閉もイヤホン固定もマグネット式で好感触

癖のないスタンダードなフォルム

AIR by MPOWとは香港発のグローバルブランドであり、欧米ではすでに高評価を得ているMPowが日本市場に向けて立ち上げたサブブランドである。先日にはMpow Japanも設立され、Mpow本体が展開する製品の日本流通も進んでくるかと思われるが、その「Mpow製品の基本性能+日本に向けた細やかな仕上げ=AIR by MPOW!」というわけだ。

その基本性能の面では電源周りの充実が光る。イヤホン本体のバッテリー駆動時間は5時間と他と比べて特に長いわけではない。しかしケースからの充電も含めた際の合計18時間は今回ピックアップした製品の中では最長。

しかもそのケースは今回ピックアップした製品の中で最小であり、内蔵バッテリーの容量も最小。なのに再生時間は長い。各社の計測条件の設定の違いなどもあるだろうから断定的には言えないが、省電力設計が得意だったりするのかもしれない。

何にせよ、十分すぎる駆動時間を確保しながら完全ワイヤレスイヤホンとして最小クラスのケースを実現している点は、使い勝手の面での大きなアドバンテージ。USB-C端子の採用も、ケーブル環境のシンプル化、microB根絶を図りたい方には嬉しいところだろう。

ケースは筆者の手の大きさだと手の中に完全に握り込めるほどの小ささ

ケースのバッテリー残量を4段階で確認できるLEDは地味に便利

表面仕上げはマット。カラーは「Japanプレミアムカラー」ということで日本の伝統色にインスパイアされたという藍・茜・深葉が揃えられている。イヤーピースは3サイズで、他にスタビライザーが3タイプ付属。その組み合わせで装着感を調整する。

全色共に深みのある色合いのマット仕上げで安っぽさ皆無

付属のイヤピ&スタビ。スタビ形状なしでシリコンのグリップのみを得るパーツも付属

スタビライザーやフィンのようなパーツで装着を安定させるデザインには、装着時の手間も、それを交換してフィッティングさせる手間も増える、という弱点がある。なので、そんなもの無くても普通の形でちゃんとフィットするデザインがベストでは? というのが個人的な意見だ。

しかし実はこのモデルの場合、筆者の耳の相性もあるだろうが、スタビはあまり関係なく本体の形状で普通にフィットしてくれている印象。スタビのデメリットはあまり考えなくてよさそうだ。

サウンドは……極めて普通! 特徴的な部分というのを挙げるのが難しいほど癖がないため、好んで聴く楽曲側のサウンドとの相性とかも強く出ることはない。このサウンドを地味とかおとなしいとか感じる人はいても、うるさいだとか嫌な音だとか感じる人は滅多にいないだろう。

おすすめするとすれば、例えばiPhoneユーザーで「AirPodsの音は良くも悪くもなく普通だけどそこに不満はない。でも遮音性の低さが気になる。とはいえAirPod Proは高い」なんて思っている人がいたら、音の傾向が近く、カナル型なので遮音性は高く、そして手頃すぎるお値段! なこのモデルはちょうど良いかも。

なおこの音作りも日本向けのAIR by MPOWならではの要素「日本人サウンドエキスパートによる日本向けのチューニング」としてプッシュされている。国内大手オーディオブランドを退職したばかりの経験豊かな人材を技術顧問に招き、音質監修を担当してもらっているとのことだ。

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