[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第251回】
5千円台で買える!「普通に推したい」安心便利なエントリー完全ワイヤレスイヤホン3選
▼タフ&フレンドリー! JVC「HA-A10T」
急速充電対応と高めの防水仕様でうっかりさんも安心! と、ある意味ラフに扱えそうなタフ&フレンドリーモデル。
JVCは……こちらには細かなブランド説明は必要ないだろう。日本を代表する老舗オーディオブランドであり、ビクターとケンウッドが合併して生まれたメーカーだ。
ケースはやや大柄のボックス形状、その割にケース込みの合計バッテリー駆動時間が長いわけでもない。特にケースの大きさは他と比べて明確に大きいので、そこが気になる方にはおすすめしにくいというのは正直なところ。
しかしバッテリー周りの方にはその弱点をカバーできる要素も備えていたりする。急速充電対応だ。こちら15分の充電で約1時間の連続再生が可能で、充電器やモバイルバッテリーなどの充電環境さえあれば、バッテリーをうっかり切らしてしまってからでも何とか対処できる可能性がある。
うっかりしても安心という部分では、IPX5相当の防水性能を備えているところも注目ポイント。IPX4がいわゆる生活防水で、キッチンやアウトドアでのちょっとした水しぶきや屋外での軽い雨程度なら問題ないという、ざっくり「水滴には負けない」感じだ。そしてそのひとつ上がIPX5。こちらはシャワーや強めの雨など「水流にも負けない」レベルだ。
雨予報なのに「うっかり傘を忘れた」とか、雨が降ってきたのに「うっかりイヤホンを外すのを忘れた」とかをやらかしてしまいそうな人にとっては、そんな場合でも安心!ということになる。またIPX5というのは同社スポーツ向けモデル「HA-ET900BT」と同等なので、汗などへの耐性も問題ないだろう。
サウンドは……ルックスから違和感のないタフさ! カラバリのピンクの雰囲気とはさすがに少し違うが、ブラックやネイビーの無骨さにはぴったりハマる。シンバルやギターの高域には少し荒い感触の鋭さがあり、スネアドラムあたりのアタックもガツンと目立たせてくる。ロックの迫力やヒップホップのザクっとした質感を際立たせてくれる音だ。
JVCのイヤホンは有線無線問わず、エントリークラスではこの傾向の音作りが多い印象。このモデルも「完全ワイヤレスで5,000円台」という厳しい条件でありつつ、きっちり同社らしいサウンドに仕上げられているというわけだ。
次ページfinal監修の“信頼に応えるサウンド”「TWS03R」