【特別企画】自宅で1週間テスト可能
アンダンテラルゴの無料貸し出しサービス&レコードクリーニングを4人の評論家が体験
体験者3 炭山アキラ、コード・カンパニーのSarum Tシリーズを試す!
炭山アキラが選んだ3製品
Chord Company/RCAインターコネクトケーブル「SarumT RCA」
(400,000円/1mペア・税別)
Chord Company/スピーカーケーブル「Sarum T Speaker Cable」
(340,000円/1.5mペア・税別)
Chord Company/USBケーブル「Sarum T USB Cable」
(300,000円/1m・税別)
■コードのセイラム・コンプリートとグラウンドアレイの貸し出しを依頼(炭山アキラ)
コード・カンパニーのケーブルは、アンダンテラルゴの本社や本誌の試聴室をはじめ、色々なところで聴いている。それである程度分かった気になっていたが、このたびは自宅で入口から出口までのフルセットを試す僥倖に恵まれた。
まずは自宅レファレンスのRCAケーブルを「Sarum T」に交換して、音を聴いた。最初の一音が出た瞬間の衝撃を、一体何と表現したらいいだろう。オケの演奏が始まる一瞬前の緊迫感、楽員が音を紡ぎ始める寸前の「裂帛の気合」がありありと聴こえてきて仰天した。音楽が始まると、オケはグッと奥行き感を増し、音場はどこまでも広大に広がる。音楽の当たりは実にソフトなのだが、そこへ微細な毛羽立ちというか、楽器の音色差、楽員が込めた抑揚の差などが、息を呑むレベルで伝わってくる。レファレンスのインターコネクトケーブルも結構いいものなのだが、これには脱帽だ。
続いて、ネットワークのLANケーブルもSarum Tに交換してみよう。デフォルトから聴き比べたら、これまでかなり強くメリハリがついたやや耳障りな録音だと思っていた音源が、何とスムーズでナチュラルに鳴り響き始めたではないか! これまで膨大に溜め込んできたNASの中身を、すべて聴き直さなければならないレベルである。この衝撃は比類がない。
お次はUSBケーブルをやはりSarum Tに交換してみると、スケール感が大幅に増しながら気品の高さまで数段向上してしまうのだから、本当にコード・カンパニーの技術力は凄いなと、溜め息をつくことになった。試聴だからすぐ音楽を止めるのが普通だが、これはずっと聴いていたくなる音である。こんな人生を送りたいな、と強く感じさせる音の世界だった。
さらにスピーカーケーブルもSarum Tに交換したら、絶妙の旨味を加えた、その昔に飲んだことのある、黒部の伏流水の旨味を思い出させる音だ。f/Dレンジの広さとか細かなことをいう前に音楽へ浸り込ませる、そんな音である。
さらに、今話題のノイズ・ポンプ・プラグ「グラウンドアレイ」も試用してみた。RCA用をまず1本CDプレーヤーのデジタル出力に挿してみると、「一体さっきの再生音のどこにこれだけ音が澄む要素が残っていたのか」と、首をひねるレベルで音の見晴らしが向上する。
2本お借りしたので、プリのDACボードで空いているRCAにも挿したら、効果がリニアに倍となったような印象だ。オケは奥行き感を保ったままくっきりと細部まで目に見えるような再現となり、抑揚も一段とよく表現し、指揮者が楽員へ伝えた意図が耳へ直接飛び込んでくるような体験ができた。コード・カンパニーの最先端の実力を自宅で存分に味わうことができた。