【特別企画】スタジオユースでも活用されるオランダのアクセサリーブランド
空き端子に挿す、ケーブルに巻きつけるだけでノイズを除去。アキコ・オーディオ「Tuning Stickシリーズ」の効果を検証
各モデルごとの音質レポート(Text by生形三郎)
Triple AC Enhancer
■S/Nを改善し空間表現を拡大
シリーズの中でも、いち早く日本に上陸し好評を得た製品。プリアンプとCDプレーヤーを接続している電源タップの空き端子に接続して聴くと、S/N感が改善され、展開される空間表現のスケールが広大化した。同時に歪みや雑味感が抑えられ、特にヴォーカルのサ行などのエッジもより丁寧で落ち着いた表現に。超低域での音の滲みも改善し、低音楽器の輪郭や音程がより鮮明に奏でられる。
またパワーアンプを接続している電源タップの空き端子に接続すると、それらの効果に加えてさらに低域側のエネルギー感も拡大した。全体的に圧迫感やぎこちなさが解消される方向で、音楽表現がより自然な表情で伝わってくる。
E-Tuning Gold mk II
■力感をアップし緻密な再現に
プリアンプの電源ケーブルに付属のマジックテープで巻き付けて聴くと、音楽の流れがよりスムーズになると共に、力感も格段にスケールアップした。空間再現の緻密さが増し、歌声や楽器が、より肉感的なボトムを得てパワフルな再現となるのだ。
Tuning Stick Universal mkIII
■空間を自然に広げてより繊細に
CDプレーヤーからプリアンプに接続するLch、RchのXLRケーブルを束ねる形で固定すると、空間の自然な広がりに加え、楽器のアタックのエッジが解れ、より繊細で落ち着いたサウンドへと移行した。先ほどのXLR及びRCAタイプと比べると、より間接的でナチュラルな作用の仕方だ。
Tuning Stick XLR mk III
■繊細な音情報が掘り起こされる
プリアンプの空き入力端子に接続すると、微少ノイズによってこれまでは聴き取り難かった、ソース内の繊細な音情報が掘り起こされる効果が得られた。オーケストラ音源では、奏者の人数が増えたかのように奏者の手元が浮かび上がり、残響も会場の様子がより明確にイメージできる。併せて楽器の音色に艶や輝かしさが生まれ、コーラスの声色が明るく浮き立つ。
Tuning Stick RCA mk II
■低域方向のエネルギーが向上
プリアンプの空き入力端子に接続すると、XLRタイプと同様の効果を得られたが、パワーアンプの空き入力端子に挿すと、やはり低域方向のエネルギー向上を感じられた。対象機器の使い所を踏まえたチューニングも面白そうだ。
USB Tuning
■音像の立体感や実在感を増す
ノートPCの空きUSB端子に接続し、そのPCをSACDプレーヤーへとUSB接続してハイレゾ音源を再生すると、楽器や歌声の音像の立体感が増し、描かれる世界のスケールがひと回り大きくなった。S/N感が高まるのだが、あからさまに明瞭化するというよりも、音像の実在感が濃さを増すような効果の現れ方で、音のリアリティが極めて自然に高められる心地良さを味わえた。
この価格帯で注目すべき効果
■音色感をも積極的に活性化、ナチュラル傾向の改善が魅力
総じて、この「TuningStickシリーズ」は、ナチュラル傾向の改善効果が魅力的なアクセサリーである。筆者としては、よりナチュラルな傾向を求めるならユニバーサルタイプを、音色感もが積極的に活性化される、より強力な効用を求める場合にはコネクタータイプをお薦めしたい。いずれも、快適で品位の高い音楽再生に有用なアイテムだ。
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