すさまじい完成度だが、まだ序章
Apple M1搭載「MacBook Air」レビュー。(見た目以外は)未来から来たコンピュータ
もちろんネイティブアプリのほうがよりキビキビと動作するし、今後Adobe系ソフトなどが続々とネイティブ対応するはず。そうなると、アプリの起動速度が異様に速くなったり、機械学習系の処理などが今とは比べものにならないほど速くなるはずだ。
だが、それらの登場を待つ必要はない。現時点でも十分にM1プロセッサーの恩恵を享受できる。
なお、M1チップ搭載Macの特徴に、スリープからの復帰が一瞬で行われるというものもあるが、私の場合、Apple Watchをカギにしてスリープ解除する設定にしているので、スリープ解除が速いという点は実感できていない。
M1チップのARMアーキテクチャーはiPhoneやiPadに搭載されているプロセッサー(Aシリーズ)のと同じということもあり、iPhoneやiPad向けのアプリも動かせる。これが結構便利だ。たとえば写真にフィルターを掛けるアプリなどは、iPhone/iPad向けアプリのほうが遙かに充実している。そういったアプリをMacでも使えるようになったことには、とても大きな意義がある。
■何もしなくても熱かった旧Mac、何しても熱くならない新Mac
発熱の少なさについても前評判通りだった。今回、M1プロセッサーを搭載したMacには、私が購入したMacBook Airのほか、MacBook Pro 13インチ、Mac miniがある。このうち新たにファンレス設計が施されたのはMacBook Airである。
ファンがないのは、静音性という意味ではすごく嬉しいことだが、一方、ヒートシンクなどで放熱するしかない。購入して使ってみるまでは、本体が熱くなることを心配していた。
何しろ、これまで使っていたMacBook Pro 13インチ(2018年モデル)は、ファンが付いているのに、キーボードのあたりがいつもじわりと熱かった。冬でも手汗をかくほどで、特に夏場はキツかった。購入当初、これはさすがに故障だろうと思ってジーニアスバーに持ち込み、交換してもらったが、熱さは変わらず落胆した記憶がある。ファンを強制的に回転させるユーティリティを入れて凌いでいた。
そんな経験があるだけに、「ファンがないのに熱くならない」と言われても信じられなかった。
実際に使ってみると、ファンレスなのに、本当に驚くほど熱くならない。ウェブを参考にしながら原稿を書くくらいでは、キーボードは冷たいままだ。重い作業をするとじんわり温かくなるが、それでも「熱い」という感じではない。これまでの体験と違いすぎて、本当に信じられないほどだ。