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すさまじい完成度だが、まだ序章

Apple M1搭載「MacBook Air」レビュー。(見た目以外は)未来から来たコンピュータ

公開日 2020/11/30 06:30 風間雄介
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異様なほどのバッテリーの持続力

バッテリーも信じられないほど持続する。電源アダプターを外し、バッテリーのまま1時間以上打ち合わせをし、そのあいだ画面を表示し続け、ときおりメモを取ったりしていても、バッテリーの残量は99%だった。異様なまでの性能だ。

CiscoのWebexでビデオ会議を1時間ほどしたらさすがに6%くらい減ったが、それでも、これまでの常識からすると、あり得ないほどのレベルだ。外出し、出先のカフェなどでノマドするときなど、念のためACアダプターを持って出歩くことが多かったが、今後はほとんど不要になりそうだ。

ワットあたりのCPU性能(Apple公式サイトより)。M1がいかにこれまでの進化スピードから隔絶しているかがわかる

FaceTime HDカメラもNeural Engineで進化

そのほかの特徴についても触れておこう。まず、画面の色域はP3となり、液晶ディスプレイの品質はこれまでのMacBook Airと比べて明らかに向上した。厳密に比べたわけではないが、これまでのMacBook Proと比べても遜色ない印象だ。

また前面のFaceTime HDカメラは、解像度こそ720pのままだが、ダイナミックレンジが広がり、暗部がつぶれたり、明部が飛んだりしにくくなった。Neural Engineで顔を認識してホワイトバランスと露出を調整し、肌のトーンを自動的に整える機能も備える。実際にビデオ会議で使ってみると、その効果を実感できた。

キーボードは、前モデルから採用している「Magic Keyboard」。打鍵感の好みは人それぞれだろうが、私は適度なストロークと静粛性が気に入っている。

「Magic Keyboard」を搭載。あのペタペタした打鍵感のキーボードから大きく進化(?)した

また、MacBook AirはMacBook Proとは異なり、Touch Barがない。代わりに物理ファンクションキーが搭載されている。何かと嫌われがちなTouch Barだが、個人的には結構好きだったので、少し寂しい。とはいえ、この1週間ほど、Touch Barがない環境で仕事をして、不便を感じたことはなかったわけだが…。

Thunderbolt / USB 4端子は、画面を向いて左側に2端子のみ。これまで4端子のMacBook Proを使っていたので少し不便だが、MacBook Airは以前から2端子だったので、これは仕方ないところか。端子の数が足りないと思ったら、ハブなどを上手に使って解決したい。

Wi-FiがWi-Fi 6対応となったことも嬉しいポイントだ。まだ対応ルーターをもっていなくても、いわゆる“フューチャープルーフ”という観点から安心できる。



見てきたように、M1搭載のMacBook Airはパフォーマンスがずば抜けており、発熱は少なく、バッテリーは異様なほど長持ちする。しかもMacBook Airの最低価格構成の場合、104,800円(税抜)から購入できる。信じられないほど安い。通常、数年かけて行われるはずの進化がいっぺんに押し寄せた印象で、まさに(見た目以外は)未来を先取りしたコンピュータという印象だ。

さらに驚くべきことは、これが最初のアップル製SoCを搭載したMacであるということだ。今回の新モデルは、すでにある筐体デザインにM1を搭載してきた。だが、このM1チップ、あるいは今後登場するであろう新チップを使えば、まったく新しいノートPCやデスクトップPCのカタチが実現するかもしれないという期待が膨らむ。

新MacBook Airの完成度はすさまじく、自信を持って推薦できる。だが、これはまだ始まりに過ぎない。今後アップルがどのような仕掛けを用意しているのか、興味は尽きない。

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