【オーディオ銘機賞 金賞・銅賞受賞】
エソテリックのSACD/CDプレーヤー中核モデルが進化。第4世代「K-01XD/03XD」の音はどう変わった?
エソテリックのデジタル再生の中核を担う一体型プレーヤー「K-01/K-03」がさらなる進化を果たし、第4世代の「XD」エディションとして生まれ変わった。
進化のポイントは最新メカ「VRDS-ATLAS」と完全自社設計によるDAC「Master Sound Discrete DAC」の採用。最高峰モデル「Grandioso K1X」の開発で培った、この2つの技術がいよいよ搭載されることとなった。本年度オーディオ銘機賞の金賞を受賞したK-01XD、銅賞を受賞したK-03XDの音を、歴代「K-03シリーズ」を愛用してきた鈴木 裕氏に解説していただこう。
■世代を経て確実な進化を遂げてきた一体型プレーヤー「K」シリーズ
エソテリックのSACDプレーヤーの中核モデル「K-01/03」にXDエディションが登場した。4代目である。カタログやウェブサイトでは、「一体型デジタルプレーヤーK-01/03は登場以来、その類まれなる音楽再生能力が高く評価されてきた」と書かれているが、いずれもオーディオ的ハイファイ性と音楽性のバランスの取り方が絶妙なシリーズだ。
筆者は拙宅のシステムとして「K-03」(2010年)、「K-03X」(2014年)、「K-03Xs」(2018年)と使って来て、今回の「K-03XD」も導入することになった。振り返りとして、この4世代の音の変遷について触れておこう。
初代は音楽再生能力に振っていた。実を言うと「K-01/03」からいきなりそういう方向になったわけではなく、当時のフラグシップのセパレート機からそういう流れもあったのだが。それ以前のハイコントラストで高精細、音を分解する能力が高く、情報量をえぐり出す方向から変化した、ある種象徴的なモデルが「K-01/03」だったのだ。音を気にせず音楽に集中できる方向性だ。
2代目の「X」では、DA変換部だけでなくバッファアンプ部にも力が入り、分解能や情報量が増しつつも生演奏の勢いをより感じさせる、いい意味でデジタルらしい音に成長した。3代目の「Xs」ではさらに情報量もアップしたが、最大の特徴はパワーアンプドライバーと呼びたくなるようなバッファアンプ部のさらなるエネルギー感の増大で、そこにアナログを聴いているような低音感のある帯域バランスを持たせた音調が重なった。結果としてより懐の深い、深みのある音に深化した。
そして「XD」である。長らく使ってきたVRDS NEOに代わって、16年ぶりの新設計フラグシップのメカドライブ、VRDS ATLASを搭載。
そこにDACチップを使わず、完全自社設計のマスター・サウンド・ディスクリートDACを組み合わせた。音の進化の度合いについてはフルモデルチェンジを2回やったくらいの変化ということをまず押さえておきたい。しかも実は音を成長させたのは、大きく打ち出しているその2つのフィーチャーだけではない。
そもそもK-03XDはアナログ用とデジタル用の2個のトロイダルトランスを、K-01XDは左右のDA変化部用、メカニズム、デジタル回路用と4個のトロイダルトランスを搭載しているが、さらに電源部を充実させている。Grandioso P1X/D1Xで開発されたフィードバック量を最小とするDCレギュレーターで、これをディスクリートで構成。また、大容量の電解コンデンサーを投入し、K-03XDでは合計26本、K-01XDでは71本ものスーパーキャパシターを整然と林立させている。
さらに天板も上位機種同様、ネジで締めつけないセミフローティング構造に変更。脚の取りつけ方も、ねじ込み式であるのは変わらないが、ねじ込み式であるのは変わらないが、締め付けによる底板へのストレスが最小限になるよう、半固定式に方式に変更している。
進化のポイントは最新メカ「VRDS-ATLAS」と完全自社設計によるDAC「Master Sound Discrete DAC」の採用。最高峰モデル「Grandioso K1X」の開発で培った、この2つの技術がいよいよ搭載されることとなった。本年度オーディオ銘機賞の金賞を受賞したK-01XD、銅賞を受賞したK-03XDの音を、歴代「K-03シリーズ」を愛用してきた鈴木 裕氏に解説していただこう。
■世代を経て確実な進化を遂げてきた一体型プレーヤー「K」シリーズ
エソテリックのSACDプレーヤーの中核モデル「K-01/03」にXDエディションが登場した。4代目である。カタログやウェブサイトでは、「一体型デジタルプレーヤーK-01/03は登場以来、その類まれなる音楽再生能力が高く評価されてきた」と書かれているが、いずれもオーディオ的ハイファイ性と音楽性のバランスの取り方が絶妙なシリーズだ。
筆者は拙宅のシステムとして「K-03」(2010年)、「K-03X」(2014年)、「K-03Xs」(2018年)と使って来て、今回の「K-03XD」も導入することになった。振り返りとして、この4世代の音の変遷について触れておこう。
初代は音楽再生能力に振っていた。実を言うと「K-01/03」からいきなりそういう方向になったわけではなく、当時のフラグシップのセパレート機からそういう流れもあったのだが。それ以前のハイコントラストで高精細、音を分解する能力が高く、情報量をえぐり出す方向から変化した、ある種象徴的なモデルが「K-01/03」だったのだ。音を気にせず音楽に集中できる方向性だ。
2代目の「X」では、DA変換部だけでなくバッファアンプ部にも力が入り、分解能や情報量が増しつつも生演奏の勢いをより感じさせる、いい意味でデジタルらしい音に成長した。3代目の「Xs」ではさらに情報量もアップしたが、最大の特徴はパワーアンプドライバーと呼びたくなるようなバッファアンプ部のさらなるエネルギー感の増大で、そこにアナログを聴いているような低音感のある帯域バランスを持たせた音調が重なった。結果としてより懐の深い、深みのある音に深化した。
そして「XD」である。長らく使ってきたVRDS NEOに代わって、16年ぶりの新設計フラグシップのメカドライブ、VRDS ATLASを搭載。
そこにDACチップを使わず、完全自社設計のマスター・サウンド・ディスクリートDACを組み合わせた。音の進化の度合いについてはフルモデルチェンジを2回やったくらいの変化ということをまず押さえておきたい。しかも実は音を成長させたのは、大きく打ち出しているその2つのフィーチャーだけではない。
そもそもK-03XDはアナログ用とデジタル用の2個のトロイダルトランスを、K-01XDは左右のDA変化部用、メカニズム、デジタル回路用と4個のトロイダルトランスを搭載しているが、さらに電源部を充実させている。Grandioso P1X/D1Xで開発されたフィードバック量を最小とするDCレギュレーターで、これをディスクリートで構成。また、大容量の電解コンデンサーを投入し、K-03XDでは合計26本、K-01XDでは71本ものスーパーキャパシターを整然と林立させている。
さらに天板も上位機種同様、ネジで締めつけないセミフローティング構造に変更。脚の取りつけ方も、ねじ込み式であるのは変わらないが、ねじ込み式であるのは変わらないが、締め付けによる底板へのストレスが最小限になるよう、半固定式に方式に変更している。