HOME > レビュー > 評論家2名が導入&実践、フルテック「NCF Booster」シリーズの効果をレポート

最新モデルNCF Clear Lineを含む使いこなし

評論家2名が導入&実践、フルテック「NCF Booster」シリーズの効果をレポート

公開日 2020/12/24 06:30 角田郁雄/生形三郎
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

タイトで明瞭な音になり、使うほどにさらなる効果が得られるのを実感した(Text by生形三郎)
「NCF Clear Line」の効果
■信号や電源には介入せず、伝送精度を高めてくれる
「NCF Clear Line」は、その名のとおり、クリアなサウンドが楽しめるアクセサリーである。回路を形成しないパッシブタイプということで、効用としては、同社「NCF Boosterシリーズ」同様に、音声信号や電源そのものに介入することなく、それらの伝送精度が高まる効果を得られることが特徴的だ。タイトで身が締まり、解像感が上がって音が明瞭になるのである。


FURUTECHの「NCFシリーズ”は、相乗効果でより一層のクオリティアップが望める。NCFコンセントを搭載した電源ボックス「e-TP609 NCF」に、コネクター/ケーブルホルダーの「NCF Booster-Brace」(¥19,800、税別)や「NCF Booster」(¥32,800、税別)を、「NCF Clear Line」とともに併用した例
構造的にみると、電極の反対側にエアコイルと呼ばれるコイル状のパーツが取りつけられていることから、NCFの効果に加え、エアコイルや電極をはじめ、筐体全体が空きコンセントにセットされることによって、微細な振動を抑える効果も大きいのではないかと想像した。

「NCF Clear Line」の使いこなし
■超低域の滲みが改善し充実、音像のフォーカスも明晰に
試聴は自宅のシステムにて実施し、2カ所においてその効果の違いを探ってみた。1カ所目は、プリアンプの電源を取っているクリーン電源への接続だ。2口コンセントを2つ搭載しているタイプで、プリアンプの電源と同じコンセントに挿した場合と、その隣のコンセントに挿した場合とを比較したが、やはり同じコンセントに挿した方が効果は大きかった。

最新モデルの「NCF ClearLine」(¥22,800、税別)。電極部は非磁性ロジウムメッキ純銅素材のα-導体。ハウジングは、4層構造のカーボンファイバー製で、内部に制振性の特殊なナイロン樹脂絶縁リングを組み込んだNCFを採用

とりわけ、超低域の音の滲みが改善されるとともにパワーが充実化し、中音域の音も付帯音が減った印象。それに伴い、音像のフォーカスが明晰になる。ヴォーカル音像の向こう側に滞空するリヴァーブ余韻の揺らめきが、よりハッキリと、そして、繊細な姿で立ち現れることに驚かされた。

2カ所目は、マルチアンプ駆動で同時使用している3台のパワーアンプが接続された、フルテック製2口コンセントを2つ搭載している特注の電源ボックス。空きコンセントに挿すと、1カ所目とは効果の現れ方が微妙に異なった。パワーアンプでは、扱う電力やそれによる振動も大きいためか、明瞭でディテールが豊かになる効果に加えて、音の立ち上がりに、より一層のスピード感やエネルギー感が加わった。


「NCF Clear Line」の内部。エアコイルはα(Alpha)OCC単結晶銅導体エナメル線の外層に、高性能なシルバーカラー特殊制振塗料でコーティングを施すことで振動を抑制。「2段階〜超低温処理および特殊電磁界処理〜α-Process アルファプロセス」も採用
このボックスは、コンセントプレートやベースなども全てフルテック製で同じくNCFが用いられているが、そのような音質対策が徹底して施された電源ボックスに対してでも、さらなる効果が得られることを実感できた。

使い方としては、目的の機器に近接させるほど、より効果的だろう。「NCF Boosterシリーズ」同様の効果が得られるため、システムの音に、よりタイトな解像感や明瞭性を持たせたい方に、特にお薦めしたいアクセサリーだ。

さまざまな環境や機器への幅広い使いこなしも特徴。アイデア次第で、応用・発展性をさらに拡大する充実のオプションパーツ。(A)「TopClamp」(\13,800、税別)。クレイドル上部に追加し強化。ステンレスパウダーを基本に複数の特殊制振金属パウダーを調合、ナイロン樹脂と複合し、質量約295g、(B)「Cradle-Flat」(\12,000、税別)。NCF Booster-Signalのケーブルホルダー部の単売品(固定リング2個付属)。追加で複合的な応用発展が可能、質量約77g、(C)「Shaft Bar Mix-8L4S」(\3,400、税別)。手でねじ込むだけの、高さ延長用オプション。ロングタイプ(従来品)8本とショートタイプ(新規)4本セット、(D)「Shaft Bar Adjuster」(\3,800/2個、税別)。クレイドル部の高さを微調整、最適化する中継具

【NCFシリーズアクセサリーの仕様】
【NCF Clear Line】●サイズ:約39.5W×88.4Lmm●質量:約69g(ネット)●全ての導電性パーツはロジウムメッキ+アルファプロセス処理●優れた振動減衰特性を持つマルチマテリアルハイブリッド構造
【NCF Booster】●クレイドル:カーブドタイプ●トップクランプ:特殊ステンレスブロックとオーディオグレードNCF調合ナイロン樹脂●高さ:一番低い位置17mm/延長140mm(オプション追加可能)●外部サイズ:約94×99.7mm●質量:基本設定580g、延長設定630g
【NCF Booster-Signal】●クレイドル:フラットタイプ●高さ:一番低い位置44mm、延長142mm(オプション追加可能)●外部サイズ:約94.1×99.7mm●質量:基本約280g、延長約340g
【NCF Booster-Signal-L】●クレイドル:フラットタイプ●高さ:一番低い位置23.8mm、延長81.4mm(オプション追加可能)●ベースユニット外部サイズ:89.8×66.0mm●外部サイズ:46W×106L×23.8Hmm●質量:基本約130.5g、延長約177.5g
※以上3モデルの付属品:エクステンションシャフトバー×2本、固定リング×2本、特殊PU滑り止め透明マット×4個
【NCF Booster-Brace】●構造:マルチマテリアルハイブリッド●本体:NCF調合ナイロン樹脂(静電効果)●ハウシング:特殊アルミ合金ブラストおよびアルマイト処理●サイズ:約54W×35H×106Lmm●質量(ネット):約100g
【NCF Booster-Brace-Single】●構造:マルチマテリアルハイブリッド●本体:NCF調合ナイロン樹脂(静電効果)●ハウシング:特殊アルミ合金ブラストおよびアルマイト処理●サイズ:約54.3W×38.5H×64.8Lmm●質量(ネット):約67.5g
※Braceの付属品:特殊粘着両面テープ(本体装着)とスペア(強力粘着、残留接着剤なし)

前へ 1 2

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE