音楽家の有機的なつながりをソフトウェア上で可視化
Roonの最新アップデートを徹底検証。独自AI「Valence」で音楽との出会いを強力にサポート
■RoonがVer1.8に進化。UIを刷新、機能面も大幅強化
音楽再生ソフトの定番、Roonが2月9日にアップデートされてバージョン1.8となった。Roonはハイレゾを含む音楽再生専用のアプリケーションの中でも近年人気が高く、海外では展示会などでも標準的に使用されているソフトウェアだ。
PHILE WEBでも過去なんどか取り上げ、一昨年には開発者たちが来日した際にヘッドフォン祭で講演したこともある。Roonはユーザーフォーラムが盛んなことでも知られているが、CEOのEnno Vandermeer氏はリリースに先立って公開された解説動画の中で、フォーラムに集まる様々な意見を参考にしたこのリリースはかつてない刷新になったと語っていた。
端的に言うと今回の改善のポイントは大幅な画面の刷新によるより洗練された画面と操作性の改善、そして進化した知的機能Valence(ヴェイランス)を活用した機能の追加である。以降で詳しく見ていくことにしよう。
■美術館からインスパイアされたデザイン、洗練されたフォントを使用
まず今回もっとも目を引く改良はUIが完全に新規設計されていることだ。いままでトップ画面だったOverview画面はホーム画面となり、以前のOverviewと最近聴いた曲、ニューリリースのおすすめ、Discoverなどがまとめられたものになっている。ユーザーが最近どのように音楽を聴いてきたかを示す統計が表示されて自分で聴く傾向も分析できるし、後述のValenceもこれを参考にしている。
画面の意匠デザインは美術館からインスパイアされていて、美術館の空気感を再現する現代的なデザインだとしている。またボールドを多用したフォントが工夫されたタイポグラフィーや品のある音楽雑誌をイメージしたレイアウトだともしている。
また画面がどの箇所においても縦スクロールが可能になっているのもフォーラムの声を吸い上げたものだ。さらにプラットフォームになるべく依存しないようにPCでもタブレットでも、そしてスマホでさえなるべく操作性の共通化が図られた。
縦画面に応じたレイアウトなどリモートのデザインも刷新が行われている。そのためもあって本リリースでは本体(コア)をアップデートする前に、アプリの方のアップデートを行うような注意が出ている。
ホーム画面の他にはGenre(ジャンル)ページもより詳細なジャンル分けに対応した改良が行われている。
■膨大なクラウド上のメタデータを活用、AIによるレコメンド機能を強化
また現在のRoonの心臓部とも言える「Valence」が進化した。ValenceはRoon内部の検索エンジンのようなモジュールだが、AIを意識した知的なソフトウェアだ。膨大なクラウド上のメタデータを利用したValenceが、コンテキストや意味を考慮しながら、市場のストリーミングサービスのおすすめ機能を超えるような進化をした。これで埋もれていたような音楽を浮かび上がらせることができるとしている。
今回は特にクラシック音楽に向いた改良がなされていて、作曲家と演奏者と指揮者の組み合わせなど、ポップ音楽にはない点も加味されている。またValenceもそれを理解している。
さらに検索アルゴリズムも完全に新設計された。これにもValenceを用いることで、より正確かつ関連度の高い結果が得られるとしている。さらにローカルデータが優先だが、ストリーミング上のライブラリも検索してくれる。
これはつまり、有名CDショップのあの店員に聞けば知りたい音楽を教えてくれるだろう、といったベテラン店員のような働きをしてくれるわけだ。たとえば「ヨハネス・ブラームスの最高の演奏を教えてくれ」という要求にはブラームスに関する知識、ジャンルの知識、年代の知識などが必要だ。
そしてRoon Radioも改良Valenceの恩恵を受けてより賢くなっているという。
音楽再生ソフトの定番、Roonが2月9日にアップデートされてバージョン1.8となった。Roonはハイレゾを含む音楽再生専用のアプリケーションの中でも近年人気が高く、海外では展示会などでも標準的に使用されているソフトウェアだ。
PHILE WEBでも過去なんどか取り上げ、一昨年には開発者たちが来日した際にヘッドフォン祭で講演したこともある。Roonはユーザーフォーラムが盛んなことでも知られているが、CEOのEnno Vandermeer氏はリリースに先立って公開された解説動画の中で、フォーラムに集まる様々な意見を参考にしたこのリリースはかつてない刷新になったと語っていた。
端的に言うと今回の改善のポイントは大幅な画面の刷新によるより洗練された画面と操作性の改善、そして進化した知的機能Valence(ヴェイランス)を活用した機能の追加である。以降で詳しく見ていくことにしよう。
■美術館からインスパイアされたデザイン、洗練されたフォントを使用
まず今回もっとも目を引く改良はUIが完全に新規設計されていることだ。いままでトップ画面だったOverview画面はホーム画面となり、以前のOverviewと最近聴いた曲、ニューリリースのおすすめ、Discoverなどがまとめられたものになっている。ユーザーが最近どのように音楽を聴いてきたかを示す統計が表示されて自分で聴く傾向も分析できるし、後述のValenceもこれを参考にしている。
画面の意匠デザインは美術館からインスパイアされていて、美術館の空気感を再現する現代的なデザインだとしている。またボールドを多用したフォントが工夫されたタイポグラフィーや品のある音楽雑誌をイメージしたレイアウトだともしている。
また画面がどの箇所においても縦スクロールが可能になっているのもフォーラムの声を吸い上げたものだ。さらにプラットフォームになるべく依存しないようにPCでもタブレットでも、そしてスマホでさえなるべく操作性の共通化が図られた。
縦画面に応じたレイアウトなどリモートのデザインも刷新が行われている。そのためもあって本リリースでは本体(コア)をアップデートする前に、アプリの方のアップデートを行うような注意が出ている。
ホーム画面の他にはGenre(ジャンル)ページもより詳細なジャンル分けに対応した改良が行われている。
■膨大なクラウド上のメタデータを活用、AIによるレコメンド機能を強化
また現在のRoonの心臓部とも言える「Valence」が進化した。ValenceはRoon内部の検索エンジンのようなモジュールだが、AIを意識した知的なソフトウェアだ。膨大なクラウド上のメタデータを利用したValenceが、コンテキストや意味を考慮しながら、市場のストリーミングサービスのおすすめ機能を超えるような進化をした。これで埋もれていたような音楽を浮かび上がらせることができるとしている。
今回は特にクラシック音楽に向いた改良がなされていて、作曲家と演奏者と指揮者の組み合わせなど、ポップ音楽にはない点も加味されている。またValenceもそれを理解している。
さらに検索アルゴリズムも完全に新設計された。これにもValenceを用いることで、より正確かつ関連度の高い結果が得られるとしている。さらにローカルデータが優先だが、ストリーミング上のライブラリも検索してくれる。
これはつまり、有名CDショップのあの店員に聞けば知りたい音楽を教えてくれるだろう、といったベテラン店員のような働きをしてくれるわけだ。たとえば「ヨハネス・ブラームスの最高の演奏を教えてくれ」という要求にはブラームスに関する知識、ジャンルの知識、年代の知識などが必要だ。
そしてRoon Radioも改良Valenceの恩恵を受けてより賢くなっているという。