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"音質追求”の特別機「Stellanova Limited」はヘッドホンをどう鳴らす? 実力徹底チェック!
スティーリー・ダンの「バビロン・シスターズ」は楽器とヴォーカル、コーラスのセパレーションの良さを際立たせ、凝りに凝った音作りの仕掛けが細部までよく見える。バスドラムが過剰に重くならず、ベースとともにリズムの切れが良いので、テンポがもたつかないし、ヴォーカルとコーラスに付帯音が乗らず、ダイレクト感が伝わる。
同じ曲を圧縮音源のストリーミングサービスで聴いてもここまで立体的な音を引き出すことはできないし、AmazonMusicHDの96kHz/24bit音源はCDと比べても明らかに鮮度が高い。Stellanova LimitedとK812の組み合わせは、フォーマットごとのクオリティ感の違いを忠実に引き出すことができる。
ポール・サイモンの「リストバンド」も96kHz/24bitのハイレゾ音源で配信されており、Limitedで聴くと高音質ストリーミングの長所を実感できる。冒頭からベースが刻むフレーズは次第に音域を広げてサウンドに厚みを加えるが、K812はすべての音域で音を引きずることがなく、タイトなリズムを刻み続ける。ベースがふくらまないことから、ヘッドホンアンプとして十分な基本性能を確保していることがわかる。ハンドクラップやコーラスが重層的に重なってもヴォーカルをくもりなくクリアに再現することにも感心させられた。
最大で192kHz/24bitのハイレゾ音源をステーションモードで再生したが、今回の試聴環境ではストリーミングとStellanovaのワイヤレス伝送どちらも品質は安定していた。音の途切れは皆無ではないが、頻度は低い。実用的にはほとんど問題にならないと思う。
■「大げさなシステムは好まないがクオリティにこだわる音楽ファンにお薦め」
アンプ内蔵とは思えないほどコンパクトなStellanova Limitedが大きなスピーカーを朗々と鳴らすのは痛快だ。一方、スマホやパソコンをワイヤレスでつなぎ、ヘッドホンで聴くスタイルはまさにStellanovaのコンセプトにピタリとはまる。
Limitedならどちらのスタイルで使ってもサイズからは想像できないクオリティ感を味わうことができるし、サウンドステージのスケールが大きいことも嬉しいポイントだ。
ヘッドホンで聴く高音質ストリーミングでは開放的で反応の良い音を引き出し、ハイレゾ音源ならではの空気感を堪能することができる。大げさなシステムは好まないが、クオリティにはこだわる音楽ファンにお薦めしたい。
(提供:パイオニア株式会社)