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【PR】次世代オーディオを牽引する実力機

「正当進化」したオールラウンド機、ティアック渾身の“701シリーズ”を速攻レビュー!

公開日 2021/03/24 06:45 生形三郎
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■500シリーズを受け継ぎながら、音の厚みや密度がさらに進化

それでは、早速その音質を検証してみたい。試聴テストは、UD-701NとAP-701の両機を組み合わせ、ネットワーク再生およびUSB-DAC再生でチェックした。再生ファイルはfidata「HFAS1-S10」内の音源を使用し、スピーカーはB&W「703S2」とParadigm「Persona B」を駆動する。

B&Wのフロア型スピーカー「703 S2」と組み合わせ。ニュートラルで脚色のない音色傾向だが、音楽の一体感も重視している

結論から言って、基本的な音傾向は500シリーズを受け継ぎながら、それがさらなる正統進化を遂げた印象を受けた。ニュートラルで脚色のない音色傾向を基本としながらも、決してドライになったり刺々しくなることなく、音の厚みや密度が大切にされた瑞々しいサウンドである。各楽器も、詳細に分離し過ぎたり、音数の多さを追い求めるような分析的な音に陥ることなく、音楽の一体感が最重視されている。500シリーズでは特に音の厚みや聴き心地の良さが際立っていたが、それを確かに継承しながら、発音や余韻のレスポンス、音色の透明感、演奏ダイナミクスの彫りの深さが増し、音楽の躍動感が高まり洗練さを得た印象なのだ。

昨年末に執筆したUD-505+AX-505試聴の時と同じ音源も聴いたのだが、その時のインプレッションと比べて驚かされる。筆者が録音した『音のリファレンスシリーズII』のピアノソロ音源のドビュッシー「沈める寺」では、楽器固有の音色キャラクターを伴ってホールのステージに浮かび上がるピアノが、より濃度の高い音で立ち現れた。

その音像は、決してこれ見よがしな高解像で描かれるのではなく、あくまで演奏の表情を自然体な姿で描くところが素敵である。また、505でも感じた楽器の音色や演奏を的確に描き出す明るいプレゼンスも健在で、音楽が生き生きとした活気を持って蘇ることが快い。

加えて、この701シリーズで特に感心するのは、低音域の打鍵が、滲まず沈まずに軽やかな音の出方で楽しめるところだ。低い音域も音が濁らずに、ピアノの響板やフレームに響く楽器の質感が、より正確に臨場感豊かに伝わってくるのである。これが、先の洗練さに直結しているのだろう。

AP-505に搭載されるレベルメーターもティアックらしい遊び心が溢れる

■アコースティックソースの表現力も印象的。楽器や歌声をより魅力的に聴かせる

Bill Charlapのピアノトリオ「Not A Care In The World」でも、ナチュラルで立体的なピアノの姿をはじめ、小気味よいウッドベースの指弾きやドラムスの躍動的なヒット感など、俊敏な推進力でもって音楽を展開させた。

また、とりわけて素敵だったのは、シンプルなアコースティックソースの表現力だ。男女ヴォーカルとアコースティックギターのデュオユニットaiaiによる「Monday」は、静けさの中から立ち上がるギターの、爪弾かれるスティール弦の仄かな輝かしさと、それを支えるボディの木質的な響きとが、実に旨味豊かなサウンドで再現された。

女性ヴォーカルは、唇の動きやブレスなどの繊細な表現をきちんと拾い上げながらも、歌声には肉感的な密度や潤いがしっかりともたらされていて確かな実体感がある。この音源も、筆者自身によって録音からマスタリングを実施したものだが、701シリーズが再現する音は、ニュートラルな方向性でありつつも、単に無味乾燥な忠実再現に留まることなく、楽器や歌声をより魅力的に聴かせる表現力に富んだものだと実感する。

スピーカーをB&W「703S2」からParadigm「Persona B」に繋ぎ替えると、両者の違いがハッキリと表出された。トゥイーターとウーファーがベリリウム振動板で統一されているこのスピーカーが持つ、緻密な空気感までを描写する能力や、詳細でディテール再現に富みながらも滑らかで心地よい質感が引き出されるのである。

Paradigmのスピーカー「Persona B」とも組み合わせ。格上スピーカーを堂々と鳴らし切るNcoreの力を実感

むろん、その性能故シビアに駆動力を要求するPersona Bであるため、スピーカーの描写力にまだ伸び代は感じさせるものの、ペア150万円のPersona Bとの価格差を考えると、むしろ十二分な実力といえるだろう。描き出される楽器音像の立体感や空間の奥行き表現など、瑞々しいリアリティによるこのスピーカーの持ち味を充分に楽しむことができた。

以上、Reference701シリーズは、より洗練されたデザインの獲得や、このクラスでは異例なまでの技術投入の実施、そして、これまでの500シリーズが持っていた音の魅力がさらにブラッシュアップされ正統進化したモデルだといえる。同社入魂の新たなフラグシップシリーズとして、末永く親しまれるロングランモデルになることは間違いないだろう。次代のオーディオスタイルを牽引し得る新たな実力機の登場を祝福したい。

(提供:ティアック)

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