<山本敦のAV進化論 第200回>
ソニーの「360 RA」対応スピーカー速報インプレッション!初の邦楽作品も聴いた
■SRS-RA5000/SRS-RA3000のプロフィール
今回はソニーから360 RA対応ワイヤレススピーカー2機種を借りてテストした。発売前のタイミングで試聴したため、Amazon Music HDで先に配信がスタートしている3D Musicのタイトルを聴くことができなかった。そこでソニーから360 RAの試聴用音源の提供を受けて聴く形をとった。
SRS-RA5000は360度に広がる音場を実現するため、本体に46mm口径のフルレンジユニットを上向きに3つ、側面に3つ搭載して、それぞれに高さ方向と水平方向への音の広がりを作り出す。筐体内部にはもうひとつ下向きに1基の70mm口径サブウーファーがあり、パワフルで肉付きの良い低音を再生する。本機はハイレゾ対応の上位モデルだ。スピーカーのサイズ、音のスケール感は10〜15畳前後のリビング/ダイニングルーム/ファミリールームでのリスニングにベストマッチする。価格はオープンだがソニーのオンラインストアでは66,000円(税込)で販売される。
SRS-RA3000は上位モデルよりもコンパクトな筐体に、直径約80mmのフルレンジユニットを1基と2基のトゥイーターを内蔵。側面に配置する2基のパッシブラジエーターにより豊かな低音を響かせる。RA5000ともにバッテリーは積んでいないが、RA3000は比較的サイズがコンパクトなスピーカーなので、リビングルームの一角に置いて聴いてもよいし、6〜8畳前後のパーソナルルームでも心地よく楽しめそうだ。本機も価格はオープンだが、ソニーのオンラインストアでは36,000円(税込)で販売される。ブラックとライトグレーの2色が選べる。
製品の仕様や機能に関してさらに詳しい解説はPHILE WEBニュースをご覧いただきたい。
■セットアップはとても簡単。オートキャリブレーションも活用したい
各スピーカーともにGoogleのChromecast built-inに対応している。Wi-Fiネットワークへの接続にはGoogle Homeアプリを使った。Google Assistant、Amazon Alexaによる音声操作にも対応している。Alexaのセットアップも含めた本体機能の設定、音楽ソースの選択等はソニーの「Music Center」アプリから行う。
スピーカーの設置場所を決めたら、環境に合わせて最適な音のバランスに整えておこう。どちらのスピーカーも自動測定(オートキャリブレーション)機能を搭載している。
RA5000は購入後に初めて本体の電源を入れた時点で自動環境測定を行う。環境測定を再度やり直す場合はスピーカー本体側面の「♪」ボタンを2秒以上長押しする。またはMusic Centerアプリ内サウンド設定のメニューの方から測定を走らせてもいい。
RA5000の場合は特別なキャリブレーション信号を使って自動測定を行うが、RA3000の場合は家の中で場所を移動させながら使うことを想定して、電源を入れて楽曲を再生するたびに毎回自動測定を行う。環境測定中は本体のランプが明滅して知らせる。
スピーカー本体のセットアップに関連するところでは、他にはMusic Centerアプリに搭載されている5バンド・5種類のプリセットを備えるイコライザーも活用したい。どちらのスピーカーもサイズを超えた太い低音が出せる。集合住宅にお住まいの方が夜中に音楽を聴きたい場合は低音を少し絞ったり、イコライザーを使ってバランスを整える方法もある。
■音質チェック:360 RA対応・邦楽作品も聴いた
今回360 RAの試聴は日本のアーティスト、Doulの『Howl』というビートの効いたEDM系の楽曲をリファレンスにした。Amazon Music HDではこの曲のハイレゾ版も配信されている。もうひとつがパーカッショニストのChristopher Hardyを中心としたジャズ編成のバンドによる『Greensleeves』の演奏だ。