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ポータブル派にも勧めたい、「Argon1」で始めるデスクトップオーディオ。スピーカー導入で世界が広がる
■スピーカー再生によってさらなるスケール感へと昇華
続いて、PMA-60をMacBook ProにUSB-DACとして接続し、同じく「One Last Kiss」を始めとするハイレゾ音源を再生。月並みな表現だが、ヴェールが一枚剥がれたような、さらにクリアで粒立ちの良いサウンドに進化する。音の立体感もさることながら、前後左右のスケールもより広く、かつ定位がシビアになり、ひとつひとつの音像へのフォーカスがピタリと噛み合う心地よい感覚を楽しめた。
Bluetoothの音も単体で聴くと素晴らしいものだったが、比較してしまうと、やはりひとまわりグレードが違うことを実感させられる。ポータブルのDAPをメインで運用している人であれば、ハイレゾ音源はPCで購入し、その都度DAPにデータを移して聴いている……というスタイルが当たり前になっていることも多いと思うが、PC上で直に良い音で再生できるというのは何より楽だし、ポータブル環境との住み分けとしても格別だ。
そして、PCで楽しめる音楽・映像コンテンツは幅広い。何気なくYouTubeやNETFLIXを観たり、PCゲームで遊んだりしている時であっても常に良い音で再生できるということは、日々のあらゆる体験を明確にアップグレードしてくれるはずだ。
最後にAstell&Kernの「A&ultima SP1000M」を使用し、DAPとの組み合わせを試してみた。近年ではUSB端子からデジタル出力できるDAPも増えてきており、SP1000MもUSB-C端子から出力することもできるが、今回はあえてRCA to ステレオミニのケーブルを使って、SP1000MのイヤホンジャックからPMA-60のアナログ入力へと接続してみた。
DAPに限らず、古い音楽プレーヤーや携帯ゲーム機など、イヤホンジャックを搭載している機器から気軽に再生してみるのも面白いだろう。
こういった接続方法でも、上述の再生環境に負けず劣らず良好だ。聴き馴染んだSP1000Mのきめ細やかなサウンドはそのままに、スピーカー再生によってさらなるスケール感へと昇華されている。言ってしまえばDAPからポータブルアンプへのアナログ接続を据え置き環境で再現しているようなものなので、当然ながら元のDAPの音質が遺憾なく発揮されている。
すでにハイスペックなDAPを運用しており、その性能を活かしたいと考えるならば、アナログ出しで構成するという考え方も大いにアリかもしれない。
筆者自身がポータブルオーディオ中心のライターであるということもあり、今回はポータブルオーディオからの発展をイメージした環境でそれぞれレビューを行った。その上で感じたことは、ポータブルオーディオにもホームオーディオにもそれぞれの良さがあり、かつそれらは体験として共存できるということだ。
上位下位の別物として捉えるのではなく、いわばポータブルオーディオを拡張するようなイメージで導入すれば、文字通り世界が広がることだろう。外出自粛の現状が過ぎ去ったとしても、間違いなくこれからのオーディオライフをより良いものにしてくれるスピーカーリスニングという選択肢を、まずは自宅でじっくり検討していただきたい。
(協力:Wefieldウインテスト株式会社)