[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第261回】
Apple Music ロスレス/ハイレゾ配信を徹底解説! 基礎知識からおすすめ再生デバイスまで
◯ロスレス=圧縮処理に伴う音質ロスがないこと
まずは基本用語「ロスレス」の意味を確認。ロスレスの素の意味はもちろん「ロスがない」だ。では、オーディオの話において「ロスがない」の意味は何かというと、多くの場面において「音声データの圧縮に伴う音質ロスがない」の意味となる。
音声データの圧縮については、最近だと「Bluetoothイヤホンとスマートフォンの間でのオーディオ伝送では、AACなどのコーデックで音声データの圧縮が行われており、それに伴って音質ロスが起きている」なんて話は聞いたことがあるのではないだろうか?そのように音質ロスを伴うデータ圧縮は「ロッシー」圧縮と呼ばれている。
対して、音質ロスなく、圧縮前の音声データと全く同等のデータ=全く同等の音質を維持したままのデータ圧縮が「ロスレス」圧縮と呼ばれているわけだ。
だから音質的にはロスレスの圧勝。一方でデータよより小さくできる圧縮率の高さではロッシーの圧勝。両者にはそれぞれ特長があるわけだ。
正確なたとえではないが、文章をこんなふうに書き換えることをイメージしてみてほしい。
●元の文章 「あなたはとてもとてもたいせつなひとです」
●ロッシー書換「貴方は超大切な人です」
●ロスレス書換「貴方はとても*2大切な人です」
ロッシー書換は文字数を大きく減らせている代わりに、こちらだけ見せられて「これを元の文章の書き方に戻せ」と言われても無理。ロスレス書換だと、ロッシー書換ほどには文字数は減らせないが代わりに、漢字や繰り返し指示を開けば、元の文章にすっかり戻すことができる。音声データにおけるロッシーとロスレスの関係もそんな感じなわけだ。
音楽サブスクにおいては従来、特にモバイル通信環境でのデータ通信量を低減する狙いから、音楽データをAACなどのロッシー方式コーデックで圧縮してのストリーミング配信が主流だった。その流れを覆すのが今回の「ロスレス」、さらに「ハイレゾ」でのストリーミング配信開始となる。
◯ハイレゾ=CDより音質スペックが高いこと
続いての基本用語「ハイレゾ」は、「ハイレゾリューション=高解像度」の略。何が高解像度なのかというと音声データのスペック。何に対して高解像度なのかというと、一般的にはCDに収録されている音声データのスペックに対してだ。
アナログの音声信号をデジタルデータに変換して記録再生する際の方式としては「PCM」方式が主流。そのPCM方式では「サンプリング周波数」「量子化ビット数」という二つのスペックが高いほど、デジタルデータ化の解像度が高まる。
前者は主に記録再生できる周波数帯域の幅広さ、後者は主に音の大小の幅広さに関わるスペックだ。それぞれの詳しい説明は省くが、たとえば画像データにおける「ピクセル数と色数」のように、それぞれ別の要素における情報量、再現性の豊かさを担っているものとイメージしてもらえればわかりやすいかと思う。
そしてCDに収められている音声データの情報量は以下の通り。
●サンプリング周波数44.1kHz
●量子化ビット数16bit
それと比べて片方、あるいは両方のスペックが上回っているのがハイレゾということになる。
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